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信州里山通信。自然写真家、郷土史研究家、男の料理、著書『信州の里山トレッキング東北信編』、村上春樹さんのブログも

360度の大展望の聖山へ。出会ったハイカーがほとんど顔見知りという奇遇(妻女山里山通信)

2020-08-30 | アウトドア・ネイチャーフォト
 最高気温が35度という長野市。標高1447.2mの聖山へ。ヒメギフチョウを撮影した5月下旬以来です。日陰では25度と涼しく、山頂の日向では30度でしたが、直射日光が痛い。今回、地元のご婦人のグループと邂逅。妻女山で貝母を案内したことがある方たちでした。静岡から来られた三人組。ご婦人が私の読者でした。著者に会えるなんてと感激されていました。もうひとり蝶を撮影していた男性は、やはり妻女山山系で出会ったことがある方。こんな奇遇があるのですね。

 聖山山頂からの善光寺平。少し右の山頂に光が見えるのが斎場山(旧妻女山)。光はその向こうの西寺尾あたりの屋根の反射なのですが、まるで古代科野国の古墳がある斎場山が光っている様です。奇跡の一枚です。

(左)山頂。通信会社各社のアンテナがあるので善光寺平からも同定しやすいのです。拙書では歴史も詳しく記しています。奥に見えるのは、上田塩田平の子檀嶺岳や独鈷山。(右)山頂から西へ少し下った広場からの展望。雲がなければ北アルプスの絶景が見られます。手前の地肌が見えている下の谷には、長野と松本を結ぶ国道19号線と犀川があります。

(左)山葡萄の葉に奇妙なつぶつぶ。これは、ヤマブドウハコブフシという虫えい(虫こぶ・ゴール)です。作ったのは、ブドウトックリタマバエです。(右)山頂の片隅に咲くジャコウソウの残花。ただ蕾も見られたので、これからも楽しめるでしょう。

 なにかを撮影していた男性に、なにがいるんですかと聞いたら、ゴイシシジミですと。笹の葉裏にいるアブラムシの分泌液を吸っているのです。幼虫は肉食で、アブラムシを食べます。

 お腹いっぱいで休憩中かな。触覚のオレンジが可愛い。

 翅の裏は、碁石を散りばめた様。それが名前の由来の様です。

(左)オトコエシ(男郎花)。オミナエシ(女郎花)と対になって盆花で見られますね。(右)ヤマハハコ(山母子)。若葉は山菜。

 コウゾリナ(髪剃菜・顔剃菜)の群落に、たくさんコチャバネセセリがいました。茎や総包(ソウホウ)に、赤褐色の剛毛が生えていますが、顔を剃ることはできません。

 コチャバネセセリ(小茶羽挵)の幼虫の食草は、タケ科の植物です。イチモンジセセリやオオチャバネセセリなどに似ていて、同定が難しいのですが、形態や生息地、中脚の棘などからコチャバネセセリとしたのですが、どうでしょう。終齢幼虫で越冬し、幼虫は食草となる葉の表面を内側にして巻き、巣をつくってその中で摂食や蛹化をする習性があります。

 聖山パノラマホテルから三和峠へ戻る途中で見られる白樺の森。下界は35度ですが、ここは25度。ブナの森を歩く散策コースもあります。途中には湧き水もあります。

(左)三和峠(みつわとうげ)から聖湖へ下る途中にあるかくれくぼ(隠窪)の案内。(右)サラシナショウマ(晒菜升麻)が咲き始めていました。9月になると林下に咲き乱れ、風に揺れる花穂が本当に美しい。白や薄紫のノコンギクも咲き誇ります。

 聖湖から少し麻績に下ると、403号から少し入ったところにある廃墟。聖山迎賓荘の入り口にあるモニュメントです。聖山迎賓荘は、昭和40年代に開業。10年ほど運営された後に閉業したそうです。このモニュメントを使ってアーティスティックなモデル撮影をしたいですね。

 聖湖畔から望む三峯山。へらぶな釣りの太公望がたくさん。ここから姨捨駅経由で戸倉上山田温泉へ。ひと風呂浴びて帰りました。

 こんな酷暑が続くと食欲も減退します。そこで簡単な冷や汁を紹介します。材料は、サバの水煮缶詰、キュウリ、ワカメ、オクラ、ゴーヤ、紫蘇、煎りゴマ、生姜、信州糀味噌、水です。材料は好みでアレンジを。みんな混ぜて冷蔵庫で冷やして、麦入りご飯にぶっかけていただきます。

 『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。地形図掲載は本書だけ。立ち寄り温泉も。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。

本の概要は、こちらの記事を御覧ください

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