11月18日に、1回の注射で効果が3ヶ月間持続するという持効性抗精神病剤、ゼプリオンTRIが発売されました。これは統合失調症の治療薬の一つで、これまでは1ヶ月しか効果が持続せず、同薬剤を使用している患者さんは毎月、注射を受ける必要がありましたが、病状の安定している患者さんは、今後は3ヶ月に1回の注射のみでよくなります!
統合失調症の患者さんは、お薬の内服をやめてしまうとほぼ全員、再発してしまうため、継続的な治療が必要となりますが、うっかり飲み忘れてしまい病状が悪化してしまう方も少なくないのが現状です。中には、毎日の内服が煩わしかったり、自分自身が病気である自覚が乏しく、段々、お薬を飲まなくなったりする患者さんもおられます。
そのような現状で、今回の3ヶ月に1回だけの注射製剤の登場は、患者さんにとって大きな恩恵になることと期待されます。海外ではすでに同注射剤は発売されており、アメリカでは今月の2日に、1回の注射で半年間も効果が持続するゼプリオンの6ヶ月製剤をJohnson & Johnson がFDAに承認申請しています。
他にも、認知機能の改善を目的とした統合失調症治療薬(GlyT1阻害剤;BI 425809)なども開発されつつあり、今後、統合失調症患者さんのさらなる症状の改善やQOLの向上が期待されます。