ぼくは行かない どこへも
ボヘミアンのようには…
気仙沼在住の千田基嗣の詩とエッセイ、読書の記録を随時掲載します。

ギターを鳴らし

2010-10-12 22:01:01 | 嫌いだ嫌いだ

ギターをぽろろんと鳴らし
何ごとの哀しみもないが
(いやなにごとか哀しみはあるが)
ぽろろんぽろろん

ギターをじゃかじゃかと鳴らし
特別の歓びもないが
(いやいかほどかの歓びはあるが)
じゃかじゃかと

 蒼い夏の夕暮れ
 小路伝いに
と歌い出す

 麦に刺されながら
 草踏みに行く
と続ける

 夢見ながらその冷たさを
 足下に感じ
 帽子のないこの頭
 吹く風にさらし
とギター弾き語る

ライラライラライ
ライラライラライ

ギターぽろろんと鳴らし

 夏の夕暮れ青い頃、行こう楽しく小径沿い
 麦穂に刺され、草を踏み
とは歌えない

 夢心地、あなうら莢に
 吹く風に髪なぶらせて!
とも続けられない

ライラライラライ
ライラライラライ

メロディに乗せるための
言葉のリズムがある
字数がある
読む詩と
歌う詞は別のもの
普通は

谷川俊太郎などの
現代詩にメロディ付けて歌う
谷川賢作のディーヴァとか
例外はあるが


それはそれとして
じゃかじゃかと
ときに
ぽろろんと
ギターを鳴らし
歌を歌う
ささやかな歓び
ささやかな楽しみ
ささやかな幸せ

じゃかじゃか
ぽろろん
ぽろろんろん

ランボー作「感覚」(sensation)より引用(拙訳)
後半は堀口大学訳「感触」


最新の画像もっと見る

コメントを投稿