浄光明寺 鎌倉連歌会 冷泉為相卿追善 扇の座 | ||
(名残折裏第十までは巻54と同じです) | ||
初折表 | ||
発句 | 池の面や谷戸の御寺の十三夜 | 裕雄 |
脇 | 鎌倉山を越ゆる雁がね | 和雄 |
第三 | 松風に庭の紅葉の色立ちて | 鑑 |
第四 | 降りみ降らずみ時折の雨 | 初瀬 |
第五 | 旅衣ながるる雲をながむるに | 直人 |
第六 | 笛のしらべぞいとどのどけき | 純一 |
第七 | 円居して酒酌み交はす春の苑 | 弓子 |
第八 | 永き日なれば盡きぬ愉しみ | 南天 |
初折裏 | ||
第一 | 帰るさの暮れゆく空に声高し | 素拙 |
第二 | 牛をも追ふや片岡の里 | さう美 |
第三 | むら竹の川辺に映ゆる細き道 | 梅豊 |
第四 | ふれあふ袖ぞ心乱るる | 草芳 |
第五 | いつかまたこの思ひをば実らせむ | 裕雄 |
第六 | こよひの夢に逢ふこともがな | 鑑 |
第七 | うそぶけば木枯の声凍てつきて | 純一 |
第八 | まだき時雨の野辺のわびしさ | 和雄 |
第九 | わが庵はともに語らむ人もなし | 梅豊 |
第十 | 涼しくうかぶ長谷の夕月 | 初瀬 |
第十一 | 舟のかげ大海原に二つ三つ | 弓子 |
第十二 | 岬の宮を巡るお遍路 | 裕雄 |
第十三 | 貝寄する風にや花もこと寄せむ | 路光 |
第十四 | 難波の寺に弥生待つころ | 南天 |
名残折表 | ||
第一 | せめていまおとどの務め果たさばや | 純一 |
第二 | 民も救へぬ身をば恥づべし | 素拙 |
第三 | しら雪はよきもあしきも隠すらむ | 和雄 |
第四 | 寒空つきて狩の遠吠え | 草芳 |
第五 | 横雲に田鶴鳴きわたる夕まぐれ | 梅豊 |
第六 | 玉章の跡なぞる指先 | 弓子 |
第七 | 目離るとも思ひのほどぞ消えやらで | 鑑 |
第八 | 交はせし扇かたみとぞなる | 直人 |
第九 | 旅にあればけふ宮城野に風立ちて | 路光 |
第十 | 萩の匂ひにしのぶいにしへ | 純一 |
第十一 | ゆかりある寺に月の輪重なれり | 龍哉 |
第十二 | 水面に映る小牡鹿の影 | ヒサヨ |
第十三 | 袖かせど移ろひはやき露のあと | 和雄 |
第十四 | いづくにありやふるさとの家 | 義夫 |
名残折裏 | ||
第一 | 旅の果て山峡の宿訪ねみむ | 素拙 |
第二 | 思ひははやも熱き盃 | 草芳 |
第三 | 冷えわたる都に集ひ歌詠みて | 弓子 |
第四 | ふくら雀は竹にさわぎぬ | 和雄 |
第五 | 何もなき時の流れにたちどまり | 義夫 |
第六 | 鐘ぞおぼろに響くをちこち | 弓子 |
第七 | 蓬生の野に咲き盛る八重の花 | ヒサヨ |
挙句 | けぶりたなびく春の村里 | 直人 |
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