ad

建築を旅する

蔦屋書店代官山

2012-01-05 13:57:59 | Weblog
蔦屋書店代官山店が12月にオープンしたらしく、この前初めて行って来た。

設計はクラインダイサム。
写真で見ていた通り、白い外壁に、ガラスのファサードが絡む、低層の分棟式商業施設。
近くにヒルサイドテラスがあるけれど、その流れに繋がる雰囲気があって、スケールがとてもいい。

写真は、ツタヤホームページから。

久しぶりの代官山は、午前中だったのもあり、人がまばらで気持ちよい。

車は120台停められるそうで、この辺りではなかなか無い贅沢なつくりだ。


外装の白いのは、よく見るとツタヤのTの文字で、マットな白が陰影をはらんで奇麗だ。
パーツがたっぷりと大きいので、楽しい。

施設の案内サインがパンチングメタルでいいのだけれど、調べてみるとデザインは原研哉氏らしい、なるほど。

とにかく、蔵書が多くって、セレクトもいいので、困ったらここに行くといいな。
デザインや建築などの本が充実しているのと、哲学書や宗教に関する本も目立つところに多数置かれていた。
昨年来の混迷し災害もあった今の時代の反映なのだろう。是非本物を選んでほしいもんです。

施設中央にある、3棟を貫く導線が、『マガジンストリート』となっていて、判りやすく、良い導線計画だなと思った。

内装は『おうち』感を出すことをコンセプトにしているらしいので、非常に居心地もよく、木材なんかも割と多く使われていた。欲を言えば、壁も左官の塗り壁にしてほしかったところ。

この施設、クラインダイサム設計なのだけれど、全体には、驚くほど斬新で、キンキンにデザインコンシャスかといわれると、そうではなく、エッジーというよりは、コンフォートな感じで親しみの涌く、誤解を恐れずに言うと、あえて割と無難(もちろんオシャレだけど)な施設を目指した感じがする。
地域に開いた感じの本屋だし、ウエルカムな『おうち』コンセプト、これが正解なんだろう。

先日、ある審査会でお会いした青木淳氏にお話をうかがっていた中で、『これからは、新しさだけを追い求めるのではなく、普通の中に建築の先をみていく。』という旨の話が印象的だった。
もしかすると、なんとなく通じる物があるのかもしれないと思ってみたり。
うーん。ちょっと違うかな。

一部、二階にカフェバーの様なスペースもあり、そこはちょっと大人な雰囲気。
なんと、ハンスJ.ウェグナーの名作“ベアチェア”なんかも置かれていて、これは驚いた。
自分の好きな椅子だけど、買うと200万以上するらしいからなあ。
こんなのに座らせてもらっていいんですか。
今度、せめてそこでお茶でも飲んでみたい。

あとは、アバンギャルドのスピーカー。

これも、700万近い品らしい。
学生時代バイトしてたジャズ喫茶もアバンギャルドのスピーカーだったけど、めちゃめちゃいい音がする。
バイト先のは紫ピンクのメタリックで、横から見ると、もっとホーンがうねうねしていて、その名の通り、アバンギャルド(ちょっときもちわるい)なデザインだった。さぞ売れなかったんだろうなあ。

バイト先。

蔦屋のはモダンでオシャレな感じ。アバンギャルドは、最近はこういうデザインのもあるんだなあ。


蔦屋書店代官山は、蔵書は充実しているし、ゆっくり落ち着けるし、車を停めれるし、行ける人は、毎日行ってもいいんじゃないでしょうか。
代官山に住みたくなりました。

ひとつ残念なのは、外につくられた植栽が今いち、というか、へなへなで残念な感じだった~。
せっかくの空間だし、是非とも、今後は力を入れてほしい。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿