むさしの連歌会

雅な和歌の言葉で連歌を楽しむ会、一度、のぞいてみませんか?

賦初何連歌(巻52、令和元年9月28日満尾)

2019年11月10日 | 作品集

 

初折表    
発句 山裾はうすくれなゐに狭霧かな 素拙  
稲は黄金の実ります里 可矢  
第三 池の上にまどかなる月たゆたひて 純一  
第四 けふ初風に立つやさざ波 路光  
第五 白露のなほかぐはしく置ける野に 和雄  
第六 ひとすぢの道果はいづくか 直人  
第七 岩かげに声遠ざかる呼子鳥 草芳  
第八 梅を手折りて家苞にせむ  
初折裏    
第一 夕暮れを霞たなびく村はづれ 和雄  
第二 春の灯のゆれて三つ四つ 路光  
第三 あはれなる御寺の法を聞かまほし 純一  
第四 古人を偲びたづねむ ヒサヨ  いにしへびと
第五 礎をおほへる苔は幾年ぞ 南天  
第六 固く契るもまつはうらめし  
第七 わが袖は涙にぬれて振れもせず 初瀬  
第八 鏡にうつる遠き面影 深峰  
第九 池の端そぞろ歩けば風やみぬ 素拙  
第十 月さへ凍つる京の夕冷え 路光  
第十一 大原はいつしか雪の降りつみて 純一  
第十二 空に聞こゆる群鳥の声 和雄  
第十三 おぼろなる花も童もそこここに 弓子  
第十四 田を打つ今朝の里ぞのどけき さう美  
名残折表    
第一 水ぬるむ落合方の嵩増して 南天  
第二 霞か雲かまどふ山際 初瀬  
第三 東路を坂道急ぐ苔衣  純一  
第四 古き宮居をたまに訪ふべし 路光  
第五 瑞垣にかをる卯の花さかりなり 弓子  
第六 鳴けほととぎす名乗り一たび 和雄  
第七 短か夜を惜しむや恋のかくれがに 純一  
第八 またあひ見むの契りだになし 南天  
第九 四つの緒の調べに寄する思ひ入れ  
第十 ふたみち心あらばあれかし 初瀬  
第十一 色かはる遥けき山を眺めつつ   和雄  
第十二 砧打つ手にはやも夕され 路光  
第十三 去年のごと都を偲ぶ月出でて 素拙  
第十四 草の枕になぐさむは何 純一  
名残折裏    
第一 これまでと波馴れ衣捨てながら 南天  
第二 水門に時雨の降りみ降らずみ 路光  
第三 鈍色の空立ちこむる冬の雲 弓子  
第四 いらかを越ゆる風ぞかそけき 和雄  
第五 盃の巡る狭庭に歌筵 素拙  
第六 詠むはここぞとさそふ鶯 南天  
第七 花の満つ吉野の山を訪ね来て ヒサヨ  
挙句 柳の糸のほのそよぐ寺  


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