ぼくは行かない どこへも
ボヘミアンのようには…
気仙沼在住の千田基嗣の詩とエッセイ、読書の記録を随時掲載します。

竹の子の皮をむく   

2009-05-12 23:16:58 | 寓話集まで
竹の子の皮をむく
むくむくむく
むくむくと土から生える
竹の子を折り取りもぎ取り
むくむく
むくむくと夥しく生え出す
竹の子を
あたり一面に蔓延る地下茎から
むくむくと生え出す
竹の子を

裏山の蔓延る竹林の
外延に押し寄せる地下茎の
底暗い地下世界の
地表面近くに蔓延る地下茎の
むくむくむくと
延び延びて侵蝕する地下茎の
伸び伸びて日の目を見たばかりの
竹の子を
折り取りもぎ取り

包丁を突っ立てて
むくむくむく
竹の子の皮をむく
むくむくむく
ばりばりと
無言の
罵詈雑言投げつけて
硬い外皮をむき取り
柔らかな芯を
柔らかな新芽を
柔らかな肉を
搾取し頬張り噛み砕き
ばりばりばりと
さくさくさくと
青い生まの甘さを味わい
嚥下し
むくむくむく
竹の子の皮をむく


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3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
裏のがけのたけのこ ()
2009-05-27 21:55:44
 写真アップ。これが裏のがけのたけのこです。いま、輪切りにして、台所で水にさらしています。
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たけのこ写真 ()
2009-06-01 00:27:17
 写真、明るくして、ちょっと見やすくしてみました。
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生命的な ()
2010-05-03 22:38:40
 珍しく生命的な詩だな。実際に、自宅裏山のたけのこを採って、皮をむいて、味噌汁などして食べた。
 生命的で、性的で、もちろん、萩原朔太郎のように、明るいだけでは詩にならないと思い込んでいたりする。
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