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古賀メロディ聴き比べ2:酒は涙か溜息か

2010年01月04日 | 歌謡曲
 昭和6年(1931年)9月にこのレコードは発売された頃、満州事変が9月18日に起こっている。
「酒は涙か溜息か、こころの憂さの捨て所」という、当時の時代を憂うる思いがよく表現されているようだ。この歌のヒットで、作詞者の高橋掬(きく)太郎は、新聞記者から作詞家に転身し、藤山一郎はスターの座を確立した。古賀政男は、この曲で作曲家としての地位を不動のものにした。
 藤山一郎は、本名増永丈夫。当時、東京音楽学校(現・東京芸術大学)声楽科の学生で将来をバリトン歌手として嘱望されていた。昭和恐慌で傾いた生家の借財返済のためのアルバイトだった。豊かな声量をメッツァヴォーチェの響きにしてマイクロフォンに効果的な録音をした。声楽技術を正統に解釈したクルーン唱法によって古賀政男の感傷に溢れたギターの魅力を表現したのである。

古賀政男と藤山一郎の合作芸術・《酒は涙か溜息か》は一世を風靡。だが、レコードが売れすぎて、藤山は音楽学校を一ヶ月の停学処分となったのであった。

 詩情豊かな言葉の響きが心地よく、それに情感のあるメロディ。古賀メロディの中でも最も古賀メロディらしい歌だと思う。

 藤山一郎

<「酒は涙か溜息か」 自選聴き比べ>
1.藤山一郎 キレがあり浪々として唄う、もち歌である。
2.石川さゆり カバー曲。




     酒は涙か溜息か

  作詩 高橋掬太郎 作曲 古賀政男
  唄 藤山一郎 (昭和6年)

  1 酒は涙か溜息か
    心のうさの捨てどころ

  2 遠いえにしのかの人に
    夜毎の夢の切なさよ

  3 酒は涙か溜息か
    かなしい恋の捨てどころ

  4 忘れた筈のかの人に
    のこる心をなんとしょう




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