
お茶道具を入れる木製の箱を拝見する時
に、私では、何を書いているのか、
分かりませんが、達筆で、それ自体が
アートのように感じることがあります。
これについて、上の写真を引用させて頂いた
「茶の湯デザイン」Pen BOOKS
(阪急コミュニケーションズ)
を監修された木村宗慎先生によると…
引用ここから)
茶碗は茶入をはじめ、茶道具の多くは木製の
箱に入れて保存される。その箱に書かれた銘
や鑑定結果などを「箱書」と呼ぶ。
箱書は、茶道具についての情報を伝え、道具
の価値を高めるとともに、それ自体が鑑賞の
対象だ。茶会の席では、箱が床脇に飾られ、
客の手元に回る。箱書は、道具の作者や所有
者となった茶人によってしたためられること
が多い。鑑賞のポイントは掛軸に似て、誰の
筆によるものかと、書き手の個性がいかに表
れているかだ。小堀遠州や表千家6代覚々斎
の様に「箱書の名人」と呼ばれる人物もいた。
また、塗物や蒔絵の箱の場合もある。一方、
鑑定結果を「添状」として箱に収める場合も
ある。添状は「折紙」とも言い、「折紙付き」
という言葉はここからきたものだ。(中略)
中の茶道具がどれほど由緒正しく価値のある
ものなのかが、箱書では芸術性豊かに表現
される。もちろん箱書だけで道具の価値を
測るのは本末転倒だが、箱の筆跡は茶人の
心意気を素直に伝え、ときには道具を愛で
る先人たちの息遣いすら感じられる。
引用ここまで)
とありますが、素晴らしいもの、コトを
大切におもい、後の世代に受け継いで
ゆきたい…という、まさに心意気を感じ
ます。
その視点で、宝石鑑別書を見たら…
宝石も天然のものであり、工業製品でない
ので「世界にたった一つ」のはずなので、
箱書の様なものがあるべきなのに、
お茶器を入れる箱書の様な、「心意気」
が感じれないモノが多く、少し残念です。
箱書の筆づかいまで気を使うお茶道具を
大切にする気持ちは、大いに学ぶべきだ
と思います。