秋田でアクティブに活動

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「食でつながるフェスタinあきた」を終えて

2022-02-13 12:40:00 | 日記(活動関連)
2月4日(金)5日(土)の2日間に渡り、「食でつながるフェスタinあきた」が開催されました。食料支援(子ども食堂)をテーマに、各団体や企業の活動事例の紹介や、意見交換が行われました。自宅からオンライン参加しました。

1.活動事例 「秋田県社会福祉協議会」の取り組み
  • 全国的に子ども食堂などの支援が増加しているが、秋田県は支援実績が全国の中で下位である。その理由の一つとして、「子ども食堂を利用したい。」「学習支援を利用したい。」などの利用希望や、「食材提供や寄付をしたい。」「子ども食堂を始めたい。」「ボランティアとして活動に参加したい。」などの提供希望を、それぞれどこに相談すればよいのか不明な状況であったからと考えられる。そこで、両者の窓口となって双方を繋ぎ、情報共有するための「あきた子ども応援ネットワーク」を創設した。
  • 効果としては、「必要な情報窓口を一本化することにより、支援提供者が活動しやすくなった。」「食料を必要に応じて他施設に提供でき、食品ロスの削減につながった。」「寄付やボランティアの申し出を、希望に応じてマッチングすることができた。」などが挙げられる。
  • 今後の課題は、現在取り扱っていない品目(ランドセルや洋服など)の支援体制づくり。支援の利用希望者と関係機関との効果的な連携づくり。など。

2.活動事例 「一般社団法人全国食支援活動協力会」の取り組み
  • 全国各地で食支援活動を展開する市民活動団体をサポートして、食環境の整備に取り組んでいる法人である。「広がれ、こども食堂の輪!」を通して、子どもの居場所事業の理解を普及する活動も行っている。
  • 子ども支援団体や企業が食料支援活動するにあたり、食料の配送やそのコストが課題となっていたが、「ミールズ・オン・ホイールズ・ロジシステム」(MOWLS)という、子どもから高齢者まですべての人が食事を得ることができる仕組みを構築した。寄付された食料を子ども支援団体に配送する際に、物流ルートの中継ぎ地点に「ロジ拠点」と「ハブ拠点」を設置して、食料の保管および円滑な配送を行う。この仕組みを活用する企業が増えており、支援の輪が広がっている。

  • ミールズ・オン・ホイールズ・ロジシステムの仕組み



    ・ロジ拠点
    大量の寄贈食品を保管することができる場所や倉庫。常温,冷蔵,冷凍の3温度帯に対応。

    ・ハブ拠点
    ロジ拠点の支店として、活動団体が取りに行ける距離に設置された拠点。

  • 子ども食堂には、子どもたちには「家でも学校でもない第三の居場所となる。」「子どもの心の成長を豊かにする体験機会をもたらす。」「ロールモデルとなる大人との出会いがある。」などの利点がある。運営ボランティアたちには「他の人との交流できる。」「出番や役割が得られる。」「生活にリズムとハリができる。」などの利点がある。

3.活動事例 子ども食堂の取り組み
  • 子どものうち7人に1人が貧困で、この割合は戦後の日本よりも深刻と言われている。食事が不十分な傾向は都心部だけでなく地方部にも見られ、希望を持てる世の中にしたいという想いを抱いて子ども食堂を運営している。
  • コロナ禍に伴い、食料支援を希望する方が増えた。
  • 子ども食堂は、貧困対策だけでなく、ひとり親や共働きによる孤食の解消や、利用者同士が共に励まし合う効果も期待される。
  • 食事を通して、楽しかった、美味しかった、怒られた、おばあちゃんの味、…といった思い出が記憶に残り、それが生きる力となる。
  • 運営スタッフとして参加した地域住民(特に高齢者)の方々は、自宅の閉じこもり予防となり、自身の特技を引き出すことで、必要とされる充実感や生きがいに繋がる。
  • 定期的な食堂の開催だけでなく、無償学習塾やプレーパーク事業(流しそうめん,工作,水遊びなど)も行う市民団体もあり、子どもの健全な育成を図っている。
  • 赤い羽根共同募金などの助成金を活用して、活動に必要な物品を購入している。
  • 課題としては、資金面やスタッフの高齢化(体調,重労働が困難)などが挙げられる。
  • 孤立せずに、社会や周囲と繋がることが大事である。お腹を満たせば、心も満たされるようになる。

4.活動事例 企業の取り組み
  • 子どもの貧困問題に対して、主に自社商品の提供という形で取り組んでいる。栄養面のサポート,孤食の解消,子どもと地域を繋ぐコミュニケーションの構築を支えている。
  • 飲料メーカーでは、商品のニーズや対象施設を把握するために、「ミールズ・オン・ホイールズ・ロジシステム」を活用している。ロジハブ拠点別の食料の受け入れ数リストを頂き、それに基づいて食料をロジハブ拠点に配送することにより、効果的に多くのこども食堂に食料を提供することができた。課題として、「場所によっては、積み下ろしが手作業になる。(フォークリフトなどの重機が無い。)」「場所によっては、大型車による入構が難しい。」「ロジハブ拠点が無い地域への物資提供が難しい。」などが挙げられる。
  • 飲食店では、店舗で調理された料理を提供する取り組みを行っている。(希望者は事前予約した上で、料理を店舗に取りに来て頂いている。)「子どもたちがテレビCMで見て食べたいと言っていた。」「コロナ禍による収入減の中、食の支援は助かる。」「母子家庭のため、経済的に厳しく助かった。」という声を頂き、自社商品を通した取り組みに満足頂くことができた。
  • 活動は継続することが大事であり、それぞれの企業の強みを生かした仕組みを構築したい。

5.まとめ
子ども食堂では、安い値段で食事を提供していることから、資金の調達が難しく、多くのスタッフが無償ボランティアで活動しています。ボランティアであるからこそ、共通の想いを持った人同士が集まり、参加スタッフ同士の新しい繋がりも生まれてくると思います。子ども食堂の運営やボランティアスタッフは、お母さんグループ、定年退職を迎えた方、大学生、高校生が多いですが、若い社会人の参加に期待したいです。(※「ボランティア」のため、強制参加ではなく、各自の自発的な参加が前提となります。)子どもたちと一緒に遊ぶ、重い物品(食料など)を運ぶなど、現場で必要になる作業に対して機敏に動くことができ、能力を大いに発揮できると思います。異世代・同世代の繋がりができて、市民活動の実態を学ぶこともできます。

「子ども食堂」と聞くと、「食事に困っている親子が行くところ。」といったセーフティーネットのような位置づけと考える方が多いかもしれません。そのイメージが先行していることにより、子ども食堂を利用したいと思っている親子が利用にためらってしまうこともあるかもしれません。
現在、全小学校区に対して1つ以上のこども食堂を設立することが目標とされています。食堂の機能だけでなく、学習の場、体験の場の機能を有する施設もあります。子ども食堂が、地域の多世代交流の場としての認知が広がり、参加しやすく、みんなが繋がる(それにより、結果的にセーフティーネットの役割も果たす)ことにより、社会全体で子どもの成長をサポートし、持続可能な社会となっていくことを願っております。

出典
秋田県社会福祉協議会
あきた子ども応援ネットワーク
一般社団法人全国食支援活動協力会
広がれ、こども食堂の輪!
ミールズ・オン・ホイールズ・ロジシステム
むすびえ 「地域みんなの食堂」となった「こども食堂」 コロナ禍でも増え続け、6,000箇所を超える。


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