■21年間(私は19年間)続いたこのgooブログが、11月18日に閉鎖されます。早速、FC2にこれまでの記事をすべて移しました。9月末まで両方に同じ記事をアップします。10月からはFC2だけになります。こちらをクリックで見られます。モリモリキッズ」。写真をクリックで大きくなりレンズマークをクリックで最大に。
3月が異常に寒く雪も雨も少なかったために、この春は植物も昆虫も例年とは異なる様相を見せています。その影響は5月になってもいろいろなところで見られます。妻女山陣場平の貝母(ばいも)は成長が遅く伸びませんでした。ヤマザクラ、カスミザクラ、オオヤマザクラも花つきが悪くウワミズザクラに至っては咲かない木もありました。越冬したヒオドシチョウやルリタテハも少なく、テングチョウの群れやミヤマセセリもあまり見られません。5月になっても五月晴れの日はわずかです。そんな珍しい晴天の日に登ってみました。

ギンラン(銀蘭)ラン科キンラン属。あちこちに小さな群生地があるので回ってみましたが、咲いていたのはこのひと株だけ。こんなことは初めてです。これから咲き出すのかこれで終わりなのか。

白い花は蕾ではなく、これでもせいいっぱい咲いている状態です。ギンランは、「菌根菌」という菌類と共生する特殊な生育形態をもっています。特に菌に対する依存度が強く、「外生菌根菌」は特殊な土壌にのみ生息するため、この花を採取して移植しても家で育てる事は不可能です。

ハモグリバエの仲間の被害に遭うことがあるようです。林床の藪を刈って明るくしてやることも必要。環境省の絶滅危惧II類(VU)-2012年レッドデータ。長野県では準絶滅危惧種に指定。採取は厳禁。

堂平大塚古墳のリュウキュウツツジ(琉球躑躅)が咲き出しました。例年より1週間ほど遅めです。

リュウキュウツツジは、300年前ぐらいに作られた園芸種です。琉球といいますが、沖縄とは直接関係なさそうです。平戸ツツジともいいます。

妻女山里山デザイン・プロジェクトが保全活動をしている貝母の群生地がある陣場平。山上の群生地は日本でここだけです。この陣場平は第四次川中島の戦いで上杉謙信が本陣とした場所です。我が家の祖先は武田と真田の家臣でしたが。林源次郎寛高は真田幸村の影武者のひとりでした。大阪夏の陣で討ち死にしています。

今年は貝母が咲いた頃に気温が低めだったのでハナアブやミツバチがたくさん訪れなかったため実が少なめです。

実がついていない貝母は下から枯れています。実がついている貝母は実が成長し切るまでは枯れません。梅雨明け頃に枯れて弾けて種を飛ばします。

陣場平周囲の森の中のヤマツツジも咲き始めました。これもやや遅め。

ホタルカズラ(蛍葛)。ムラサキ科ムラサキ属の多年草。つぼみや咲き始めは赤紫で、開くと青くなります。名前は蛍の光に見立てたもの。

そこへ越冬したルリタテハが舞ってきて日溜まりに止まりました。翅がボロボロです。氷河期の生き残りのウスバシロチョウも6頭ほど舞い始めましたが、吸蜜する花がないのでどこにも止まりません。春型のキアゲハも少なめです。

陣場平の下の入口の小道。樹冠でサンコウチョウが盛んに鳴いています。

コバノガマズミやガマズミの花もそろそろ終わりです。秋になる赤い実でガマズミ酒を作ります。抗酸化作用が強く老化防止になります。

桐の花が咲き始めました。右奥は武田信玄のノロシ山。躑躅ヶ崎館まで狼煙で情報を送りました。約2時間で届いたとか。常時20人ほどが常駐していたといわれています。拙書でも紹介していますが、郭や空堀の遺構があります。

クサノオウ(瘡の王)。道の脇に咲いているので遠足に来た児童が触ることがありますが毒草です。草汁に触れるとかぶれるので要注意です。ハナアブの一種がいます。

シナノタンポポ(信濃蒲公英)は、在来種カントウタンポポの亜種で、ともに染色体数が2倍体なので受粉しないと種子ができません。外見上は、写真のように総苞片全体の大きさが太く、外総苞片と内総苞片の先端の小角突起とが全く無く、緑色した外総苞片と内総苞片の色の濃さが薄いなどの特徴があります。これは茎の長さが40センチぐらいあります。最大では80センチのを見つけたことがあります。

妻女山展望台から西に北アルプスの白馬三山。手前に茶臼山、右奥に鬼女山姥伝説の虫倉山。

北に左に戸隠連峰と戸隠富士の異名を持つ高妻山。右に飯縄権現を祀る飯綱神社が鎮座する飯縄山。飯縄権現(飯綱大明神)は、管狐(くがきつね)を使って術を行う飯縄遣(いいづなつかい)の仏神。山岳信仰が発祥といわれる神仏習合の神です。その姿は白狐に乗った烏天狗で、大日如来の化身の不動明王のさらなる化身といわれています。上杉謙信の兜の前立てがそれです。千曲川のドロヤナギの緑が濃くなりました。ハリエンジュ(ニセアカシア)の花は今年はまだ咲いていません。

東に根子岳と四阿山。手前左は奇妙山。四阿山は真田の修験の山で、山頂には麓の山家神社の奥宮が二つあり、真ん中には最古の石の祠があります。麓の神社には、真田幸隆が奉納した奥宮の漆塗りの扉が現存します。拙書では四阿山と真田の関係を詳細に記しています。菅平牧場から四阿山、根子岳をまわるループコースは拙書でも紹介していますが、大人気です。奇妙山は本来は帰命山で、本名を仏師岳(仏師ガ岳)といい古代は修験の山で、戦国時代以前の山城の跡もあります。

まだ細いのですが山蕗を採りました。干しホタルイカと煮物に。干しホタルイカは古くから海なし県信州のお馴染みの食材で、本当に美味い出汁が出ます。山椒の若葉も入れて煮ました。汁も美味です。
■「ブラジルへの郷愁」レヴィ=ストロース 川田順造訳 みすず書房。文化人類学、また構造主義におけるバイブルのひとつ(妻女山里山通信)
『アマゾンひとり旅』を掲載中。■ブラジル料理を2回に渡って掲載。ブラジル音楽も。最近大流行りの南米文学(ラテンアメリカ文学)の紹介。『百年の孤独』『族長の秋』『蜘蛛女のキス』など。■モリモリキッズ・スペシャル をクリック!!!
■ 「村上春樹さんのピーター・キャットを中心とした70年代のクロニクル」 ムサビの美大生時代に彼のジャズ喫茶でアルバイトしていた当時のブログ。世界中からアクセスがあります。70年代の美大生の赤裸々な日々。ロンドンでQueenのフレデイ・マーキュリーの恋人のメアリー・オースチンが勤めていたBIBAの店で当時の私の恋人が彼女からジャケットを買った話など。
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●YouTubeはこちらをクリック。米子大瀑布、絶滅危惧種のナミルリモンハナバチ・キバネツノトンボ・北信流など。これからどんどんアップしていきます。。
●もう一つの古いチャンネルはこちら。76本のトレッキングやネイチャーフォト(昆虫や粘菌など)、ブラジル・アマゾン・アンデスのスライドショー。
◆『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあり、その山の歴史も記しています。地形図掲載は本書だけ。立ち寄り温泉も。
詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。
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3月が異常に寒く雪も雨も少なかったために、この春は植物も昆虫も例年とは異なる様相を見せています。その影響は5月になってもいろいろなところで見られます。妻女山陣場平の貝母(ばいも)は成長が遅く伸びませんでした。ヤマザクラ、カスミザクラ、オオヤマザクラも花つきが悪くウワミズザクラに至っては咲かない木もありました。越冬したヒオドシチョウやルリタテハも少なく、テングチョウの群れやミヤマセセリもあまり見られません。5月になっても五月晴れの日はわずかです。そんな珍しい晴天の日に登ってみました。

ギンラン(銀蘭)ラン科キンラン属。あちこちに小さな群生地があるので回ってみましたが、咲いていたのはこのひと株だけ。こんなことは初めてです。これから咲き出すのかこれで終わりなのか。

白い花は蕾ではなく、これでもせいいっぱい咲いている状態です。ギンランは、「菌根菌」という菌類と共生する特殊な生育形態をもっています。特に菌に対する依存度が強く、「外生菌根菌」は特殊な土壌にのみ生息するため、この花を採取して移植しても家で育てる事は不可能です。

ハモグリバエの仲間の被害に遭うことがあるようです。林床の藪を刈って明るくしてやることも必要。環境省の絶滅危惧II類(VU)-2012年レッドデータ。長野県では準絶滅危惧種に指定。採取は厳禁。

堂平大塚古墳のリュウキュウツツジ(琉球躑躅)が咲き出しました。例年より1週間ほど遅めです。

リュウキュウツツジは、300年前ぐらいに作られた園芸種です。琉球といいますが、沖縄とは直接関係なさそうです。平戸ツツジともいいます。

妻女山里山デザイン・プロジェクトが保全活動をしている貝母の群生地がある陣場平。山上の群生地は日本でここだけです。この陣場平は第四次川中島の戦いで上杉謙信が本陣とした場所です。我が家の祖先は武田と真田の家臣でしたが。林源次郎寛高は真田幸村の影武者のひとりでした。大阪夏の陣で討ち死にしています。

今年は貝母が咲いた頃に気温が低めだったのでハナアブやミツバチがたくさん訪れなかったため実が少なめです。

実がついていない貝母は下から枯れています。実がついている貝母は実が成長し切るまでは枯れません。梅雨明け頃に枯れて弾けて種を飛ばします。

陣場平周囲の森の中のヤマツツジも咲き始めました。これもやや遅め。

ホタルカズラ(蛍葛)。ムラサキ科ムラサキ属の多年草。つぼみや咲き始めは赤紫で、開くと青くなります。名前は蛍の光に見立てたもの。

そこへ越冬したルリタテハが舞ってきて日溜まりに止まりました。翅がボロボロです。氷河期の生き残りのウスバシロチョウも6頭ほど舞い始めましたが、吸蜜する花がないのでどこにも止まりません。春型のキアゲハも少なめです。

陣場平の下の入口の小道。樹冠でサンコウチョウが盛んに鳴いています。

コバノガマズミやガマズミの花もそろそろ終わりです。秋になる赤い実でガマズミ酒を作ります。抗酸化作用が強く老化防止になります。

桐の花が咲き始めました。右奥は武田信玄のノロシ山。躑躅ヶ崎館まで狼煙で情報を送りました。約2時間で届いたとか。常時20人ほどが常駐していたといわれています。拙書でも紹介していますが、郭や空堀の遺構があります。

クサノオウ(瘡の王)。道の脇に咲いているので遠足に来た児童が触ることがありますが毒草です。草汁に触れるとかぶれるので要注意です。ハナアブの一種がいます。

シナノタンポポ(信濃蒲公英)は、在来種カントウタンポポの亜種で、ともに染色体数が2倍体なので受粉しないと種子ができません。外見上は、写真のように総苞片全体の大きさが太く、外総苞片と内総苞片の先端の小角突起とが全く無く、緑色した外総苞片と内総苞片の色の濃さが薄いなどの特徴があります。これは茎の長さが40センチぐらいあります。最大では80センチのを見つけたことがあります。

妻女山展望台から西に北アルプスの白馬三山。手前に茶臼山、右奥に鬼女山姥伝説の虫倉山。

北に左に戸隠連峰と戸隠富士の異名を持つ高妻山。右に飯縄権現を祀る飯綱神社が鎮座する飯縄山。飯縄権現(飯綱大明神)は、管狐(くがきつね)を使って術を行う飯縄遣(いいづなつかい)の仏神。山岳信仰が発祥といわれる神仏習合の神です。その姿は白狐に乗った烏天狗で、大日如来の化身の不動明王のさらなる化身といわれています。上杉謙信の兜の前立てがそれです。千曲川のドロヤナギの緑が濃くなりました。ハリエンジュ(ニセアカシア)の花は今年はまだ咲いていません。

東に根子岳と四阿山。手前左は奇妙山。四阿山は真田の修験の山で、山頂には麓の山家神社の奥宮が二つあり、真ん中には最古の石の祠があります。麓の神社には、真田幸隆が奉納した奥宮の漆塗りの扉が現存します。拙書では四阿山と真田の関係を詳細に記しています。菅平牧場から四阿山、根子岳をまわるループコースは拙書でも紹介していますが、大人気です。奇妙山は本来は帰命山で、本名を仏師岳(仏師ガ岳)といい古代は修験の山で、戦国時代以前の山城の跡もあります。

まだ細いのですが山蕗を採りました。干しホタルイカと煮物に。干しホタルイカは古くから海なし県信州のお馴染みの食材で、本当に美味い出汁が出ます。山椒の若葉も入れて煮ました。汁も美味です。
■「ブラジルへの郷愁」レヴィ=ストロース 川田順造訳 みすず書房。文化人類学、また構造主義におけるバイブルのひとつ(妻女山里山通信)
『アマゾンひとり旅』を掲載中。■ブラジル料理を2回に渡って掲載。ブラジル音楽も。最近大流行りの南米文学(ラテンアメリカ文学)の紹介。『百年の孤独』『族長の秋』『蜘蛛女のキス』など。■モリモリキッズ・スペシャル をクリック!!!
■ 「村上春樹さんのピーター・キャットを中心とした70年代のクロニクル」 ムサビの美大生時代に彼のジャズ喫茶でアルバイトしていた当時のブログ。世界中からアクセスがあります。70年代の美大生の赤裸々な日々。ロンドンでQueenのフレデイ・マーキュリーの恋人のメアリー・オースチンが勤めていたBIBAの店で当時の私の恋人が彼女からジャケットを買った話など。
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◆『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあり、その山の歴史も記しています。地形図掲載は本書だけ。立ち寄り温泉も。
詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。
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