ぼくは行かない どこへも
ボヘミアンのようには…
気仙沼在住の千田基嗣の詩とエッセイ、読書の記録を随時掲載します。

映り移らふもの 霧笛141号掲載

2022-12-17 15:35:23 | 詩誌霧笛137号(2021)以降
※歌碑写真 畠山幸(霧笛同人)
歌碑の
鏡のような石版の
刻まれた文字に重ねて
青空が白い雲を浮かべて映る
記憶に写しとった
移らふもの
さわさわと微かな風が
映り込んだ影を移し
白昼の夢を現す

内湾の
硝子のような水面に
安波山の
紅葉樹と常緑樹が映る
浮見堂の
釣り人の釣り上げた小鱸が波紋を打つ

夏は疾く過ぎて
冬は山影に身を隠す

移らふ季節のいっときの光

※神明崎の歌碑
砂の上に わが恋人の名をかけば 波のよせきてかげもとどめず
                          落合直文
※霧笛には、あえて掲載しなかったが、浮見海道を廻り込んだ魚浜公園にもう一つの歌碑がある。
さわさわと わが釣りあげし小鱸の しろきあぎとに 秋の風ふく 




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