ルビーの森

京都三条と銀座並木通りにある、ミャンマー産無処理で美しいルビー専門店。鉱山から一貫したトレーサビリティーを実現。

現場では常に例外がある…ルビーの内包物

2011年06月30日 20時44分29秒 | 宝物

これは、珍しいNam-Ya鉱山のルビーの中に見られた

糖蜜状組織(水とルビーを混ぜたようなもの)です。

通常、Nam-Yaのルビーには糖蜜状組織は見られない

のですが、時々、このような成長線が見られます。

何でも、例外があるということです。

その他にも…

色々な結晶の形が、楽しめます。

説明より、そのままご覧いただいた方が楽しいと

思います。

これは、Nam-Ya鉱山特有のシルクインクルージョンです。

モゴック産と比較したら少し細い印象を受けます。

…というわけで、皆さんもぜひ、ご自分の宝石の中を

ルーペでのぞいてみて下さい。

 


ルビーのインクルージョンから学べること

2011年06月30日 06時48分26秒 | 宝物

モリスは、とても希少性の高い無処理で美しい

ミャンマー産のルビーを専門にしておりますので、

毎日ルビーを観察しています。

(無処理のルビーのデータを残すために)

観察していて思うことは、一番最初にルビーを

顕微鏡で見た時と今では、同じルビーを見ていて

も感じている事が全く違う…ということです。

最初は、書籍に乗っている結晶などを見つけては

写真を撮っているにすぎなかったのですが、

そして、それがしばらくして、ルビーが持つ、人

でいう指紋のように感じ始め…

最近になって、その内包物がこの形になった

時のことなどにイメージが膨らんでいきます。

いつもコメントを頂戴するNwaveさんの文章を

拝読しているうちに、色々なイメージが頭に

浮かび、本当にありがたいことです。

これからも、ずっとルビーの内包物を見続けて

いきますが、10年後には、どんなメッセージを

受け取れるようになっているのでしょうか?

いまから楽しみです。


見ただけでは、内包物は無いように見えても…

2011年06月29日 20時49分03秒 | 宝物

ミャンマー北部カチン州ナヤン鉱山で採掘され、

ヤンゴンでカット研磨された2.39ctのルビーで、

ある鉱山主経由でモリスへやってきました。

透明度が高く、10倍のルーペでは内包物は見えません。

私たちジュエラーは、無処理で美しいルビーに内包物が

見えないと意地でも探してしまいます。

なぜなら、内包物(インクルージョン)がルビーの

育った環境を探る手がかりになるので、全く内包物が

無いルビーは、いくら出身地が分かっていても安心

できません。

インクルージョンは、ルビーにとっては指紋の様なもの

なのです。

という訳で、顕微鏡で確認です。

ありました。 小さな、小さなシルクインクルージョンが確認でき

ました。

1時間ぐらい結晶の中を探し回りまって、やっと発見したので、

嬉しくて…。

今のところインクルージョンを発見できなかった無処理の

ルビーは無いので、(過去10年間で)おそらくこれからも

出てこないと思います。

皆さんにお伝えしたいのが、ルビーのインクルージョンを

見てみて下さい。

全く違う、宝石ルビーの姿に親しみが湧いてくると

思います。


ハイエンドジュエリーの宝石に資産性があるのは当たり前だと思います

2011年06月29日 06時42分29秒 | ルビー

アエラの5月号に記載されたグラフの広告記事

ですが、「資産形成について考える」という

宝石らしいモノを発見しました。

スイスのプライベートバンクで富裕層の資産を

運用してきた前田和彦氏の説が提唱されていま

した。

「資産を守りたいなら、物的資産を保有すべき」

と、そしてその物的資産とは、絶対的価値を持つ

モノだそうです。

氏によると絶対的価値とは、それはダイヤモンド

と同義語といっても過言ではない…と。

勿論、ローレンス グラフさんは希少なダイヤ

モンドを自らが世界をまわって集める著名な

ジュエラーで、そのダイヤモンドのコレクション

は驚くばかりです。

しかし、グラフさんも無処理で美しいミャンマー

産のルビーを集めておられるそうです。

この記事を拝見して思うのは、一粒で大きく

品質の高いダイヤモンドや、無処理で美しい

ミャンマー産のルビーは、資産価値があって

当たり前だと思うのですが…

それを、広告しなければならないほど、資産性に

乏しい宝石を販売してきたということでしょう。

思えば…

JBS校長畠先生、JBS+1の井上社長、

諏訪貿易の諏訪会長や斉藤社長、アルビオンアート

の有川社長や少数ですが、各地のジュエラーの先輩方

に将来は希少性の高い宝石が大切になる…

無処理のルビーは絶対良いから頑張れ…

と指導いただきながら育ってきたのがモリスです。

(ほんとうにありがとうございます)


それでも最初は、業界で…

「モリスが、無処理で美しいミャンマー産のルビー

 しか取り扱いません」

と発言したら笑われたものですが、時間が経って、

今は、お褒め頂けます。

スタートしてまだ10年、これからですが、目標を高く持って

活動を続けていきたいと思います。


モリスが送り出したデザインとは…

2011年06月27日 20時06分10秒 | 宝物

私たちモリスはジュエリーのデザインについて

社内で度々、論議されます。

「何がモリスが採用するべき良いデザインなのか?」

「ルビーを最高に引き立てるデザインとは…」

そのルビーの個性、構想、つくりなど…を

突き詰めて行っても、最終的には導かれる

決定的なこたえは、ありません。

その理由は、デザインというものをどの様に

認識するか? というスタート地点によって

意見が分かれるからです。

ここに、とても参考になる文章があります。

本屋さんでよくかけるPen Books

「茶の湯デザイン」(木村宗慎先生監修)の

「はじめに」で登場する文章です。

本文より引用ここから)

「ユニバーサルデザイン」という単語が登場して

久しいが、ふたつの点で、極めて狭義の意味合い

で使われているようだ。

先ず第一に、モノ=プロダクトのデザインを指すに

留まっている。そもそも「デザイン」という言葉の語源

をご存じだろうか?「ディ.サイン=(de-sign)」

署名がない―つまり、どこの誰がつくったかわからない

が、誰もがみな知っている―そのような造形を、

はたまた状況を指したものだ。現在、我々の生活を

彩るモダンなプロダクトのみが「デザイン」ではない。

第二に、ユニバーサルといっても、健常者と障害者

高齢者や幼年の区別をなくすことを意味し、時代や

国といった人と人、モノとモノ、あるいは、モノと人を

分かつあらゆる障害を乗り越えて普遍的である…

という強い意味で使われているのではない。

世間を見渡すと、単なる今日的工業生産品を指す

狭義の意味ではなく、広義の本来的なユニバーサル

デザインが、実は随所に存在している。時代の波に

洗われながらも、消え去ることなく洗練の度を増し、

政治的にも、文化的にも国境を越えて、人の心の

琴線を打ち震わせる”美”。

日本にもいくつかのこされたそんなユニバーサル

デザインのひとつが茶の湯だ。

千利休に代表はされても、実際には武将、職人、

商人など、身分や時代、貧富の垣根を超越して

多くの日本人の手で編み上げられた茶の湯には

”伝統”のひと言では語り切れない魅力がある…

(引用ここまで)

この様に、ジュエリーデザインというものが、

プロダクトデザインを指すモノではなく、

それを取り巻く文化的背景も影響するとしたら…

やらなければならない事が、山のようにあるという

ことです。

…となるとモリスが送り出したデザイン、いや問いかけ

があるとしたら、原産地で頑張るスタッフの祈りの

こもった原石、スタッフが一生懸命に探したルビー

の方が、たくさんあって市場で売りに出ているモノより

宝石らしいのではないか…ということでしょうか?

勿論、まだこたえは出ていませんが。

 

 

 

 


顕微鏡でルビーの中を散歩する

2011年06月27日 08時36分26秒 | 宝物

ルビーの中を顕微鏡でのぞくと…

まるで海の底を遊泳している様な気がする

事があります。

0.1㎜以下の距離だと思いますが、ピントが

合っていないが、何かあるぞ…と操作して行き、

その何かにピタッとピントが合った瞬間、

そのインクルージョンは、まるで自己主張

し始めるかのように表情が豊かになって行きます。

見ている私側が感じているだけではなく、

ルビー側も何か言おうとしているような

感覚です。


Historic Rings という本

2011年06月26日 12時15分18秒 | 宝物

写真は、ダイアナ スカリスブリック女史著の「Historic Rings」

という本です。

もう何百回と開いては、4000年前からのリングの解説を

呼んできました。

最初は、340ページにも及ぶ歴史的なリングの写真や情報

に圧倒されていましたが、手にしてからもう5年目で、

最近は、どこに何の情報が書いてあるのか覚えて、

親しみのある本になりました。

例えば、このリングは、BC1295-525年の古代エジプト

のリングで、船に上に座った二匹のヒヒば、太陽の神様

を崇めるデザインですが、同じコンセプトのリングが

ツタンカーメン王のお墓からも見つかっているということ

が書かれています。

何千年も残ってきたリングは、今生きる私たちに

色々な角度からメッセージを伝えてくれます。

私は、素晴らしい本だと思います。


日本のハイエンドはお茶

2011年06月25日 17時06分36秒 | 宝物

日本のハイエンドな文化といえば「お茶」

が代表的なものだと思います。

長い歴史に加え、その時代ごとの社会的

地位の高い人物が、自らの感性に磨きをかけ

ながら、トレンド作り出していった様は、

まさに日本のハイエンドといって差し支えない

と思うのです。

そのお茶の会で、お道具を拝見する場面。

例えばお茶碗、お茶尺、おなつめなどの

呼び名、来歴を聞きながらどう感じるか?

などを亭主と会話しながら、実際に手に

取って拝見させていただきます。

何百年前に、お大名が、茶人と同じものの

触感、色目、重さを感じる。

しかもオーナーさんの想いのこもった

説明付きで。

想いは、理屈ではなく、感性です。

ですから、

「これは品質が高い…

これは世界で一番、お値段のお高い…。」

といったような、物質や金額だけ、いわゆる

理屈だけで語られる世界のレベルのもう一つ

上の世界だと思います。


そういった意味で、ハイエンドの頂点かも

知れません。

ハイエンドな文化とルビーは相性がとても

良いと感じます。

モリスルビーの箱に箱書をして、それが第三者

が発行する分析結果報告書よりも信頼される

ようになれば…それがモリスの目指すブランドです。

写真は、Pen 茶の湯デザイン(木村宗慎先生監修)の

中から、干菓子の紹介で、「福紅梅」


カワイイサイズのモリスルビー エタニティーリング

2011年06月24日 21時57分30秒 | ルビー

可愛らしいエタニティーリングです。

小さくてもしっかりとモリスルビーです。

モリスでは、1㎜のルビーも10㎜のルビーも

同じ宝物として考えています。

だから、1㎜のルビーにもしっかりと

インクルージョンの写真がついた保証書を

作っています。

また見にいらして下さい。


本当のエコ…

2011年06月24日 21時02分59秒 | 宝物

ルビーは、経年変化が無く、1000年経っても

変わりません。(800年前のヒストリックリング

を見ても、何の変化もありません)

そして、人が作ることができません。

そして、何千年も前から人々に大切にされて

来た宝物です。

近年の貨幣経済は、紙幣の印刷のしすぎかも

知れません。

ある書籍で呼んだのですが、2000兆円とも

4000兆円、いや6000兆円もの行くところのない

ホームレスマネーが、世界を徘徊していると、

複数の書籍で見ました。

…もともと、今の貨幣は、ゴールドスミスが

金庫に入っている地金の分だけ「NOTE」

信用状を発行したことから始まっています

ので、金=現物の保有量と紙幣の量が切り離さ

れてからは、印刷すれば紙幣が増える訳で、

少し増えすぎているのでしょう。

だから、ホームレスマネーが生まれる訳です。

ここら辺りで、レアアースの代表的なシンボル

ルビーに、これらの「悪さ」をする貨幣を

吸収して貰いましょう。

人が増やせない、変わらない、受け継がれる、

歴史が長い…そういうモノの絶対価値は

近々見直されると思うのです。


橋本貫志コレクションを拝見する意味

2011年06月24日 08時10分20秒 | 宝物

Histric Ring の著者ダイアナ スカリスブリック女史

が橋本コレクションを絶賛しているポイントが、

上記の婦人画報の記事のとおり、そのコレクションを

分かち合おうとしているところです。

もう4年前になると思いますが、諏訪会長、宝官優夫氏

が橋本コレクションを実際に手に取って拝見し研究

しようという「指輪を手に取る会」にお声掛け頂き

参加させて頂くようになって、運よくいつも橋本氏が

出席される時は、橋本氏のお隣で座らせて頂いて

詳しく説明を頂きました。指輪を1分で見て後は

説明をお聞きしていた様に感じます。

その時に、「あなたたち若い人が、こういう歴史的な

モノを…実物じゃないと…それを手に取ったら、もう

説明はいらないでしょ。何かを見出すには、実際に

重さ、肌触り…そういうものが大切で、そういう体験

を経て感覚を磨いていく。それが大事」と教えて頂いた

事を思い出します。

橋本氏の分かち合おうとしていること…ことの意味は、

リングを手に取って「受け継いで行く」ということの大切さを

感じなさい、勉強しなさい…

そして、私たち後輩が、受け継いで行ってもらえるような

Ringをつくりなさい。ということだと思います。


一緒にルビーを見続けて…

2011年06月23日 18時26分24秒 | 宝物

しばらくミャンマーの鉱山で仕事をしてくれていた

ミヨテ部長が帰還です。

ミャンマーでずっと一緒にルビーを見てきました

ので、いまではルビーで分からない事があると

ふたりで相談です。

彼の特技は、「宝さがし」…

ルビーを探す事では、彼の右に出る人はいないと

思います。

そして、あった人は皆、彼のファンになります。

あまり日本に、銀座にはいませんが、機会が

有ったら是非、訪ねて下さい。

ちなみに日本語は、私よりも上手です。


つづき…ルビーの品質が高ければ、価値が高いのか? JBS宝石品質判定

2011年06月23日 09時34分00秒 | 宝物

つづき…

ルビーと名前がついていても、それが希少性の低い

人工合成ルビーであったり、また加熱処理によって

色が改良されていることで、希少性が低い場合は

宝石としての価値は高くないと考えられます。

それが、著名なデザイナーの作品であったり、

歴史的に重要なジュエリーであった場合は、

それらの価値が認められてオークションなどで

取引されることがありますが、ルビーとしての価値

の話になると、無処理のルビーと同じレベルで

比べられるものではありません。

 

…さて、ルビーの価値についての説明ですが、

1) 希少な絶対的価値を持つ「財宝」としてのルビー

2) アニバーサリーのシンボルとして使うルビー

3) ファッションの一部としてアクセサリーとして使うルビー

この1~3の目的別に向き不向きがあり、それぞれの視点

で求められる価値が変わります。

1)には、勿論、ミャンマー産の無処理で美しいルビー

2)には、できれば、無処理で美しいルビー

3)には、低価格で大きなものが手に入るという意味で

処理をしたルビー、人工合成ルビーでもいいと思います。

 

JBSの宝石品質判定で勉強したことが最もわかり易いと

思います。

1)宝石種

2)原産地

3)処理の有無

4)美しさ

5)色の濃淡

6)欠点

7)サイズ

で品質を見分け、そして伝統、慣習、そして

その時々の需要と供給のバランスにより

価値が決まっていく…

諏訪貿易さんのクオリティースケールで育ったモリス。

鉱区から出てきたルビーでスケールを自作して見ました。

私は、宝石を取り扱うジュエラーとしては必修の

技術ではないかと思うのです。

 


品質の高いルビーと価値の高いルビーは同じ意味か?

2011年06月23日 07時37分11秒 | 宝物

先日も上海でルビーセミナーを行った時に

質問を頂いた事です。

「品質が高ければ、価値が高いと認識していいのですね」

正解でもあり不正解でもあります。

ルビーという言葉で品質を見た場合、

処理によって美しさを改良されたものも

ひょっとして人工合成されたルビーかも知れません。

それらを品質の高いルビーだからと言って宝石と

して価値が高いと認識することには無理があります。

さて、それでは価値の高いルビーとは…

…もう飛行機が出発しそうなので、次回…


私が一番最初に宝石を勉強した時に読んだ本

2011年06月22日 22時10分16秒 | 宝物

Walter Schumann著のGemstones of the worldと

いう本は、私がこれからルビーをやろうと思った時に

アメリカで購入した本です。

何も分からず、読んでもよく分からず…

それでも、辞書を片手に何となく続けて勉強しました。

10年ぐらい経って海外で商談するのに、必要かな…と

思いました。

上手くない英語でも外国で仕事ができるのは、

この本を読んだお陰だと今になって感じます。

思った通りになる…不思議な感じもする反面、10年間に

スタートしたので、出来て当然なのですが…

今日、オフィスを整理してきて、この本を見つけました。