むさしの連歌会

雅な和歌の言葉で連歌を楽しむ会、一度、のぞいてみませんか?

リモート連歌会を始めました

2020年07月01日 | 近況

むさしの連歌会は毎年春、古河の満福寺で、地元の方々と一緒に連歌会を開催することを恒例としてきました。お寺には、宗祇とともに連歌の最盛期を築いた猪苗代兼載翁の墓所があり、そこでの「花の下連歌」には格別の思い入れがあります。しかし、今年は新型コロナウイルスの流行により、その中止を余儀なくされました。そればかりか、都内の会議室で行ってきた月2回の例会も、3月からは開けなくなってしまいました。

こうなると連歌の虫がうずくのが、私たち連歌愛好家のさが。顔を合わせることは無理だとしても、何とか一緒に連歌を巻くことはできないかと有志が工夫し、インターネットを使った「リモート連歌会」を始めました。

世の中には、Zoomなどテレワークのためのツールがたくさんあります。でも、パソコン・スマホ・ガラケーと色々な機器を使っている我々仲間は、それには頼れません。一方、メールを順送りして付けていく文音連歌では、皆が一堂に会するという臨場感を得られません。そこで考えたのが、メールの「全員に返信」機能を使って、皆で情報を共有しながら付けていく方法です。4月から既に、5回のリモート連歌会を開催。最初は思うにまかせぬことも多かったのですが、近頃はかなり慣れてきました。

ここに至るまでは、試行錯誤の連続でした。リモートで出勝ちにすると皆が急ぎすぎるので膝送りをメインにすること、衆議判でやると混乱するので宗匠・執筆・板書係・通信世話係の分担制にすること等は、皆で知恵を絞って編み出したやり方です。でも、まだまだ工夫の余地はあるように思います。ここ首都圏は新型コロナもまだ収まっていないので、引き続きリモート連歌会によらざるを得ません。

「作品集」に掲げた第60巻賦何色連歌は、そうして詠み上げたものです。「猪苗代兼載翁追善」としたのは、もともとがその趣旨であったため。その気持ちで連歌を巻きました。発句は、兼載翁の句。これには、おもしろいエピソードがあります。むさしの連歌会では、何時も発句をコンクール(匿名投票)で決めているのですが、今回は一人がちょっとした悪戯をたくらみました。兼載翁の句をそっと忍ばせておいたのです。開票してみると、果たして兼載翁がダントツの1位。皆、「なあんだ」と言うと同時に、「我々の選句眼もそこそこ確りしているな」と安心しました。

次回は7月の第2土曜日。ぼつぼつ第61巻が満尾を迎えるころだと思います。さすがに顔を合わせての実作より時間がかかりますが、質疑応答の時間帯に池田代表の懇切な指導を受けられることも魅力です。こんなことをしながら、何時かは皆が打ち揃って連歌を巻く日が来ることを楽しみに待っています。

  古河市 西光山満福寺山門(昨年4月)


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