在宅勤務が増えてから万年筆で手帳に書き込む機会が増えてきました。これまでは出先での打ち合わせ前後で移動をはさむため、万年筆でゆっくりとメモをとるというよりは、ポケットからボールペンをさっと取り出し、必要なことを走り書きし、またボールペンをさっとしまって次の打ち合わせに向かうという感じでしたが、オンライン会議中心の生活だと移動時のバタバタした感じがなくなるので、手許に万年筆を置いて必要なときに手帳に書き込むことが多くなりました。せっかく書き易いペンを手にしているのですから、書き込む手帳も書きやすいものであって欲しいものです。そこで手持ちの手帳・ノートに万年筆で書き込んだときの感触を試してみることにしました。
試してみた手帳、ノートは以下の通りです。
この5冊をモンブランのマイスターシュテュック146(ペン先:細字F)を使って
- 筆のすべり
万年筆のペン先を走らせたときにいかに紙面に引っ掛かることなくスムーズに書けるか - 速乾性
万年筆のインクが短時間で紙面に吸い込まれるか - 裏うつり
万年筆で書き込んだときに裏面に文字が透けないか
の3つの観点で評価してみました。
- 筆のすべり:C.D. Notebook>能率手帳ゴールド>能率手帳3>モレスキン≧MDノート
紙面の滑らかさはC.D. Notebookが圧倒的です。滑らかというよりもツルツルしているといった方が適切かも知れません。個人的にはボールペンを走らせるときC.D. Notebookが一番心地良く感じられる気がします。
能率手帳ゴールドは高価なだけあって、ペン先に本当に程良い抵抗感とすべりを感じます。万年筆にはこの滑り具合と抵抗感が個人的には最適だと感じました。
能率手帳3は普及版なので能率手帳ゴールドとは紙の材質が異なります。両者には5倍くらいの価格差があるものの、書き心地はさほど悪くなく、能率手帳ゴールドに比べるとやや滑りすぎるかなといったところでしょうか。
モレスキンはすべりよりも引っかかりの方が強くます。筆圧が高い方だとこの引っかかりが気になるかも知れません。
意外なことにMDノートはモレスキンと同じか、それよりもやや引っ掛かる感じがしました。 - 速乾性:モレスキン≧MDノート>C.D. Notebook>能率手帳ゴールド≧能率手帳3
インクの染み込みの速さは紙面のツルツルさに概ね反比例しています。モレスキンとMDノートは速いペースで書いていてもインクがこすれることがほとんどなく、かなり軽快にメモが取れます。
C.D. Notebookは予想に反してインクが紙面に残る時間は短かったです。イメージとしては速乾性というよりは、紙の素材があまりインクを吸い込まないので紙面が湿らないといった印象です。
逆に能率手帳ゴールドは、紙の材質がインクを吸い込むので、C.D. Notebookと比較すると紙面が濡れている時間がやや長く感じました。その副作用として文字が太めにくっきりと残るので、読みやすい気がします。モレスキンやMDノートほどの速乾性はないものの、書くスピードが遅い私の場合は気になるほどではありませんでした。
意外に健闘していると思ったのが能率手帳3で、能率手帳ゴールドにはやや劣るものの、それに近いくらいの速乾性はありました。こちらもよほど速く書かない限りは気にならないかも知れません。 - 裏うつり
さすがに5冊とも良いノートなだけあり、裏ページに文字が透ける製品は1冊もありませんでした
5冊書き比べてみると、同じペンで書いているにも拘わらず、各社各様の特徴があって面白いです。個人的に総合評価をするならば、紙の素材として一番書き易く、読みやすいと感じたのは能率手帳ゴールドでした。また、万年筆の書き心地とは直接関係ありませんが、MDノートの罫線は5冊の中で一番目にうるさくないので、別枠で評価してあげたいところです。
皆さんは手帳をどのような基準で選ばれるのでしょうか?
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