ぼくは行かない どこへも
ボヘミアンのようには…
気仙沼在住の千田基嗣の詩とエッセイ、読書の記録を随時掲載します。

波止場のエディ 気仙沼2005 Ⅵ 笑う魚

2021-03-04 21:12:44 | 波止場のエディ
 波止場では、時おり、不思議なものに出合う。岸壁から、ふと海面を見下ろすと、大きなスズキが一匹、悠々と泳いでいる。じっと、その様子を窺っていると、ふっと、振り返り、ニヤリとわらう。「魚が笑ったっていうの?冗談でしょ!」 「いや、エリカ、その魚は、本当に笑った。俺は、嘘はつかない。嘘と下卑た冗談は、趣味じゃない。」 「洒落たジョークは別、でしょ。」 「洒落た洒落、じゃ、洒落にならない。」 「で、その . . . 本文を読む