むさしの連歌会

雅な和歌の言葉で連歌を楽しむ会、一度、のぞいてみませんか?

賦初何連歌(巻61、令和2年7月25日満尾)

2020年07月25日 | 作品集

紫陽花とほととぎす図(与謝蕪村)~愛知県美術館:木村定三コレクション

発句 ひとこゑを風に遊ぶやほととぎす 初瀬  
分け入る山の奥の涼しさ 和雄  
第三 杉むらの見越しの島に波寄せて 可矢  
第四 水門をめぐる舟ぞ忙しき せはしき
第五 行きやらでやつれ衣を休ませむ さう美  
第六 空のうつろひ秋立ちぬらし 草芳  
第七 雲離れ絶え間に月はかがやきて 素拙  
第八 霜や待つらむ垣の白菊 直人  
初折裏    
第一 垂れ籠めてあらましにのみ暮らしけり 深峰  
第二 心ぼそしや鄙のつれづれ 南天  
第三 見渡せば山の遠くに風や春 典子  
第四 おぼろなる谷たどる熊野路 弓子  
第五 とくる雪いつしか杜も萌えたちて 純一  
第六 まことほのかに匂ふ黒髪 和雄  
第七 手すさびに書かるるものか人の名は 可矢  
第八 とばりに下がる折々の文  
第九 浮草も今はたゆたふ越の川 草芳  
第十 あはれとぞみる夏の月影 梅豊  
第十一 蚊遣りたくしづが袖にも風吹きて 深峰  
第十二 峰のふもとは知るよしもなし 純一  
第十三 訪はばやな花匂ふらし長等山 草芳 ながらやま
第十四 霞をもるる鐘ぞ寂しき 素拙  
名残折表    
第一 身を隠す庵にも来る春の暮 さう美  
第二 心なぐさむ雨しづかなり 典子  
第三 災ひよ去れと祈らむ産土に 弓子  
第四 ひれ振りしより通ふ俤  深峰  
第五 流れてはいつの逢瀬ぞ名取川   可矢  
第六 凍てつく風につのるいとしさ  
第七 あかつきの君の小車停めよかし さう美  
第八 たのめおきしはいつはりごとか  梅豊  
第九 しるべなきのりの道こそあやふけれ 南天  
第十 衣の珠も知らずで過ぐす世  路光  
第十一 露の身と老の行く末なげきつつ 直人  
第十二 御簾にさやげる荻のうは風 純一  
第十三 いでくれば月のみすめる雲居にて 草芳  
第十四 こだかき峰を雁超ゆるみゆ 和雄  
名残折裏    
第一 山路には傾くしるべおぼつかな 直人  
第二 心まかせのあてどなき旅 素拙  
第三 和む海待てる岸辺にもやひ船 弓子  
第四 明けはなれゆく空のゆたけさ 可矢  
第五 雪間には真土こぼるる際ならむ 路光  
第六 霞吹きとく東風ぞやさしき 直人  
第七 花ひと枝探し見るこそうれしけれ  典子  
挙句 千代ののちまでこの日わすれじ 南天  


最新の画像もっと見る

コメントを投稿