Lancetという非常に権威のある医学雑誌の本年8月号に、「『健康リスクを最小限に抑えるための安全な飲酒量の目安が存在する』という認識は神話にすぎない」との研究結果が報告されました。
この研究では1990~2016年の間に、195カ国・地域におけるアルコール関連の健康問題(心血管疾患やがんなどを含む)についてのリスクの検討が行われました。その結果、世界でアルコール関連死は280万人/年に上り(2016年)、がんの死亡リスクはアルコール摂取量が多いほど増加し、健康損失を最小限に抑える飲酒量はないことが算定されてました。
特に15~49歳の男性では死亡の12%は飲酒関連と極めて高いことが判明しています。また、50歳以上ではアルコール関連死に占めるがんの割合が高く、女性で27.1%、男性では18.9%でした(2016年の結果より)。
最終的に、全健康損失リスクを最小限に抑えるアルコール摂取量は、1日0ドリンクと推算されています。すなわち、アルコールを全く飲まないことが一番健康には良い、という結論です。
この研究結果は長期間に渡るかなり大規模な調査から得られたものなので、信頼性は高いものと思われます。お酒好きな方には耳の痛いニュースですね...。