ぼくは行かない どこへも
ボヘミアンのようには…
気仙沼在住の千田基嗣の詩とエッセイ、読書の記録を随時掲載します。

波止場のエディ 気仙沼2005 Ⅲ 浮見堂の夜(続)

2021-03-01 22:54:34 | 波止場のエディ
 「エディ、ここの灯りはまぶしすぎるわ。」 神明崎浮見堂の欄干に身をもたせ、エリカは、傍らのエディにささやく。 トレンチコートの襟を立てて、エリカの肩を抱き寄せ、「ああ、もう少し柔らかな光が、俺たちには似合う。大人の恋には、明るすぎる光はかえって邪魔だ。」 対岸の岬のうえのプラザホテルのコンベンションホールは、ガラスの壁面から、にぎやかなパーティーの灯りがあたりを照らし出す。大勢の着飾った婦人たち . . . 本文を読む