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建築を旅する

「カド、ウナギ、旗」

2005-07-20 09:22:49 | Weblog
アトリエ・ワンのアトリエ兼住居"ハウス&アトリエ・ワン"というのがブログにあるらしい。
早速見てみる。
まだ六月に始まったばかりで、なんとなく共有していける喜びがある。
ブログって、ホームページと違って、ある特定の物件なり、単体の事象なりを追いかけて行くには絶好の媒体かもしれない。
記録簿って日記みたいな所あるから、良いんだな。

さて、未だ始まったばかりなので数点の写真しか無いが、全体像が解る模型が載っている。
敷地は、思いっきり旗竿。
こういう敷地であるから、一般の常識からすると、条件悪い、使えない風なイメージがあって、中目黒付近にも関わらずお値ごろ価格だったようだ。
こういうので燃える感覚がチャレンジーで素敵。建築家冥利に尽きるのだろうな。
外部から窺えない敷地。
旗竿はもともと一つの大きな敷地を分けるときに、『「カド、ウナギ、旗」に分けるのが関東風といえる。』らしい。
関西は逆に、短冊に三等分するらしい。
そうだっけ。京都の町屋がそうだから、自然とそうなるのか。
多分、京間と関東間の違いのように、モジュール化したがるのが京都の伝統なんだろう。
「カド、ウナギ、旗」だと、微妙に条件ごとにモジュールが面倒になる。全部違うからモジュールらしくないし。

写真はうなぎの寝床たる京都の坪庭。

ともかく、こういう不利な敷地を巧く活かした計画を見て行くのは楽しい。
過去の物件で、積極的に旗竿をやる機会があり、『旗竿地ではいくつかの常識を、開き直りで越えて』いったのだと言う。
『細長い敷地形状をさらに細長く割る部屋割りと、隣の家の外壁を自分の家の内壁に見立てること』
『その手の開き直りはときにプロジェクトをスパイシーにしてくれる』
なるほど。
その他、自宅兼アトリエということで、空間と時間の使い分けを、「自宅」と「アトリエ」の共同生活のような捉え方をしていて解りやすい。やはりある意味、大きなワンルーム的な考え方を分けていくのが敷地の狭い日本に合っているのかもしれない。

http://www.tokyohouse.jp/hata/a_bw/concept.html

この計画は、阿部仁史氏と千葉学氏とワンとで、「カド、ウナギ、旗」に分けた物件らしい。
「東京ハウス」の東京の不動産の少し貧乏くさい(笑)区割りを積極的に楽しむ面白いプロジェクトだ。
デザインされているし、ニッチであるなあと思う。面白い。

また、じっくり見て行きたい。
http://habw.exblog.jp/