ぼくは行かない どこへも
ボヘミアンのようには…
気仙沼在住の千田基嗣の詩とエッセイ、読書の記録を随時掲載します。

  タブラ・ラサから遠く離れて

2009-01-16 21:35:32 | 寓話集まで

ぼくは生まれたばかりの純真無垢ではない
ぼくの白かった紙片にはいろんなものが
染み付いている

もちろん
秘密めいた
甘やかな匂ひも



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1 コメント

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ジョン・ロック ()
2009-03-09 22:44:43
 タブラ・ラサは、言うまでもなくジョン・ロック。イギリスの経験論の哲学者、政治学者。
 人間は、生まれた時は、インクの染み一つなく何も書かれていない白い紙のようなものだと。
 私は、人間の性格は、生まれつきのもの、遺伝的に決定されるものではなく、生まれてすぐからの、養育者、一般的には両親との関係性の中で育まれ決まっていくものだと思っている。
 数日前、この詩とは無関係に、ユングの原型という考え方も、このごく幼いころからの両親からの影響ということで説明可能だ、と思い当った。
 両親の教育は、必ずしも良き方向ばかりでなく、意図した方向ばかりでなく、生き様の悪しき部分、主観的には伝えたくないと思う部分も含めて、子供に伝わってしまう。別の言い方をすれば、伝えたいと思うよりも、もっともっと豊かなものを、伝えてしまう。これが、代々伝わっていくとすれば、そしてそれを、先祖の方までどんどん遡れば、人類の始祖までつながってしまう。そうして伝えられるものが、アニマとかアニムスとか呼ばれる原型なのだ。
 とすれば、ユングも、神秘的なばかりではないと言えることになる。

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