蜜柑のつぶやき ~演出家の独り言~

NPO法人劇空間夢幻工房の演出家/青木由里の日々の呟き。脚本執筆・役者・ワークショップ講師も兼業する舞台人日記♪

演劇によるビジネス・コミュニケーション

2021年06月07日 20時17分43秒 | 日記

今日は中野市職業訓練センターにて
中途採用者向けの3回目の講義。

私は21年前、劇団を設立すると同時に
一般向けの演劇をもとにした
表現ワークショップを開講したいと考え
「演劇と表現」という論文を執筆した。

他者に教える以上、理論化が必要だと思ったから。

心理学、精神医学、脳の働きを独学で学び
身体表現が心に与える影響を考察。

人間は心や感情に支配されやすく
引っ込み思案な性格も気合だけで変化させることは難しい。

性格や好き嫌いは、どのように形成されるのか。

①生まれてから大人になるまでの環境
②生まれてからこれまでに体験した五感(※)への記憶
③生まれてからこれまでに記憶した言語表現→習慣化
③生まれてから身に着けた身体表現(表情・発声を含む)→習慣化
④生まれてから身に着けた心の癖→習慣化

 ※五感:視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚

この世に同じ環境で育ち
同じ習慣、記憶を持つ人はいるだろうか。

家族は社会の一番小さな単位で
赤ちゃんが成長する過程では
一番環境の影響を受ける場ではあるけど
見たもの、聞いたもの、体験したことにより
異なる価値観が育まれていく。

人間、記憶にないことは表現できない。

言語しかり、身体しかり・・・

言語も身体も心の癖も
いつ間にか習慣化していく。

◎簡単な例

姿勢、立ち方、歩き方
笑い声(大声で笑う、声を出して笑わない)

習慣だとすると、その習慣を変化させれば
姿勢や態度、ひいては心の傾向性も
変化させることができるのではないか・・・

とは言え、心と言うのは目に見えない。

それに比べて身体は目に見える。

身体を開く(姿勢、柔軟性、動ける筋力)と
心を開くことができるのではないか・・・

私は上記の仮定を立てて論文を構築
脳の働き、学術的にもその可能性があるとわかり
取り組み始めたのが「MAプログラム

2000年4月に開講して以来、毎週日曜の夜に開催。
現在も継続し続けている。

既に効果は実証済み。

この論文&WSから派生して、今は学校や企業
職業訓練センター、フリースクール等で
講演会や講義を行うようになった。

数回にわたって講義を行うことが出来る時は
受講者に「自己分析シート」を配布して
これまでの自分の人生を振り返ってもらっている。

日常、自分を振り返る機会など殆どないようで
多くの方が良い機会になったと仰ってくださり
その後のワークが成果につながりやすい。

まず自己理解、己を知る。

そして、自分が弱みや短所だと思っている部分が
実は強みや長所に繋がっているということを知り
自分を好きになるお手伝いをさせていただく。

この時の大切なポイントは
「なぜだろう?」という素朴な『疑問』と『好奇心』
『探求心』と言っても良いかもしれない。

過去~現在を振り返ることで
自己への理解が深まったら
未来の夢や目標を設定し
達成に向けた手法を考案、行動する。

これは歴史を学ぶのと同じパターン。

歴史を学び、今を知り、明るい未来のために
今、何をすべきか、手法を考案し行動する――

3か月、半年、1年、3年・・・
節目での振り返りが大切。

演劇によるビジネス・コミュニケーション講座では
会社で求められる人物像についてグループワークを行い
一番大切だとキーワードを抽出して
そのキーワードに沿った即興劇(エチュード)を
グループ全員で話し合いながら創作
最後に発表をしていただいている。

みんなで創作した即興劇は、確実に記憶に刻まれ
一生忘れることがない思い出となる。

故に、大切なキーワードも一生忘れることはない💛

 

環境、記憶、体験、習慣で
人間が形成されているとするなら

 環境を変える
 新たな分野を観て聴いて感じて体験して記憶する
 習慣を変える

一歩を踏み出す勇気があれば
自身の新たな扉を開くことができるんだろうなー

 

私の転機はいくつかあるが
地元の歴史を扱うようになったのは
2015年に上演した市民野外劇「Straight Tiger 直虎」。

 

 

 

この時、シティプロモーションの一環として立ち上がった
「ナガラボ」さんのサイトで私をご紹介いただいたっけ。

WSについても触れているので、お時間がありましたら
「ナガラボ」掲載記事も読んでみてね。

毎年、地元の歴史を舞台化するようになって
今年で7年目・・・

また一つの転機がやってきそうな予感・・・



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