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心療内科 新(あらた)クリニックのブログ

最新の精神医学に関するトピックスやクリニックの情報などを紹介します

カトリック神父からの性被害を考える会

2020年06月21日 | ブログ
本日、長崎市内で「カトリック神父による性的虐待を考える会」が開催され、参加してきました。カトリック神父による信者への性虐待については、海外では以前から知られていて、2016年には「スポットライト  世紀のスクープ」との作品名で映画化され、世界中に大激震が走りました。

聖職者の性的虐待は世界各地で問題となっており、教会の組織的な隠蔽が批判を浴びています。私自身、長崎で保健所や児童相談所の嘱託医を務めておりますが、これまでカトリック神父による性被害の相談案件はありませんでした(隠蔽していたということでしょう)。

今回、本会を企画された被害当事者の竹中勝美さんは2001年から自身の性的被害を日本のカトリック協議会に訴え出ましたが、これまでまともに取り合ってもらえなかったとのことです😢

さらに衝撃的なことに、ここ長崎でも同様の被害が現在も起こっているということです!
*昨年の11月にも、ニュースになっています;https://www.asahi.com/articles/ASMCW5RDYMCWTOLB009.html 

昨年に事件が発覚し、長崎の大司教は「大変深刻に受け止めている 」、「厳正な対処をしていく」と当時コメントしていますが、本年5月に再び長崎大司教区の信者より、性暴力被害の訴えや、事もあろうに調査担当者へのパワハラなどの相談が入ったとのことです😧  。

性的虐待は強制わいせつに当たりますので、警察の速やかな介入が必要なのではないでしょうか。そうでもしなければ、再び同じ事件が繰り返されるのは必至です。

なお、本日の会には、東京から日本EMDR学会認定EMDRコンサルタントのお一人である白川  美也子先生(こころとからだ・光の花クリニック)も駆けつけて下さり、性トラウマの被害の深刻さについてご講演されました。

本来は苦しむ人々の救いとなり、世界平和を祈るカトリック教会のこのような暴挙は本当に許しがたいです。このような社会問題は、もはや個人のレベルでの解決は困難と考えられるため、国や行政が適切に介入し、解決に当たる必要があると思います。 

性的虐待を受けた多くの被害者はPTSDを発症してしまいます。当院では今後、被害者の支援や治療を全面的に行っていきたいと考えています。世界に真の平和が訪れますように...😔 。 

(院長 森)