吃飯了没有?

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セデック・バレ

2012-07-15 15:02:51 | 音楽・映画 芸能情報

↑台湾映画「セデック・バレ」をようやく見終えました。「賽徳克巴莱(セデック・バレ)」は、1930年日本統治時代の台湾で起きた「霧社事件」をテーマにした映画です。前編後編合わせて4時間を超える大作で、約20億円かかったとのこと。抗日映画との評もありましたが、私にはそう映りませんでした。

この映画、驚いたことに監督があの「海角七号」の魏徳聖さんなんです。ご存知の通り、海角七号は超親日映画として台湾でメガヒットを叩き出した作品。その監督が抗日映画を作るはずがありません。

確かに映画を通してセデック族が日本人の首をスパスパ切る(セデック族は首狩り族)シーンがあちこち出てきて、眉をひそめてしまう人も多くいることでしょう。(この首狩りシーン、この映画の国際用DVDではかなりカットされているとのこと。私が見たのは台湾版なのでカット無しでした。)

でも、映画のセットや設計士、そして俳優としてたくさんの日本人が出ていて、抗日映画を作ることが目的なら魏監督はスタッフに日本人を登用するなんてありえません。

そう、この映画は台湾の原住民の1つであるセデック族に焦点を当てているところが味噌なのです。台湾のアイデンティティとは何なのか、台湾人はどこへ向かうべきなのかを思い出させる映画として台湾人(本省人)にとっては非常に意義のある映画となっていて、この映画も台湾では大ヒット中とのこと。

そういう背景もあって、香港の共産系の新聞では「1つの民族に焦点を当てすぎている」との評が掲載されたとか。台湾で民族主義が高揚することに危機感を感じたのでしょう。また、カンヌ映画祭でも披露されたそうですが、批評家達はこぞって「民族主義に偏りすぎていて、凄惨のシーンが多過ぎる」と評したとか。

映画は一貫して台湾語が使われているところも注目すべきところです。外省人向けに作ったのではないとアピールしているかのようです。

東日本大震災の際に義援金200億円を送ってくれた台湾。私達はこの映画もはじめ台湾の映画や文化をもっと知る必要があるのではないでしょうか?

ここ最近では李元総統が台湾の「国立中央大学」で講演した際に、尖閣諸島の領有権などを巡り、聴講していた中国大陸からの学生と激論となったとのこと。このやり取りにつき、あるサイトには下記のような掲載も。

「釣魚台(尖閣諸島の台湾側通称)は魚を釣る場所、漁場だ。領土問題はない。君は日本のものでないというのか。それなら証拠はどこにある?」などと切り替えした。激論になったが平行線に終わった。

李元総統は、質問した学生が台湾住民の多くが話す台湾語を理解できないことを指摘し、「台湾が中国の一部分と言ってはならない」とも主張した。

台湾のことが好きな方なら是非ともこのセデック・バレと海角七号をご覧ください。


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1 コメント

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この映画の (CMfan)
2012-07-17 22:05:48
エンディングに、天使・賽徳克とかいうようなテロップの後に、色々な人の名前が羅列されていました。その中に、Jayやジェリー・イェン、ビビアン・スーなどの名前も。

何かと思ってネットサーフィンしていたら、ここに名前が挙がっている人達は、映画の資金を援助した人達のようです。20億かかった映画ですからねーー。
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