蜜柑のつぶやき ~演出家の独り言~

NPO法人劇空間夢幻工房の演出家/青木由里の日々の呟き。脚本執筆・役者・ワークショップ講師も兼業する舞台人日記♪

劇空間夢幻工房 創立25周年記念公演「ISHIN version.2024」

NPO法人劇空間夢幻工房 創立25周年記念公演
タイトル 『ISHIN ~狼たちは最果てに~ version.2024』
脚本・演出 青木由里
出演 青木賢治/栗生みな/村松沙理亜/清水まなぶ/井田亜彩実/導星ゆな 他

日時 2022年9月8日(日)11:00~/15:30~
会場 飯山市文化交流館 なちゅら 大ホール
チケット予約フォーム:https://www.quartet-online.net/ticket/ishin2024

皆さまへ感謝を込めて晴れやかに開催‼
どうぞお楽しみに‼

想像力

2012年07月23日 20時33分11秒 | 日記
先程偶然「クローズアップ現代」を観た。

 『そこに自分の考えはあるか』音楽評論家・吉田秀和の遺言

今年5月に98歳で亡くなった吉田秀和氏は
演奏家の内面と音の構成を深くみつめる鋭い評論で知られていた。

吉田氏は

  正しいと考えることを遠慮くなく発表する

これを生涯貫いた。

演奏家の心や生き方、時代とその時代の傾向性
時代に生きる人々を分析をし続け
それに基づいて自分が感じたことを提出されていた。

  率直に
  具体的に
  イメージしやすいように

“感じた”ことを他者が具体的に想像できるように伝えるのは至難の業。

これは演出家の私にとって、一番の課題と言っても過言ではない。
自分が感じたことを伝えようと思っても
経験も環境も好みや価値観も異なる相手に
理解してもらうことは非常に難しい。

吉田氏は、たくさんの言語を持ち
それらを巧みに組み合わせて
自分のイメージに近い「感覚」を言語化していらしたのでしょう。

そうは言っても、相手が想像しようとしなければ
受け取れるわけもないが
想像しようと思っている相手であれば
想像可能な言語の投げかけをすれば
きっとイメージを膨らませてくれるだろう。

番組制作者は、吉田氏を通じて視聴者に何を伝えたかったのか?

以下、NHK ONLINEより

  大勢になびかず自らの考えを貫く吉田さんの仕事を見ていくと
  とかく周囲に流されがちな私たち日本人への痛烈なメッセージを感じずにはいられません
  突き詰めると「そこに自分の考えはあるか」という問いかけに辿りつきます

自分の考えや感性を肯定するのは
簡単なようで難しいことかもしれない。
「大切なこと」「幸せの基準」などの価値観が
あまりにも多様化しているからだと思っているが
それだけかな…と思う時も…

ただ思うのは、他者に自分の考えや感じ方を強要するのではなく
あくまでも自分が

  こう思う
  こう感じる

と知ること・分析することは重要で
とっても大切なことなのかもしれないと。

自分を知らないと他者との違いもわからず
相手を理解することなんて不可能。

あちこちで「現代人の想像力欠如」が問題視され
今日のこの番組でも同様の締めくくり方がされていたが
国や地方自治体は、これだけ問題視されているのに
なぜそれを改善するための具体策を提示し
環境を変えていこうとしないのか、甚だ疑問だ。

先に述べた価値観の多様化も
本当に大切なことを想像できる力があれば
もっとすりあわせは容易になるんじゃないかな?

オープンエアシアター2012「ONU」に出て来る言葉

  本物の思い

このワードは、宮澤賢治氏の「銀河鉄道の夜」に書かれている
「本当のさいわい(幸い)」という言葉がずっと頭から離れず
折々に何度も熟考して、ようやく出て来た言葉。

「強い思い」は、循環を変える力がある―

が、それが本物か否かで、結果は天地ほどの開きが出る。

「本物の思い」って何でしょうね…