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建築を旅する

軽井沢 塩尻湖

2009-07-16 09:59:08 | Weblog
軽井沢旅行。途中、塩尻湖に寄る。



『軽井沢タリアセン』という、塩尻湖を囲む公園にファミリーでスポーツやバーベキューなんかも楽しめる施設の入口。
お目当ては、レーモンドの設計した『夏の家』
今は、ペイネ美術館として残っている。

タリアセンって、ライトのタリアセンと関係あるのかなと思ってホームページを見てみた。

《タリアセンてどんな意味?》
直訳すれば、ウェールズ語で「輝ける額」といういみです。もともの語源はケルト神話に由来し「知恵者」であり芸術をつかさどる妖精「タリエシン」から、といわれています。アメリカの建築家ライトは、自身の創作活動の拠点にその名をつけ、そこから独自のものづくりを成長させていきました。私たちもライトの考えに共鳴し、この地を自らの力で新しい文化・生産の拠点として発展させ行かなければという願いから、施設名を「軽井沢タリアセン」と名づけました。
(以上、軽井沢タリアセンホームページより)

やはり、レーモンドの施設があるからでしょう。

それにしても、タリアセン自体は非常に意味のある言葉なんだなあ、知らなかった。




判りずらいけれど、左端がバタフライ屋根。








アントニン・レーモンドの自伝などの著者であり、レーモンド事務所の所員だった、三沢 浩氏の講義を最近になって受けさせてもらっているのだけれど、その中で、夏の家も当然とりあげられていた。
有名な話として、ル・コルビジェの南米チリのエラズリス邸計画にそっくりで、アメリカの建築雑誌「アーキテクチュラル・レコード」を見たコルビジェから、『盗作』と、抗議が来たという話。
それはそうでしょう。
ただ、最後は和解したそう。
レーモンド自体は、かなり色んな建築を参考にしまくっているので、しょうがないとこかな。

それにして、バタフライ型の屋根が特徴で、実作として出来ているこれは、当時は衝撃的だったろうなあ。

コルビジェはコンクリートだったのだけど、これは、木造。
柱は、丈夫な栗材らしい。ちょっとうねっていて、なかなか良かった。
内部は非常に山小屋風だけれど、スロープや、テラスの光の入り方など、素敵であった。

因に、三沢先生の話によると、この夏の家をさらに参考にして、生まれた建築があるとか。
それは、あの有名な、『吉村順三の山荘』軽井沢の別荘!


古い写真を見ると、移築前は、コンクリートの土台の上に木造が建っている形をとっていた。
土地の状況から、そうなったのだけど、そのスタイルと、屋根の傾斜などを一部ピックアップして出来たのが、『山荘』らしい。

なるほど、偉大な建築家も刺激を受け合って、少しずつ受け継ぎ、変化しながら時代を作ってきたのだなと感慨深いものがある。






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