入学・入社、転居・転勤、留学、転校、昇進など、生活環境が変化することがメンタルの不調のきっかけになることは多いものです。入学や昇進のようなおめでたい出来事ですら、私たちにとってはストレスになり得ます。そんなストレスによって心がバランスを崩した状態が「適応障害」です。
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◆日常的なストレスが誘因となる
生活環境の変化、対人関係のトラブル、離別や死別など、はっきりと確認できるストレスの原因があることが、適応障害を起こす条件となります。
ただし、適応障害を引き起こすのはあくまで「日常的な社会生活の中でのストレス」です。災害や戦争、犯罪や大事故などといった、日常では通常経験しないようなストレスの場合には、急性ストレス障害(ASD)や、心的外傷後ストレス障害(PTSD)となります。
また、大切な相手と死に別れた場合は、2か月以上症状が続いている場合に限って適応障害と診断されます。それ以内に回復すれば「死別反応」と呼ばれます。
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◆個人差がある適応障害の症状
よく見られる症状としては、不安・焦燥感・気分がふさぐ(抑うつ症状)など「情動面」での不快感と、集中力や根気が出ない、しなければならないことに手がつかないといった、生活面・職業面での機能障害が見られます。また、攻撃的な言動や八つ当たり、あるいは、それまでできていたことができなくなってしまう「退行」が現れることもあるようです。
同じ境遇やその変化にあっても、それをストレスと感じる人と、そうでない人がいます。例えば、新しい物好きの人は、引っ越しや海外生活を楽しむことができるでしょうが、変化が苦手な人にとっては大きなストレスとなるでしょう。このように、適応障害も個人差が大きく、何をストレスの要因と感じるかは人それぞれなのです。
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◆治療は休養と環境調整が基本
適応障害の治療は、休養と環境調整が基本になります。不安や不眠などの症状がつらい場合は、対症療法として薬を用います。環境調整については、ストレス因を除去するか、ストレスへの抵抗力を強くする・対処能力を高めることが必要となります。そのための方法として、カウンセリングや認知行動療法が有効とされています。
ストレス因に対しては、現実的に働きかけて問題解決へつなげられれば理想的ですが、実際には難しいことが多いでしょう。例えば、「新しい職場の人間関係」がストレス因になっていたとしても、その環境を変えることは簡単ではありません。
その場合は、現実的に許容される範囲で、一時的に回避をしたり、ストレスによって起こる緊張感を感情に出したり、ストレス発散をしたりといったストレスコーピング(対処)ができてくると、症状が改善され、時間とともに軽快していくと
環境の変化は大きなストレス!「適応障害」に要注意