心療内科 新(あらた)クリニックのブログ

最新の精神医学に関するトピックスやクリニックの情報などを紹介します

安全な飲酒量はない!

2018年10月23日 | ブログ

Lancetという非常に権威のある医学雑誌の本年8月号に、「『健康リスクを最小限に抑えるための安全な飲酒量の目安が存在する』という認識は神話にすぎない」との研究結果が報告されました。

この研究では1990~2016年の間に、195カ国・地域におけるアルコール関連の健康問題(心血管疾患やがんなどを含む)についてのリスクの検討が行われました。その結果、世界でアルコール関連死は280万人/年に上り(2016年)、がんの死亡リスクはアルコール摂取量が多いほど増加し、健康損失を最小限に抑える飲酒量はないことが算定されてました。

特に15~49歳の男性では死亡の12%は飲酒関連と極めて高いことが判明しています。また、50歳以上ではアルコール関連死に占めるがんの割合が高く、女性で27.1%、男性では18.9%でした(2016年の結果より)。

最終的に、全健康損失リスクを最小限に抑えるアルコール摂取量は、1日0ドリンクと推算されています。すなわち、アルコールを全く飲まないことが一番健康には良い、という結論です。

この研究結果は長期間に渡るかなり大規模な調査から得られたものなので、信頼性は高いものと思われます。お酒好きな方には耳の痛いニュースですね...


長崎トラウマ関連症状勉強会 親睦会開催

2018年10月23日 | 専門外来

昨日、第1回目の長崎トラウマ関連症状勉強会として、まずは親睦の食事会を市内のレストランにて行いました。今回はEMDRのweekend1トレーニング以上を修了した先生方を対象としたクローズドの会でしたが、15名の臨床心理士や精神科医の先生方にお集まり頂けました。なお、現在、長崎県内にはweekend1トレーニング以上を修了した精神科医および臨床心理士が30名程います。

初めてお会いする先生も多かったですが、和やかな雰囲気で、皆、和気あいあいと打ち解けることができ、大変有意義な会となりました。ご多忙の中、五島や大村、西海、佐世保といった遠方からご参加頂いた先生もおられ、大変感謝いたしております。

会長の今村 明教授(長崎大学病院地域連携児童思春期精神医学診療部)を中心とし、今後は鋭意、本格的にEMDRを中心としたトラウマ治療の勉強会を企画していきたいと思っております。なお、僭越ながら私が本会の代表世話人を務めております。

まだ長崎県では本格的にEMDRを使ってトラウマ治療を行っている医療機関や施設が少ないのが現状ですが、最終的にはトラウマを抱えて困っている患者さんが、長崎県の各地でEMDRを受けられるようになることを目指しております。また、私自身を含め、当院の臨床心理士もさらにEMDRの研鑽を積み、より一層、患者さんのお役に立てるよう励みたいと思っております。