ぼくは行かない どこへも
ボヘミアンのようには…
気仙沼在住の千田基嗣の詩とエッセイ、読書の記録を随時掲載します。

それで

2012-11-23 00:34:59 | 嫌いだ嫌いだ

それであれがどうなったかというと
いばらのなかに眠っていた姫は
目覚めて
あくびをしたとかしなかったとか

それからおもむろに
あたりを見回して
さて
わたしはどこにいるのかと
思ったとか思わなかったとか

すると
王子さまは
眠りの姫よ
永の眠りから目覚めたばかりの姫よ
あなたは何歳なのか?
と問うたそうだ

そこで姫は
17歳
と深く考えもせずに答えた
らしい

だって
姫自身は
百年もの間眠り続けていたなんて知らないのだから

それはもっともなこと

王子が
ばあさん嘘つけ!
などと心に思ったが口には出さなかった
などということもない

だって
王子は
いばらの城のいきさつなんて
把握していなかったのだから

この女
この状態で
何を食べ
どうして水分補給して
生き延びてきたのか
排泄物はどこに?
とは怪しまなかったとしたら
むしろ不自然というもの
なにしろ
いばらが伸びに伸びて
寝台から身を起こすこともあたわず
というふうなありさまだったのだから

ああこの美しさ
魔女であっても厭わない
と心に決めた
というふうにも読めない
そんな一大決心をしたのだ
みたいな記述はなかった
ような気がする

それでまあどうした
みたいな話だけどね


居眠りしてた?

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