Pの世界  沖縄・浜松・東京・バリ

もの書き、ガムランたたき、人形遣いPの日記

日本でも売ってます

2015年09月29日 | 東京
 先日、上野の東京国立博物館に出かけたときのこと。久しぶりに上野から御徒町に続く「アメ横」を歩いてみました。以前ほど「市場」的な雰囲気はなくなり、今ではアウトレットの衣装、あとは食べ物屋がたくさん。客層もだいぶ変わったように思います。アーミーグッズの老舗、中田商店が健在だったのには安心しましたが。
 この一角のビルの地下に、アジアの食材を集めたマーケットがあります。ここに入るともう別世界。異国の言葉が飛び交っていますし、売られているものも地上とは大違いです。那覇の市場も本土の市場とは大違いですが、このアメ横の地下の世界は、沖縄どころじゃありません。日本じゃないと思った方がいいでしょうね。
 その中に見つけちゃいました。ティラピアちゃん。そうです。あの鯛のような触感の川魚、グラミguramiです。ちゃんと輸入しているんでしょうね。インドネシア料理屋には必須のアイテムでしょう。ちなみに鯛のような触感、と書きましたが、日本では戦後、「チラダイ」「カラスダイ」という名前で食用にされていました。それが沖縄のこどもの国の池で、繁殖しちゃっているんですね。欲しい、という方、アメ横へどうぞ。

半年もすれば…

2015年09月22日 | 家・わたくしごと
 半年もすれば、国民は忘れるそうですよ。そういう風に思っている偉い方々がたくさんいるそうです。もちろん僕はそんな「えらーい」人と会って話したことはないのでわかりません。確かにどんな事件だって半年もすれば風化しちゃうものですものね。偉い方々のお考えももっともです。
 さて重要なことはここから。私を含む「国民」なる集団は、そんな予想通りに少しずつ記憶を風化させちゃうのかしら?
 忘れてなるものか、という皆さま。毎日、以下の言葉をトゥリサンディアのように一日三回つぶやきましょう。
 「半年もすれば、国民なんて忘れちゃうよ。フフフ……」(特にフフフの部分を「えらーい」政治家になったつもりで、心を込めて)
 たくさんの「国民」が、自虐的にこの言葉を1年間、毎日毎日、心の中で繰り返し唱え続ければ、すばらしい未来が開けるはずですね。私も先週から実践しております。

トーハク

2015年09月17日 | 東京
 いつ頃から、東京国立博物館は「トーハク」と呼ばれることになったんだろう。いつの間にカタカナで表現されるようになったんだろう。しかしすっかりそのオシャレな響きを持つ名称が若い人々には定着してきた様な気もする。
 子どもの頃、父に東京国立博物館に連れていってもらった記憶がある。何があったかといえば、それは、ずばり「ミイラ」だった。あまりのインパクトの大きさから、僕はそれ以外に何を見たか全く記憶にない。とにかく大学生になり東京藝大に行くときにも、社会人になって上野公園を通るときも、例外なくそのことを思い出した。
 今週の火曜日に出張で「トーハク」に出かけた。仕事のついでにぶらりと「古代エジプト」の部屋に寄ってみた。そこにはあのときと同じように「ミイラ」が展示(安置)されている。しかし子ども時のような衝撃は全くなかった。なんだか初めて見るようでもあり、やはり年齢とともに感動なるものが薄れてしまっているのかと、ある種の「怯え」さえ感じた。
 ふと、子どものときの目線でミイラを見てみようと思った。身長もずっと小さかったし、今の高さからミイラを見ているはずがない。とっさにかがんで、ガラスの展示ケースの横からミイラの横顔を覗いた。その刹那、おそろしいほどの恐怖感が走った。そうだ。この横顔の輪郭を僕は見つめたのだ。その記憶がどこからともなく湧き出てきて、それが突然、記憶の中にぼんやりと蘇ってきた。ぼくはそそくさとその部屋を出た。早く夏の終わりの外の空気を胸いっぱい吸いたかったからだ。

GUCCIのタオルですぜ

2015年09月16日 | バリ
 もう帰国してから10日近く経過してしまいましたが、GUCCIのお話し。CUCCI、とかGUCIではなくて、文字だけ見れば由緒正しいGUCCIでございます。
 このタオル、バリのサヌールにあるハーディーズなるスーパー1階の右奥であり、そこにて180エンにて購入いたしました。色とりどりのGUCCIタオルコーナーが設けられております。というより、GUCCIはタオルを本当につくって売っているんでしょうかね。
 難しいことを考えてはいけません。たとえ「パチモン」であったとしても、「日本に持って帰る目的ではなく」、バリで使用するために購入したわけですから何の問題もありません。そうです。この写真はバリでの写真なのです。
 「日本に持って帰ったのか?」
 そんな質問しないでください。だめなんですよ。こういうパチモンを持って入国してはいけません。法律があるんですから。僕が持って帰ると思います?
 「えっ、思う?」
 
 さて、読者の皆さん、気が付きましたか?もう一度、このタオルを良く見てみましょう。私のように家にはGUCCIのものがあふれているのでわかるのですが(嘘言うな)、実はこのタオルはひとめで「GUCCI」でないことがわかるんです。ですからホンモノとして売ることは不可能です。ある意味「パチモン」でもない、別物なんです。adidasがabadas, KittyがKettyになっているようなもんです。実は、文字に騙されてはいけないんです。問題はロゴです。ロゴが違うんですね。実は、このタオルでは、横のラインが繋がっていますが、ここには隙間がなくてはなりません。つまり、ロゴを見れば、これはGUCCIもどき、でありGUCCIでないことわかる仕掛けです。よくできてますね。これは日本に持ち帰っても大丈夫なんですかね。
 「えっ、持って帰ってきちゃったの?」

小原公演終了

2015年09月15日 | ワヤン上演
 愛知県豊田市の旧小原村の農村舞台でのワヤン公演、無事終わりました。天気にも恵まれ、火を使って上演することができました。昨年より2週間早かったので、夜の涼しさもほどほど。100名以上集まってくださった観客の方々も寒さに震えることはなかったと思います。おいでくださった皆様に心から感謝いたします。
 今回は2時間10分くらいの公演時間でした。最後まで大勢の方が残って見て下さっていましたが、あとで考えてみると、車の道までは7,8分の山道で電気がないので、帰りたくても帰れなかったのかもしれません。そう思うとちょっと悪かったかな、なんて思ったりもします。
 上演していて、ときどき聞こえる観客の笑い声が上演中のダランの活力。今回も子どもを含め、よく笑ってくださいました。それと遠くから掛け声もかかりましたし。上演場所はかつて集落ごとに存在した農村歌舞伎の舞台。昔は観客と演者は一体となって不思議な演劇空間を作っていたのでしょう。今回もそんな舞台を目指しましたが、どうだったかな。でも観客の方にも助けられて、とても素敵な上演空間が演出できたような気がします。

移動雑貨屋

2015年09月14日 | バリ
 先月、バリ北部の村に調査にいったときのこと、インドネシアのポピュラー音楽の一つ、ダンドゥットを流した車が調査する楽器の置かれた集会場の方に近づいてくる。昔、この音楽を流す車はたいてい移動映画の宣伝カーだった。「今晩、○○集会場で映画が上演されます、是非おいでください。」なんてむちゃくちゃチープな音割れの半端じゃないスピーカーを通してハンドマイク越しの声が聞こえていたものだ。だいたい声は音楽の音量でかき消されて何をいっているか私にはほとんどわからなかったが、地元の人々にとっては、一昔前の日本の地下鉄のアナウンスみたいに、だいたい雰囲気で感じ取っていた気がする。
 2015年、まだ北部バリの小さな田舎村では移動映画なんて存在しているんだろうか?いや、ありえないね。たいていの家にはVCDがみれるビデオがある。振り返ってみると、昔と同じような車だが、映画宣伝カーではなく、雑貨屋だった。なんでダンドゥットが流れているか、と村の人に尋ねてみると、「もう何年も前からジャワからやってくる雑貨屋だから」と微笑んで答えてくれた。ジャワ=ダンドゥット音楽ってことなのか?確かに車のナンバーを見てみるとADとある。これはスラカルタ(ソロ)のナンバーなので、中央ジャワからやってきた行商なのかもしれない。
 車が集会場の前に止まった。暑い昼下がり、エンジンは止まったが、音楽は流れたままだ。遠くの畑でトラクターらしい音が聞こえる。ダンドゥットとトラクターの音だけが響く村の音。なんだか、音だけが時間を食べていて、あとは空気も風もとろっと静止しているような空間。
 

9月初旬のバリ

2015年09月13日 | バリ
 バリに行くのはやはりバリ芸術祭の時期から、9月くらいまでが一番涼しくて過ごしやすい季節だと思います。少なくても日本人にとっては。乾季ということで雨に悩まされることはほとんどないし、やはり夜になると冷房がいらないほど涼しくなるのです。ちょうど今の浜松の気候のようです。バリに来ていた友人の研究者も同じことを言っていました。
 でもこの時期ばかりにバリに行くことはできないわけで、やはり大学の教員であれば冬休み、春休みに行かざる得ないこともあります。特に冬休みは雨期真っ最中で、朝から雨降りなんてこともあるし、頭に思い描く南国の島とはかけ離れた光景に遭遇することだってあるわけです。バイクで移動の調査は本当にたいへんな季節。3月は時々雨降り。でもやっぱり暑い季節。日本はまだまだ寒い季節だし、その温度差もきつく感じるのです。
 写真は今年の9月5日にサヌールで撮影した写真。帰国日、収録したデータの話などしながら、クラブハウスサンドイッチを食べたお店にて。9月の青空が気持ちいいほど澄んでいます。まるで夢みたい。

みんな大好きなWarung Mina

2015年09月11日 | バリ
 Minaというと、あれ、これガムラン界の重鎮のお方のお名前?と思いきや、いえいえ、このWarung Minaは、バリのMinaでございます。どちらにしても「みな大好き」という点ではかわりはないのですが、本日は、バリの方の池魚を中心としたレストランのお話し。
 ここでは主に、グラミとよばれる淡水魚がさまざまな料理法で提供されます。最近、日本のインドネシア料理屋さんでも出すところがあるようです。沖縄のこどもの国の池で、食パンを餌に釣る「あの魚」です。とにかくヒレがトゲトゲで素手だと痛い魚。戦後の食糧難の時代、沖縄に持ち込まれた外来種だそうですが、在来魚を貪欲に食べそうな、そんなお魚「ティラピア」です。
 インドネシア人はこのお魚が大好き。もちろん私Pの大好物でもあります。インドネシア人の先生ご夫妻のご招待で、M教授、S教授とともにこちらでお食事。はじめはデンパサールの北の釣り堀だったところにできたお店でしたが、それが流行りに流行って、いまではたぶんバリに5,6件できて、すでにチェーン店化しています。話によると、魚はバリの養殖場だけでなく、ジャワから大量に持ち込まれるそうです。
 こちらの店は官庁街ルノンにあるお店。ちなみに今回は、焼きエビやサテななどもあるセットメニューで味を堪能しました。こちらのブログはお店の外見だけですが、お店のオシャレな内装とこの日食べた料理はS教授のブログにあったのでこちらをクリックしてくださいね(クリックしても高額請求はありません)。

凧 layang-layang

2015年09月09日 | バリ
 早いものでバリから戻って、もう4日目です。戻ってきたら、雨、雨、雨で本日は台風上陸。この二日間、浜松は道路冠水ですっかり全国的に有名になった気がします。
 その浜松では5月3日から5日まで浜松まつりで大きな凧があがります。初子の成長を祝うという大きな意味がありますが、写真の凧はバリの凧。ちょうど乾季の7月から9月中旬にかけて浜松のように大きな凧があがり、若い男の子たちは凧揚げに熱中します。凧を持って幹線道路を移動している団体のせいで道路が渋滞、なんてこともしばしばです。ところでバリの凧は、儀礼的な意味はありません。単なる娯楽。1930年代の写真にもすでに撮影されていますから今世紀初頭にはもうあげていたということになります。
 バリの凧と浜松の凧の大きな違いは、というと、ずばり「音」。もちろん形の違いもありますが、大きな違いは「音」がするか、しないかなのです。バリの凧には振動する弦のような紐がつけられていて、それが大空で風によって振動して「ブーン」という大きな音を発します。バリ人は竹にあけられた穴のスナリ、また鳩の足につけられた笛など、風を「音」にする達人ですが、凧にも「音」をする装置をつけるのです。ちなみに凧上げコンテストではこの音も審査対象だそうです。写真から音が聞こえてきませんね。すごい音なんですよ。僕だけにはよく聞こえます。音の記憶が蘇ります…。

Warung kecil

2015年09月03日 | バリ
 先週のことになるが、S教授とサヌールで食事。いつも同じところだとつまらないし、新しい店を開拓しようと、バリの友人に勧められた店に行ってみた。サヌールのJl.DuyungにあるWarung Kecilというお店。Kecilは「小さい」という意味だが、確かに小さい。たぶん15人もはいればいっぱい、という広さ。私たちは店内に席がなくて、外に置かれた椅子に座る。
 この店、作ってもらうメニューもあるが、基本はチャンプル屋さんのように選ぶシステム。店内はすべて外国人だったが、ほとんどそのシステムで食べている。ビールを注文しようとしたら、「冷蔵庫に入っているから、自分でとって飲んでね」という感じ。実に気さく。スプーンとフォークも適当にとってね、と言われる。
 ある意味、街のナシ・チャンプル屋と同じように見えるが、まったく雰囲気が違う。オシャレである。オーナーは外国人らしい。バリに来た、って感じを十分に堪能できる。しかも値段もさほど高くない。このチャンプルで28,000ルピア。つまり260円くらいである。ビールの小瓶も20,000ルピアだったから、500円足らずでお腹がいっぱいになる。ということであまりブログで店の宣伝はしないが、今日は特別、ということでこれからサヌールに行く人にはぜひおすすめである。ただし店が小さいので大勢は無理。