9日は暖かく穏やかだった前日とは異なり晴れたのですが寒風が冷たい一日でした。山上は10度ぐらいですが体感気温は0度近く。貝母はまだつぼみですが、前回ヤマエンゴサクの群生地を訪れなかったので行ってみました。やはり咲いていました。途中で知り合いに出会ったのですが、驚いた、カタクリがまだ一輪しか咲いていないと言っていました。3月の寒さの影響が色んなところで出ています。貝母も遅れています。

ヤマエンゴサク(山延胡索)は、ケシ科キケマン属の多年草。別名、ヤブエンゴサク、ササバエンゴサク。

上の様に同じ方向を向いているのもあれば、この様にとっ散らかって咲くものも。若葉が広がる頃には地上部は枯れてなくなり、その後は翌春まで地中の地下茎で過ごすスプリング・エフェメラル(春の妖精・春の儚い命)の一種です。

ハナヤスリ。小さなミズバショウ(水芭蕉)の様に見えます。そうは見えませんが、シダ植物です。

成長すると葉の真ん中から胞子嚢が出てきます。それがヤスリの形に似ているのでそう呼ばれます。

貝母のつぼみは下を向き始めました。これが膨らむと下から咲き始めます。週末ぐらいでしょうか。今年は寒さのせいでしょうかつぼみの数が例年に比べて少ない。

陣場平の北東の隅。菱形基線測点がある手前に2年前から球根を移植しました。それが芽生えています。

寒さのためか今年の貝母は草丈が低いのです。見頃は、15日から25日頃でしょう。当ブログでお知らせします。

上にタチツボとか何もつかないスミレ。スミレもカタクリやニリンソウなどと同じアリ散布植物です。種につくエライオソームを求めてアリが巣に運び、不要な種を巣の外に捨てることで増えます。

咲き始めたばかりのシュンラン(春蘭)。単子葉植物ラン科シュンラン属の蘭です。洋蘭として人気のシンビジウムの仲間。

あちこちでミヤマウグイスカグラ(深山鶯神楽)が咲き始めました。夏になる赤い実は甘くて美味しい。

堂平大塚古墳の謎の石碑。ここの持ち主で山仲間で友人だった故人のKさんがログハウスを作るときに掘り出したもの。彼も不思議がっていました。勅命とか正一位とか天宮大穴郷堂平とか書いてあります。内容と風化具合から相当に古いものでしょう。彼は堂平という地名から、その昔にお堂があったのではと言っていました。
天宮大穴郷堂平とありますが、天宮は雨宮の古名か。大穴郷(於保奈・多穴)とは、平安時代中期〔承平年間(931年 - 938年)〕に作られた辞書『和名類聚抄(わみょうるいじゅしょう)』に載る古代埴科郡七郷のひとつ。この石碑もその頃のものである可能性も。
堂平大塚古墳の北に西へ伸びる斎場山から薬師山への尾根があり、その最西端の南の麓に古大穴神社が鎮座します。
◉古大穴神社御由緒
「創建年月不詳。江戸時代亨保12年4月(1727)諏訪大明神造立。往古は日ノ尾(南山)に鎮座という。明治3年9月(1870)拝殿再建。太古から塚穴が多く大穴郷(おおなごう・於保奈・多穴・大穴)と呼ばれていた。境内の石段の処に大きな古墳があった。よって明治13年12月(1880)社号を古大穴神社と改称。祭神は、建御名方命(たけみなかたのみこと)、八坂刀売命(やさかとめのみこと)」
なお、尾根の北側に鎮座する上杉謙信が庇護した会津比売神社の御由緒には、森将軍塚古墳に埋葬されているという初代科野國造の武五百建命(たけいおたつのみこと)の妻とされる会津比売命(あいづひめのみこと)夫婦が、この地に住んでいたという里俗伝があります。会津比売命は、建御名方命の孫になります。建御名方命は大国主命の子ですから、つまり出雲系です。彼女の夫は大和系。古代科野のクニは、出雲系と大和系が結婚してできたというわけです。大和族は先に入っていた出雲族を恐れていたという説もあります。政略結婚だったのでしょうか。

前回撮影したサンシュユから100mほど離れた場所にそこそこ大きなサンシュユの樹がありました。

サンシュユの花のアップ。直径2センチぐらい。

ニワトコ(庭床・接骨木)レンプクソウ科ニワトコ属の落葉低木。若芽は山菜。接骨木という不思議な名前は、枝や幹を煎じて水あめ状になったものを、骨折の治療の際の湿布剤に用いたためといわれます。ニワトコの杖は「宿命の杖」といい、魔法の杖といわれ、『ハリー・ポッターと死の秘宝』に登場します。

小さなアオイスミレ(葵菫)。ただ、葉の形が少し尖っているのと上の花びらがうさぎの耳状ではないので、タチツボスミレとの交雑でしょうか。

タチツボスミレ(立坪菫)の群生地。スミレ科スミレ属の多年草です。もっともありふれたスミレでアオイスミレより花がずっと大きい。

コケの胞子嚢。スギゴケの仲間だと思うのですが。先っぽの三角帽子がないものは、すでに胞子が飛んだものです。

松代方面の眺め。中央の山の麓に満開のあんずの花がたくさん咲いているのが見えます。右奥に根子岳と四阿山。拙書にも載せています。

北アルプスの白馬三山。右手前は茶臼山の南峰。中腹にはリンゴ畑が広がります。花が咲くのはゴールデンウィーク頃。

白馬鑓ケ岳(2,903m)と杓子岳(2,812m)。手前の里山に信里小学校とJAの建物や民家が見えます。最近ワイナリーの建物ができました。周囲には葡萄畑が広がっています。

白馬岳(2,932m)。白馬岳は元は代馬岳と白馬村が申請したのですが、明治の帝国陸軍陸地測量部の地図には白馬岳と表記されていました。それ以前は西山とか嶽山とか呼ばれ正式名称は無かったそうです。その面白い顛末は、以前記事で書きました。山名などの自然地名は現在の名前になるまで色々と変遷の歴史があるのが普通です。複数あるのも当たり前です。
●モリモリキッズ・スペシャルのブログで、最近大流行りの南米文学(ラテンアメリカ文学)の紹介を始めました。『百年の孤独』『族長の秋』『蜘蛛女のキス』など。注目作品ばかり。
■「ブラジルへの郷愁」レヴィ=ストロース 川田順造訳 みすず書房。文化人類学、また構造主義におけるバイブルのひとつ(妻女山里山通信)
引き続き『アマゾンひとり旅』を順次掲載中。■ブラジル料理を2回に渡って掲載。ブラジル音楽も。。■モリモリキッズ・スペシャル をクリック!!!
■ 「村上春樹さんのピーター・キャットを中心とした70年代のクロニクル」というムサビの美大生時代に彼のジャズ喫茶でアルバイトしていた当時のブログは世界中からアクセスがあります。この文章をクリックで見られます。ロンドンに5週間住んでいて、Queenのフレデイ・マーキュリーの恋人のメアリー・オースチンが勤めていたBIBAの店で当時の私の恋人が彼女からジャケットを買った話。70年代の美大生の赤裸々な日々が見られます。
●インスタグラムはこちらをクリック。ツイッターはこちらをクリック。YouTubeはこちらをクリック。米子大瀑布、絶滅危惧種のナミルリモンハナバチ・キバネツノトンボ・北信流など。これからどんどんアップしていきます。。
もう一つの古いチャンネルはこちら。76本のトレッキングやネイチャーフォト(昆虫や粘菌など)、ブラジル・アマゾン・アンデスのスライドショー。
◆『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。地形図掲載は本書だけ。立ち寄り温泉も。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。

★本の概要は、こちらの記事を御覧ください。
★お問い合せや、仕事やインタビューなどのご依頼は、コメント欄でお願い致します。コメント非公開希望の方はその旨を書いてください。
インタープリターやインストラクターのお申込みもお待ちしています。シニア大学や自治体などで好評だったスライドを使用した自然と歴史を語る里山講座や講演も承ります。掲載の写真は有料でお貸しします。他のカットも豊富にあります。お問い合わせください。

ヤマエンゴサク(山延胡索)は、ケシ科キケマン属の多年草。別名、ヤブエンゴサク、ササバエンゴサク。

上の様に同じ方向を向いているのもあれば、この様にとっ散らかって咲くものも。若葉が広がる頃には地上部は枯れてなくなり、その後は翌春まで地中の地下茎で過ごすスプリング・エフェメラル(春の妖精・春の儚い命)の一種です。

ハナヤスリ。小さなミズバショウ(水芭蕉)の様に見えます。そうは見えませんが、シダ植物です。

成長すると葉の真ん中から胞子嚢が出てきます。それがヤスリの形に似ているのでそう呼ばれます。

貝母のつぼみは下を向き始めました。これが膨らむと下から咲き始めます。週末ぐらいでしょうか。今年は寒さのせいでしょうかつぼみの数が例年に比べて少ない。

陣場平の北東の隅。菱形基線測点がある手前に2年前から球根を移植しました。それが芽生えています。

寒さのためか今年の貝母は草丈が低いのです。見頃は、15日から25日頃でしょう。当ブログでお知らせします。

上にタチツボとか何もつかないスミレ。スミレもカタクリやニリンソウなどと同じアリ散布植物です。種につくエライオソームを求めてアリが巣に運び、不要な種を巣の外に捨てることで増えます。

咲き始めたばかりのシュンラン(春蘭)。単子葉植物ラン科シュンラン属の蘭です。洋蘭として人気のシンビジウムの仲間。

あちこちでミヤマウグイスカグラ(深山鶯神楽)が咲き始めました。夏になる赤い実は甘くて美味しい。

堂平大塚古墳の謎の石碑。ここの持ち主で山仲間で友人だった故人のKさんがログハウスを作るときに掘り出したもの。彼も不思議がっていました。勅命とか正一位とか天宮大穴郷堂平とか書いてあります。内容と風化具合から相当に古いものでしょう。彼は堂平という地名から、その昔にお堂があったのではと言っていました。
天宮大穴郷堂平とありますが、天宮は雨宮の古名か。大穴郷(於保奈・多穴)とは、平安時代中期〔承平年間(931年 - 938年)〕に作られた辞書『和名類聚抄(わみょうるいじゅしょう)』に載る古代埴科郡七郷のひとつ。この石碑もその頃のものである可能性も。
堂平大塚古墳の北に西へ伸びる斎場山から薬師山への尾根があり、その最西端の南の麓に古大穴神社が鎮座します。
◉古大穴神社御由緒
「創建年月不詳。江戸時代亨保12年4月(1727)諏訪大明神造立。往古は日ノ尾(南山)に鎮座という。明治3年9月(1870)拝殿再建。太古から塚穴が多く大穴郷(おおなごう・於保奈・多穴・大穴)と呼ばれていた。境内の石段の処に大きな古墳があった。よって明治13年12月(1880)社号を古大穴神社と改称。祭神は、建御名方命(たけみなかたのみこと)、八坂刀売命(やさかとめのみこと)」
なお、尾根の北側に鎮座する上杉謙信が庇護した会津比売神社の御由緒には、森将軍塚古墳に埋葬されているという初代科野國造の武五百建命(たけいおたつのみこと)の妻とされる会津比売命(あいづひめのみこと)夫婦が、この地に住んでいたという里俗伝があります。会津比売命は、建御名方命の孫になります。建御名方命は大国主命の子ですから、つまり出雲系です。彼女の夫は大和系。古代科野のクニは、出雲系と大和系が結婚してできたというわけです。大和族は先に入っていた出雲族を恐れていたという説もあります。政略結婚だったのでしょうか。

前回撮影したサンシュユから100mほど離れた場所にそこそこ大きなサンシュユの樹がありました。

サンシュユの花のアップ。直径2センチぐらい。

ニワトコ(庭床・接骨木)レンプクソウ科ニワトコ属の落葉低木。若芽は山菜。接骨木という不思議な名前は、枝や幹を煎じて水あめ状になったものを、骨折の治療の際の湿布剤に用いたためといわれます。ニワトコの杖は「宿命の杖」といい、魔法の杖といわれ、『ハリー・ポッターと死の秘宝』に登場します。

小さなアオイスミレ(葵菫)。ただ、葉の形が少し尖っているのと上の花びらがうさぎの耳状ではないので、タチツボスミレとの交雑でしょうか。

タチツボスミレ(立坪菫)の群生地。スミレ科スミレ属の多年草です。もっともありふれたスミレでアオイスミレより花がずっと大きい。

コケの胞子嚢。スギゴケの仲間だと思うのですが。先っぽの三角帽子がないものは、すでに胞子が飛んだものです。

松代方面の眺め。中央の山の麓に満開のあんずの花がたくさん咲いているのが見えます。右奥に根子岳と四阿山。拙書にも載せています。

北アルプスの白馬三山。右手前は茶臼山の南峰。中腹にはリンゴ畑が広がります。花が咲くのはゴールデンウィーク頃。

白馬鑓ケ岳(2,903m)と杓子岳(2,812m)。手前の里山に信里小学校とJAの建物や民家が見えます。最近ワイナリーの建物ができました。周囲には葡萄畑が広がっています。

白馬岳(2,932m)。白馬岳は元は代馬岳と白馬村が申請したのですが、明治の帝国陸軍陸地測量部の地図には白馬岳と表記されていました。それ以前は西山とか嶽山とか呼ばれ正式名称は無かったそうです。その面白い顛末は、以前記事で書きました。山名などの自然地名は現在の名前になるまで色々と変遷の歴史があるのが普通です。複数あるのも当たり前です。
●モリモリキッズ・スペシャルのブログで、最近大流行りの南米文学(ラテンアメリカ文学)の紹介を始めました。『百年の孤独』『族長の秋』『蜘蛛女のキス』など。注目作品ばかり。
■「ブラジルへの郷愁」レヴィ=ストロース 川田順造訳 みすず書房。文化人類学、また構造主義におけるバイブルのひとつ(妻女山里山通信)
引き続き『アマゾンひとり旅』を順次掲載中。■ブラジル料理を2回に渡って掲載。ブラジル音楽も。。■モリモリキッズ・スペシャル をクリック!!!
■ 「村上春樹さんのピーター・キャットを中心とした70年代のクロニクル」というムサビの美大生時代に彼のジャズ喫茶でアルバイトしていた当時のブログは世界中からアクセスがあります。この文章をクリックで見られます。ロンドンに5週間住んでいて、Queenのフレデイ・マーキュリーの恋人のメアリー・オースチンが勤めていたBIBAの店で当時の私の恋人が彼女からジャケットを買った話。70年代の美大生の赤裸々な日々が見られます。
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