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貿易取引における納期と発注管理

2008年04月01日 | 貿易取引
今日火曜日は貿易顧問先の企業を訪問いたしました。今日話題になった事は、貿易取引の場合の「納期」と「発注時期」についてでした。日本国内の取引の場合ですと「納期」というと通常発注者が入荷する時のことを意味しますが、貿易取引では「出荷時期」すなわち「船積時期」と考えてください。契約書にもTime of Delivery よりはTime of Shipmentとするほうが良いでしょう。例えば、どこかヨーロッパの国から輸入しようとしますが、船に積込んでから日本につくまでは正確な航海日数はつかめません。おおよそ1ヶ月程度という事ですが、日本の客が納期というので貨物を入手できる日を例えば3月下旬と考えて契約したはずなのですが、輸出者は3月下旬までに船積すればよいと考え3月下旬に船を手配して出荷しました。船が日本の港に入港するのは早くても5月初旬。これだけで1ヶ月の差が出てしまいます。輸入通関にも時間がかかりますし、シンガポールや香港で貨物の積み替えなどがある航路だと2週間ほど余計にかかってしまう場合もあります。航空貨物以外の場合はやはり出荷日が納期だと考えるのが貿易取引の基本になります。
この「納期」と同じように、「発注時期」も貿易取引ではしばしば問題になります。営業や企画のスタッフにとっては発注時期も国内とあまり違いのないような感覚で考えているスタッフが多いものです。何とか船の航海日数は理解できても、それだけでは有りません。輸出通関や特に輸入通関も日数が必要です。また、海外のメーカーも通常は日本向けの仕様で生産するので材料を手配するのにも時間が必要だし、生産工程やライン取りなども考慮しなければなりません。発注時期を考えるのは、在庫管理と生産管理と、販売予測なども考慮に入れる必要があります。注文が多ければ発注残と船積途中の数量なども計算に入れることになります。私が何時も言うように、この辺りが、通訳と貿易アドバイザーあるいは貿易コンサルタントの違いになります。私が貿易アドバイザーになりたての頃、以前仕事をしていた企業の経験から、「ジェトロ・センサー」にこの発注管理について執筆した事がありますが、私自身大変頭を痛めた問題です。国内の販売に関しては納期厳守というのは非常に大切なので、最悪、高い費用をかけて飛行機便で出荷させる事になる事もあります。納期と発注管理は貿易取引にとっても大変重要な問題となります。


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