Pの世界  沖縄・浜松・東京・バリ

もの書き、ガムランたたき、人形遣いPの日記

海が見える場所

2007年10月06日 | 那覇、沖縄
 海を見るのが好きだ。東京の郊外で育った私にとって、海は特別な場所だった。だから一年に何度か、東京湾を見るだけでも大感動だったし、江ノ電にのって湘南の海を見るなんて、もうとんでもなく贅沢なひと時だった。車を運転するようになってから出かけた西伊豆の海の光景の断片は、まだ私の記憶の中に残っているほどだ。ところが沖縄に住むようになってから、海が日常生活の一部の中に組み込まれ、5分も歩けば遠くに海が一望できるのである。車で15分も走れば目の前はもう海だ。
 私の家の周りで海の望める素敵な場所はいくつもあるが、その一つはモノレールの儀保駅である。天気の良い日は、慶良間諸島までが一望できる。しかも駅は高い場所にあるため、涼しい海風にあたりながら、そんな光景を心ゆくまで楽しむことができる。空港に向かうとき利用する駅だが、出発時間まで余裕があるときは、何台かモノレールを行き過ごしてまで光景を満喫する。
 もう一つ好きなところは、佐敷にあるウェルサンピア沖縄の浴場からみる海である。厚生年金によって建てられたこの建物、税金の無駄使いなどとの批判もあるだろうが、私は800円を払ってこの浴場に行くのが大好きである。なんといっても大きなガラス越しに、佐敷の海が一望できるのだ。海を見ながらお風呂なんて私にとっては、贅沢の極みである。
 今日も子どもとその佐敷の大浴場で海をみた。夜になって暗くなった海は、陸の部分で輝く電灯で縁取りされる。昼と夜では全く違う海の光景。
 「お父さんは海が好きだよ。おまえは海が好き?」私は子どもに聞いてみた。
 「ぼくは山の方が好きだな。だって、なんだか山の方には神さまがいるような気がするんだよ」
 わが子は心霊者か?それとも末は修験者か?と驚いたが、沖縄で育った子どもにとって海よりは山がずっと新鮮なのだろう。もちろん、私だって山の風景も好きだけれど・・・。