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信州里山通信。自然写真家、郷土史研究家、男の料理、著書『信州の里山トレッキング東北信編』、村上春樹さんのブログも

ネジキの白い花が、小さな鈴の様に咲き乱れる雨上がりの森で(妻女山里山通信)

2013-06-16 | アウトドア・ネイチャーフォト
 空梅雨で、全くといっていいほど降雨のなかった妻女山山系ですが、やっと恵みの雨が降りました。といっても、作物がぐんぐん育つにはまだ足りませんが。この時期、山は最も花が少ないのですが、ネジキの白く小さな花が一斉に咲きました。ツツジ科なので、鈴のような花は、ドウダンツツジに似ています。アセビと同様に有毒植物です。別名をカシオシミ(貸し惜しみ?)というそうですが、なぜなのでしょうか。

 ネジキ(捩木)は、その名の通り樹皮がかなりねじれています。樹皮どころか材もかなりねじれているので、なかなか使い物にならないそうです。では、その他の樹木はねじれていないかというと、そうではないのです。落葉松などは、樹皮をよく見るとねじれています。「旋回木理」とか、英語では「スパイラル・グレイン」”spiral grain” というそうです。
 なぜねじれるかということは、色々研究により説があるそうです。太陽を追い掛けるとか、風の影響とか。私は天体の旋回を初めとして、スピンというのは存在が安定を求めてする根源的、必然的な動きなんではないだろうかと思ったりしています。螺旋状のフラクタル。回って回って回る。ウィトゲンシュタインを思い出しました。

 樹木のねじれというのは、樹種により色々なパターンがあるようで、樹皮が下右から左上に太陽の動きと同じ様にねじれるものと、反対にねじれるものがあるそうです。また、樹皮と中の材が反対にねじれるものもあるそうで、なかなか面白いものです。たいていは、若木の時には左上に回る様にねじれ、ある年から逆向きに変わるのだそうですが、中にはそのままねじれ続けるものがあるそうで、それがネジキなのでしょう。昔から、左ねじれの木材は割材に向いており、右ねじれのものは梁や接合部分に向いているというそうです。建築家や木材工芸家は、こういうことをよく理解していないと材を使いこなせないということですね。

 ニワトコの赤い実が目立ちます。シモツケが咲き始めました。林下ではヤマホタルブクロが咲いています。明るい落葉松林の中にイチヤクソウの群落がありました。ミヤマウグイスカグラの赤い実が風に揺れています。ノアザミも咲き始めました。恵みの雨で、森は一気に活性化した感じです。

 葉の上で、キリギリスの幼虫がジッと日向ぼっこをしていました。鬱蒼とした森には、テングチョウ、コミスジ、イチモンジチョウ、ヒメウラナミジャノメ等が舞っていますが、長旅をしてきたアサギマダラも見かけるようになりました。そろそろゼフィルスも舞い始める頃です。雨上がりなので粘菌を探したのですが、見つかりませんでした。

 渇水で6月上旬に行った菅平ダムなどは底が見えそうなほどでしたが、今日の千曲川の水量はやや少ない程度。上流部で降ったからでしょう。山上から見える川面は泥色に濁っていました。こういう空梅雨の梅雨明けには、集中豪雨が起きたりするので、少し心配しています。


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