Pの世界  沖縄・浜松・東京・バリ

もの書き、ガムランたたき、人形遣いPの日記

約50年前ね……

2010年03月31日 | 那覇、沖縄
 沖縄北部旅行の帰り、「沖縄最大の滝」である比地大滝に立ち寄った。駐車場から山道を40分程度歩くと言われたが、朝食をバイキングでたらふく食べていたこともあり、体を動かさないと恐ろしいことになってしまう!と滝見物に行くことになったのだった。
 山道とはいえ、ほとんどファミリー用の散歩道。急な階段は多いが、それほどカロリーを消費しそうな道ではなく、ちょっぴり道については期待はずれ。もちろん滝は十分に楽しめた。夏の暑い時期ならきっと涼をとるのに素敵な場所なんだろう。
 ところでこの山道におもしろいものを発見。それが「炭焼き釜跡」の表示。「そうか、こんなところに炭焼き釜があったのか。きっと昔はハブがいっぱい生息していて、たいへんだったんだろう。」なんて思いながら表示をよく見ると、約50年前と記されている。500年、いやいや5000年前の間違いじゃないと思ったのだが、何度みても50年前である。なんだかぼくの年齢とほとんど変わらないんじゃない?もちろん50年前だから悪いということではないが、それにしても○○跡、と書かれていて約50年前だとインパクトがいまいちか。ある意味、ものすごいインパクトかもしれないけれど。

寒いから東伊豆みたいだね

2010年03月30日 | 那覇、沖縄
 沖縄北部海岸の舗装された道を走りながら、どことなく、この道が東伊豆の海岸沿いを走る道路に思えてきた。そう考え出すともう妄想はとまらなくなり、具体的に「舞鶴」なんて土地名まで出てくる始末。運転しながら、妄想ワールドは果てしない広がりを見せるのだ。
 とにかく沖縄の風景の中に、自分が長年経験してきた本土(ヤマトゥ)の風景を探してしまうのである。この行動はある種、本能的であるといってもいい。体がアイデンティティを呼び覚ますんだろうか。
 この日がもし晴天で、海が太陽の光に輝き、青空が海面に映し出されて海も真っ青に澄んで見えたのならば、きっと私は「伊豆」の風景を思い浮かべなかっただろう。伊豆の海岸の砂は黒いし、海は青ではなく、ぼくには緑色に見えるからだ。すべては、この曇り空と、荒れた海、そして寒さがぼくの本能を呼び起こしたに他ならない。少なくてもこの日の海は青いどころか、どんより曇った空の色に黒のインクを少し流し込んだような深い灰色に見えたし、白波があちこちにたっていたのだから。そして私はジャンバーのジッパーを一番上まであげて、冷たい海風ををしのいでいたのだから。
(本稿をもって、「沖縄は寒いぞ」三部作完結)

バリみたいだね、でも寒すぎるね

2010年03月29日 | 那覇、沖縄
 写真は宿泊したコテージである。かみさんはホテルの敷地に入るなり「ここ、バリみたいだね」を連発している。わが家は、南国のコテージ風リゾートホテルは、バリしか知らないために、この手のホテルはすべて「バリみたい」となってしまう。比較の対象がバリだけなのだから仕方がない。
 確かに東南アジアのリゾートホテルを彷彿させる構造と雰囲気だ。歩いて1分以内には白い砂浜が広がるし、南国の木々が点在している。いかにも「南方」を感じさせるような鳥もコテージのまわりに飛来する。
 しかし、どんなにシチュエーションが「バリみたい」であってもそれは視覚的な要素だけであって、体感温度(五感でいえば、触覚に当るんだろう)が低すぎて、どんなにバリを思い描いても、「偽」っぽく感じてしまう。
 ぼくもかみさんにこういった。「バリみたいだね。でも寒すぎるね。」
 とっても冷房をきかせたサービス精神旺盛なデンパサールのショッピングセンターだって、ここまで温度は下げないと思うけどな。
 

海は青かった、でも寒かった

2010年03月28日 | 那覇、沖縄
 一日、休暇をとって沖縄北部の高級なリゾートホテルに宿泊した。宿泊のクーポンの期限が切れそうだったこともあるが、たまには沖縄に住んでいながら、沖縄旅行も悪くない。しかし、旅行当日は最高気温が16度の3月の沖縄では極寒の気温。昨年から今年にかけて、どこかの航空会社が冬の沖縄に「キラキラ沖縄」というコピーを使っているが、いやいや「ブルブル沖縄」である。
 嵐のような雨、暴風警報のような風、海岸沿いの道を車で走ると波をかぶる……などさんざんな思いをして北部のリゾートホテルに到着。まず何をしたかといえば、海岸を展望できる風呂に直行し、白波がたつ海岸を横目に温泉気分である。こんな日に沖縄にきちゃった人は「キラキラ沖縄」を恨んでいるんだろうなあ、なんて思ったりする。
 翌朝、四枚服を着込んで、海岸に出てみた。ほほぉ、確かに沖縄風海岸である。白い砂浜に青い海、青いというか、海が乳白色に見える。やっぱり沖縄の海は青かった!しかしである。そんな悠長なことを言っていられたのは数分で、すたこらさっさ、と部屋に戻ったのであった。「海は青かった、でも寒かった」からである。

不幸中の幸い?

2010年03月27日 | 那覇、沖縄
 24日は沖縄アジア国際音楽祭の「アジア伝統音楽」のイベントに参加した。出演は韓国、台湾からの来日グループと沖縄からはかつて首里奥王府で演奏されていた御座楽のグループで、私たちガムランは当初はロビーで演奏するはずだった。そのために静かな曲の練習をしてきたのだが、本番まで1ヶ月をきったある日、主催者から「ロビーでの演奏の許可がおりない」という趣旨の連絡をもらった。
 「ところで、緞帳の閉まった舞台の前とかで演奏できないですかね。」といわれたのだが、ガムランをそんなに狭く、横長な場所で演奏できるわけはない。そこで、今度は「静」のガムランではなく、「動」のはげしいガムラン演奏を提案したのだった。それが行列しながら演奏するブレガンジュルだった。
 曲目変更で練習時間があまりない。普段、演奏する曲ではあるが、重要なのは曲の練習だけでなく、振付である。客席を練り歩くとしても、バリで道路を行列するわけではないのだし、やはりホールでの演奏には「聞かす」ばかりではなく、「見せる」ことも重要。しかも沖縄の観客はエイサーを見慣れているために、「見せる演奏」に目が肥えているのだ。とにかく急場しのぎでありながら、振付を考え、今回は演奏者が180度まわるなど新しい振付を取り入れたのだった。
 たった10分の演奏だったが、オープニングで会場は意外に盛り上がった。もちろん両耳を手でふさいでいる方もいたけれど、その一方で、ノリノリの「オバア」がいたりして、演奏しながらそんな観客を楽しむことができたのはよかった。とにかく、不幸中の幸いである。成功、成功。

Wayang in Ginteng-Street

2010年03月25日 | 那覇、沖縄
 もう数日前になってしまいましたが、沖縄市コザ十字路近くのちょっぴりわびしい銀天街商店街で21日にワヤンを上演しました。写真は上演前の舞台をセッティングした様子。住民はこの商店街に車で進入できるらしいのですが、本日はワヤンのため通行止め。夜7時を過ぎると、そんな商店街にどこからともなく人が集まってきました。
 そもそもこのイベントは、今、沖縄県が主催している国際アジア音楽祭musixのひとつですが、そんな「大看板」を感じさせない質素なつくりと、場所がいいのです。しかも、上演会場の横では焼き鳥を売っているし、雰囲気はどこか東南アジアのさびしいストリートの感じでした。
 こういう場所、ほんとうにいいですね。ホールでの公演とはまた違った雰囲気があります。ただちょっと残念なのは、この日はちょっぴり肌寒かったこと。せっかく東京から上演のために来てくださった方々は期待していた「沖縄の暖かさ」が感じられなかったかもしれません。でも翌日はうってかわって夏日で、海にも行ったしね。

正座でワヤン

2010年03月23日 | 那覇、沖縄
 二日前の日曜日、沖縄市のコザ十字路近くにある銀天街商店街でワヤンの上演があった。東京からメンバーが5人もかけつけてくれる。感謝、感謝である。
 上演に先立ち、子ども向けのワークショップが行われた。そのときの参加者の一人が、これまで私が上演したワヤンを見てくれている「ワヤンの大ファン」である。といってもまだ年齢は4、5歳の「ボク」。それでも「ボク」は、ワークショップを終えてから、大きな竜を操りながら、口を動かして、何かをしゃべっている。もうすっかり気分はダランである。
 そんな子どもの光景に感動しながら、ふと彼の足を見ると正座ではないか!なんてかわいいこと。きっと親の躾が行き届いているんだろうな。とにかく、「ボク」は有能なダラン候補であることは間違いない。
 「ねえ、ボク、そろそろ終わりにしようね」
 声をかけると、なんだかちょっぴりさびしそうだったかしら。ごめんね。でも、次にワヤンを上演するときもまた見にきてね。

卒業式なのでスーツを

2010年03月18日 | 大学
 きょうは大学の卒業式である。ああ、嫌な日が来てしまった。なぜってスーツを着なくちゃならないからである。そりゃあ太ったからですよ。太ったから。

 昨年、春に作ったスーツを洋服ダンスから出して、カーテンレールに吊り下げて眺めた。ダークグレーにうすい縦縞が入ったなかなかおしゃれなスーツである。すると、昨年これを買った時の記憶がぼんやりとよみがえってきた。

 「ぼくは、太ったり、痩せたりするんです。そういうわけで、ちょうど今、痩せているときだから、大きめのスーツが欲しいんです」と私は若い男性の店員に言った。すると彼はこう言うのである。
 「今は、大きめのスーツなんて流行じゃありませんよ。体にフィットしたスーツを着るんです。それが今のスーツです」確か、そんな内容のことを、笑顔で言われた気がする。たぶん、ぼくは年甲斐もなく、「流行」と「今風」に惹かれたんだろう。結局はこの店員に勧められるままに、当時の体(といっても、まだ一年前である)にぴったり合ったスーツを作ったのだった。

 だから、憂鬱なのだ。今日という日が……。こわごわズボンをはいてみるが、案の定、ピチピチである。かみさんは「下着のラインも見えるわよ。」と楽しそうに笑っている。上着を着れば見えないでしょう? 「ジーパン持っていったらどう? ズボンが破れたときの替えに」とやさしいアドバイスまでしてくれる。

 ぼくは今、そのスーツを着てブログを書きながら、まさに今こそダイエットが必要なんだ、と確信する。そうしなければ、ぼくの体重は順調に増え続け、4月5日の入学式にはもうこのスーツを着られなくなってしまうから。でも卒業式のことを考えれば、あと二週間、早くダイエットすることに気づくべきだったのだ。

ダイエット決意表明

2010年03月17日 | 家・わたくしごと
 このところ、なんとなく体が重いし、ジーンズも窮屈で、ベルトの穴の位置が変わった。要するに太ってしまっているのだ。昼の弁当も300円から400円に格上げしていたし、おやつでチョコがいっぱい詰まった菓子パンは食べるし、あやぐ食堂でCランチなんぞ注文すれば太るに決まってるじゃないか。
 ということで、Pは昨日から5キロのダイエットに挑戦!もうこのブログで公言したんだし、これは「ダイエット決意表明」である。あんまりはずかしいので自分の体重は言えないが、これから時々、うそ偽りなく減った体重をブログに記録することにした。
 ちなみに一昨日の月曜日から始めるつもりで、朝、運動着に着替えて「さあウォーキング」と思って玄関に出たが、大雨だった。それに夜は東京から友人が来て飲み会だったし、「それなら明日からにしよう」と一日延期したのである。私のダイエットは運動型なので、量は減らすが三食のうちどれかを食べないということはない。それにしても、こういうダイエット、2年に一回繰り返しているよ。痩せて、太って、痩せて、太って……。なんだか風船みたいだ。

銀天街商店街でワヤン上演

2010年03月16日 | 那覇、沖縄

 今、沖縄では県が主催している音楽祭musixが開かれています。約1ヶ月にわたり開催されている音楽祭で、県が主催しているポピュラー音楽がメインの音楽祭。もっとも、ポピュラー音楽ばかりではなく、沖縄とのかかわりから、沖縄伝統芸能のほか、アジアや沖縄の伝統音楽に関するユニークなイベントも盛りだくさんです。 不思議とクラシック音楽がないというのも特徴です。
 このイベントは那覇市だけではなく沖縄市でも開催されていて、私、沖縄音楽の軌跡 第一夜「アジア伝統音楽の夕べ」というコンサートにくっついたイベント「バリ島のワヤンのワークショップと上演」に出演します(コンサートの方にもガムラングループのメンバーとして出演します)。「アジア伝統音楽の夕べ」のチラシの下の方にちっちゃく書いてあるでしょう?無料イベントです。上演する場所は沖縄市のコザ十字路そばの「銀天街商店街」。屋根つきの商店街の通路で上演することになっています。たぶん商店街の道路を通行止めにしちゃうのでしょう。
 銀天街商店街は、今やシャッター商店街だそうです。コザ十字路やパークアベニュー周辺の商店街は活性化のさまざまな試みが行われているとはいえ、決して今や「繁栄した商店街」とはいえないのが現実。そうした中で、商店街の復興のためのさまざまな取り組み、イベントが行われているのです。このワヤンもそうした活動をしてくれているたくさんの方々や、沖縄市、沖縄県の協力で行われます。
 お時間のある方は、ぜひ、ワヤンを観にいらしてください。今回の演目はマハバラタ物語から「アルジュナの瞑想」。沖縄では初めての演目です。上演は1時間とちょっとくらいだと思います。