物部川ファンクラブ

森と海を結ぶ川、流域住民のくらしの中を流れる物部川を、みんなの力で元気にしたい!

奥ものべを楽しむ会 公文寛伸会長のスケッチコーナー9 遊山・森の音楽会

2010-05-17 | 町内会・住民・ボランティア団体・サークル
奥ものべを楽しむ会 公文寛伸会長のスケッチコーナー9 遊山・森の音楽会









塩の道・桜公園 黒見休憩所にて





奥ものべを楽しむ会 公文寛伸会長のスケッチコーナー

塩の道 に関する記事

奥ものべ を楽しむ会

まんぷく交流会(オフ会)実施しました・・・13 「アサギマダラの里IN秋葉山」の取組みNO.2

2010-05-12 | 町内会・住民・ボランティア団体・サークル
2010年4月24日(土)11時30分~高知工科大学食堂で、

奥ものべを楽しむ会」の人達が造る、美味しい地元料理でまんぷくになったお腹を抱えながら、
県下各地の"高知を元気にする"取り組みの交流を目的に、まんぷく交流会(オフ会)を実施しました。

「高知ファンクラブ」まんぷく交流会(オフ会) に関する記事

心を込めて料理を作っていただいた「奥ものべを楽しむ会」の皆さんや、朝早くからお手伝いに参加したスタッフの高知工科大学生に感謝の意を表しながら、第2部のコーナーに移動しました。

美味しい料理でまんぷくになった"オハラ"をかかえて、

地域の活性化を応援する活動のプレゼンテーションが、坂本耕平・「高知ファンクラブ」事務局長の司会で進められました。



「アサギマダラの里IN秋葉山」の取組み
事務局・山崎三郎さんが急に参加できず、同会理事の鈴木朝夫先生に急きょ報告していただきました。



画像の無い中で、アサギマダラの説明など苦労をされていましたが、香北町・秋葉山での取り組みなど、皆さんに理解が深まりました。



〇「アサギマダラの里in秋葉山」の取組みの 事務局長・山崎三郎さんから、とりまとめた解説文・図表をいただきました。

体調不良で参加できなかった山崎三郎さんより、当日持参して発表予定の解説文・図表をいただきましたので、ここで2回に分けてご紹介します。



ロマンに満ちた旅する蝶・アサギマダラの生態

アサギマダラは日本でも唯一長距離移動をするチョウの1種です。
春には南の島や暖かな地方の海岸沿いの生息地で羽化した成虫の多くが北上し、
本州で世代を繰り返し秋にはまた南の島へと旅立って行きます。

しかしその正確なルートやメカニズムについてはまだよく分かっていません。
そのことが多くの人達に限りないロマンをかきたてて離しません。

「アサギマダラの里in秋葉山」の会は昨年よりその解明と自然のすばらしさ、
いのちの大切さを主な活動として力をそそいでいます。(文責:山崎三郎)


アサギマダラの生活史










子供達と観察会や食草などの植え付けや育成活動





【アサギマダラの里in秋葉山」の会は前香北町長野島民雄氏を会長に、

同町岩改の農家の人達や県内の環境問題の専門家や学校の教師、

市民らを中心に平成21年4月に結成されたNGOの組織。

野市町や龍河洞から岩改にかけての秋葉山塊、香北町一帯の里山と公園などを

活動拠点として、子供たちにもよびかけてアサギマダラの生態と

自然環境の再生を考える活動を行っています。



まんぷく交流会(オフ会)実施しました・・・12 「アサギマダラの里IN秋葉山」の取組みNO.1



「アサギマダラの里IN秋葉山」の会 さんのページ

高知ファンクラブ」まんぷく交流会(オフ会) に関する記事

「高知ファンクラブ」運営事務局

まんぷく交流会(オフ会)実施しました・・・12 「アサギマダラの里IN秋葉山」の取組みNO.1

2010-05-11 | 町内会・住民・ボランティア団体・サークル
2010年4月24日(土)11時30分~高知工科大学食堂で、

奥ものべを楽しむ会」の人達が造る、美味しい地元料理でまんぷくになったお腹を抱えながら、
県下各地の"高知を元気にする"取り組みの交流を目的に、まんぷく交流会(オフ会)を実施しました。

「高知ファンクラブ」まんぷく交流会(オフ会) に関する記事

心を込めて料理を作っていただいた「奥ものべを楽しむ会」の皆さんや、朝早くからお手伝いに参加したスタッフの高知工科大学生に感謝の意を表しながら、第2部のコーナーに移動しました。

美味しい料理でまんぷくになった"オハラ"をかかえて、

地域の活性化を応援する活動のプレゼンテーションが、坂本耕平・「高知ファンクラブ」事務局長の司会で進められました。



「アサギマダラの里IN秋葉山」の取組み
事務局・山崎三郎さんが急に参加できず、同会理事の鈴木朝夫先生に急きょ報告していただきました。



画像の無い中で、アサギマダラの説明など苦労をされていましたが、香北町・秋葉山での取り組みなど、皆さんに理解が深まりました。



〇「アサギマダラの里in秋葉山」の取組みの 事務局長・山崎三郎さんから、とりまとめた解説文・図表をいただきました。

体調不良で参加できなかった山崎三郎さんより、当日持参して発表予定の解説文・図表をいただきましたので、ここで2回に分けてご紹介します。



ロマンに満ちた旅する蝶・アサギマダラの生態

アサギマダラは日本でも唯一長距離移動をするチョウの1種です。
春には南の島や暖かな地方の海岸沿いの生息地で羽化した成虫の多くが北上し、
本州で世代を繰り返し秋にはまた南の島へと旅立って行きます。

しかしその正確なルートやメカニズムについてはまだよく分かっていません。
そのことが多くの人達に限りないロマンをかきたてて離しません。

「アサギマダラの里in秋葉山」の会は昨年よりその解明と自然のすばらしさ、
いのちの大切さを主な活動として力をそそいでいます。(文責:山崎三郎)


アサギマダラの移動



 秋葉山から喜界島へ


香北町から石垣島へ



石川県白山から香北町へ

(附)アサギマダラの移動ルートや高知県内の観察地


まんぷく交流会(オフ会)実施しました・・・12 「アサギマダラの里IN秋葉山」の取組みNO.1



「アサギマダラの里IN秋葉山」の会 さんのページ

高知ファンクラブ」まんぷく交流会(オフ会) に関する記事

「高知ファンクラブ」運営事務局

三嶺の森をまもるみんなの会の活動内容と成果・・・その7

2009-04-08 | 町内会・住民・ボランティア団体・サークル
これまでの「みんなの会」の活動内容と成果
                      三嶺の森をまもるみんなの会 代表 依光良三

写真でみる「むしばまれる三嶺」



2002年のさおりが原(青木氏撮影) 林の中の地面も、生えているササも緑があふれる場所でした



2007年7月 地面には草が生えておらず、ササは葉をことごとく食われて、枯れた茎だけが茂る笹原になっていました。



▲さおりが原保護柵内でのモニタリング調査



4.活動の波及効果と新たな展開へ―行政を動かす力に (分割2)

カヤハゲ・韮生越の保護柵大幅増設計画へ

 先に触れたように植生保護柵の効果が絶大で、保護柵内では短期間に多様な種が旺盛に

成長したことから、四国森林管理局はカヤハゲ、韮生越を中心とした植生の再生をめざした

保護柵を設置する事となった。

そのきっかけは、みんなの会常石事務局長が四国森林管理局川上計画部長に同行して

現地視察を行ったことである。



 ササ原が枯れて裸地化しつつある中、わずか3ヶ月で植生が柵内一面に蘇った事実は、

行政の認識を一段と高め、これを契機に四国森林管理局は林野庁と調整の上、保護柵資材の

予算措置を行った。

その結果、14カ所程度の新たな保護柵資材の確保とヘリコプターによる資材運び上げが

可能になった。

資材のカヤハゲ等へのヘリ運搬は08年11月20日に実施し、みんなの会からは

3名がボランティア協力を行った。
 この保護柵設置作業は、09年4月11日から5月にかけて、四国森林管理局とみんなの会の

協働によって実施する計画となっている。

一般の方々も多く参加していただきたいと願っています。


「協議会」ないしは「連絡調整会議」の必要性

 本格的で実効性の上がる対策は行政に委ねられることはいうまでもなく、

ボランティアができることは実体的に極めてわずかなものにすぎない。


しかし、私たち「みんなの会」の内発的運動は、普及啓発・世論形成によって

一定程度行政を動かしてきたことも事実であろう。

このような活動がない地域と比べるとその差は認められよう。


 次に、目指すのは「連絡会」、「連絡調整会議」、あるいは「協議会」への展開である。

行政はややもすれば縦割りで、バラバラに調査や対策がなされたりする。

関わるのは、林野庁、環境省、(流域保全・国土保全という観点からは国交省)、県であるが、

それぞれが情報を共有し、役割分担を行いながら効率的な調査や対策を進めることが、

少ない予算の効率化につなげられよう。


そして、意識の高いNGO、NPOが企画・計画段階から参画することによって

一層実効性が上がる対策につながる、等の理由からである。

(08年6月のみんなの会主催の「報告会」は林野庁、環境省、そしてみんなの会の調査を持ち寄って

報告・議論したものであるが、それによる情報の共有は大いに意義があった。)


 みんなの会のような民間ボランティア団体と行政が協働(パートナーシップ)のもとに、

対策を進めることは、今日、環境問題の解決の手法としてまさに求められていることであろう。

現場をよく知り、ことの重要性を認識している関わりを持つもの(ステイクホルダー)の参加こそが

大事なことである。


そういう観点から行政を含む何らかの組織化が必要な段階に至っている。

この点に関しては、目下、みんなの会と関係行政機関(林野庁、環境省、高知県、香美市等)とで

話し合いを継続中である。 2009年01月30日掲載


三嶺の森をまもるみんなの会のホームページより分割転載


三嶺の森をまもるみんなの会のホームページより

今、県下最大の貴重な自然林、「三嶺」の森は、シカの食害によって、傷つき痛んでいます。特に、稜線部の笹と樹木の7割までが被害に遭い、枯死する樹木も増加の一途をたどっています。このまま放置しておけば、貴重な自然植生がますます失われるばかりではなく、山林崩壊、土砂流出等の危険性が高まります。
 そこで、危機感を抱き、保護と再生を目指すNGO、NPOが結集して、2007年8月に「三嶺の森をまもるみんなの会」を設立しました。県民のみなさまにこの問題をできるだけ広く知っていただくために、行政とも協力して、シンポジウムや樹木へのネット巻き等を行い、少しでもこの大切な自然を守りたいと活動しています。



※ 防護柵の設置作業(2009年4月11日)ボランティア募集



三嶺の森をまもるみんなの会 代表 依光良三  さんの記事

三嶺の森をまもるみんなの会の活動内容と成果・・・その5

2009-03-20 | 町内会・住民・ボランティア団体・サークル
これまでの「みんなの会」の活動内容と成果
                      三嶺の森をまもるみんなの会 代表 依光良三


3.シンポジウムと報告会―普及啓発と情報の公開・共有 (分割2)

どう守る危機に立つ三嶺の森(2)―深刻化する物部川源流のシカ食害(09.1.25)

 昨年とほぼ同様の趣旨のもと、さらに深刻化する三嶺および剣山の自然林やササ食害の実態、植生保護柵による希少種の再生、そして土砂流出、濁水問題の物部川への影響等の実態を報告し、引き続き、梶光一農工大学教授に講演をしていただいた。

報告 三嶺・剣山山域におけるシカ被害の実態と流域 三嶺の森をまもるみんなの会                  

 (メンバー・所属団体)
シカ食害の概況と物部川中下流域に及ぼす影響 依光良三(物部川21世紀の森と水の会)
三嶺周辺におけるニホンジカの影響調査-樹皮剥ぎの状況- 坂本彰(三嶺を守る会)
剣山山域のシカ食害の現状―ほっとけないニホンジカによる環境破壊― 内田忠宏(徳島・三嶺の自然を守る会)
ニホンジカによる林床植生の食害と植生保護柵の効果 石川慎吾(高知大グループ)



講演 増えすぎたニホンジカの指標と対策                梶 光一(東京農工大学教授・専門「野生動物管理学」

 講演の後、依光の司会の下、質疑・討論が行われた。質問としては、ウラジロモミ等の針葉樹の被害が多い理由、シカの推定頭数に関するモノ、三嶺の鳥獣保護区での管理捕獲(個体数調整)にかかわって、科学的調査に基づく生息状況等のデータ、市民に周知してもらうための合意形成・民主的手続き、オオカミの導入、駆除したシカの行方と流通・商品化、ラス巻きの効果等であった。


 また、ササ枯れについては、梶先生の講演データから、生息密度が高まると桿高が矮小化するという説明がなされ、キロ平方メートルあたり80頭~100頭を超える高密度になればササは枯れるという資料が示された。

そして、一旦シカは増え出すと飽和状態まで進行するので、早め早めに適切な頭数に減らす対策が必要だと、梶先生は強調され、高齢の猟師がいなくなる5年以内に頭数管理の実施の重要性を強調された。




写真でみる「むしばまれる三嶺」



(伊藤氏撮影)




剥皮され枯れるナナカマド(白髪山登山口駐車場南)



三嶺の森をまもるみんなの会のホームページより分割転載



三嶺の森をまもるみんなの会のホームページより

今、県下最大の貴重な自然林、「三嶺」の森は、シカの食害によって、傷つき痛んでいます。特に、稜線部の笹と樹木の7割までが被害に遭い、枯死する樹木も増加の一途をたどっています。このまま放置しておけば、貴重な自然植生がますます失われるばかりではなく、山林崩壊、土砂流出等の危険性が高まります。
 そこで、危機感を抱き、保護と再生を目指すNGO、NPOが結集して、2007年8月に「三嶺の森をまもるみんなの会」を設立しました。県民のみなさまにこの問題をできるだけ広く知っていただくために、行政とも協力して、シンポジウムや樹木へのネット巻き等を行い、少しでもこの大切な自然を守りたいと活動しています。



三嶺の森をまもるみんなの会 代表 依光良三  さんの記事

三嶺の森をまもるみんなの会の活動内容と成果・・・その4

2009-03-13 | 町内会・住民・ボランティア団体・サークル
これまでの「みんなの会」の活動内容と成果
                      三嶺の森をまもるみんなの会 代表 依光良三



3.シンポジウムと報告会―普及啓発と情報の公開・共有 (分割1)

どう守る危機に立つ三嶺の森―深刻化するニホンジカ食害(08.1.19)


 短期間に急激に進行する自然林のシカ食害、県民の宝、流域の源「三嶺の森」の

危機を多くの人びとに知ってもらおうと、普及啓発のために計画したのがこのシンポジウムであり、

そして、これを契機に対策のあり方を探ろうとするものでもあった。

三嶺の森が所在している地元香美市において約150人の方々の参加のもとに開催した。


 内容はみんなの会メンバー4人と門脇香美市長を加えた現状の「報告」5点、そして、神奈川県の

丹沢でシカ問題に直面し、対策を行ってきた先行事例に関する「講演」が行われ、引き続き活発な

質疑討論が行われた。

 報告1 金城芳典 「四国東部におけるニホンジカの動態」
 報告2 門脇槇夫 「拡大する被害 香美市の農林業被害から自然林被害へ」
 報告3 公文 照 「急速に進む被害の実態(1)―長年の経験から
 報告4 坂本 彰 「急速に進む被害の実態(2)―調査を通じて」
 報告5 依光良三 「林床の砂漠化と土砂流出問題―危機に陥った物部川の生態環境」
 講演  永田幸志 「丹沢山系のニホンジカ問題と保護管理計画」



蝕まれる三嶺の森と山々―三嶺・剣山地区シカ被害状況公開報告会(08.6.29)


 2007年に林野庁と環境省は、それぞれシカ食害に関する調査の実施を開始した。

われわれ「みんなの会」もグループ単位で調査を行っており、それぞれの調査内容を持ち寄って

共通認識を深めようと、みんなの会が主催者となって呼びかけて、林野庁四国森林管理局、

環境省中国四国地方環境事務所、そして高知県が共催するという形で四国森林管理局において

110名の参加のもと報告会を実施した。


 報告内容は次の4つであった。


 報告1 四国森林管理局
      「緑の回廊剣山(三嶺)地区におけるニホンジカ被害の実態」
 報告2 環境省中国四国地方環境事務所
      「国指定剣山山系鳥獣保護区(三嶺地区)におけるシカの樹皮食い等の実態」 
 報告3 坂本 彰(みんなの会・三嶺を守る会)
      「三嶺周辺のササ植生の変化」
 報告4 石川慎吾(みんなの会・高知大グループ)
      「植生保護柵設置による希少植物種保護・再生効果」



報告会の様子 ▲


 報告会の後、活発な質疑討論が行われた。

全体的には、

(1)さおりが原での糞粒調査の結果、

シカ生息密度がキロ平方メートル当たり約80頭と異常に高かったこと、

(2)2006年からスズタケの衰退が顕著に進行したこと、

(3)三嶺から石立山にかけての稜線部でミヤマクマザサの枯死が目立ち、とくにカヤハゲ、韮生越、中東山等で顕著であり、

これらの稜線部では同時に樹木皮剥ぎ被害も深刻であったこと、

(4)樹種別ではリョウブ、ヒメシャラ、シオジ、ウラジロモミ、キハダ、

コハウチワカエデ、モミ、マユミ等が被害を多く受けていること、

(5)さおりが原の希少種保護を目的とした植生保護柵内では

マネキグサとムカゴツヅリが出現し、保護柵の効果が高いことが

確認されたこと、などが共通認識としてえられた。






三嶺の森をまもるみんなの会のホームページより分割転載



三嶺の森をまもるみんなの会のホームページより

今、県下最大の貴重な自然林、「三嶺」の森は、シカの食害によって、傷つき痛んでいます。特に、稜線部の笹と樹木の7割までが被害に遭い、枯死する樹木も増加の一途をたどっています。このまま放置しておけば、貴重な自然植生がますます失われるばかりではなく、山林崩壊、土砂流出等の危険性が高まります。
 そこで、危機感を抱き、保護と再生を目指すNGO、NPOが結集して、2007年8月に「三嶺の森をまもるみんなの会」を設立しました。県民のみなさまにこの問題をできるだけ広く知っていただくために、行政とも協力して、シンポジウムや樹木へのネット巻き等を行い、少しでもこの大切な自然を守りたいと活動しています。



三嶺の森をまもるみんなの会 代表 依光良三  さんの記事

三嶺の森をまもるみんなの会の活動内容と成果・・・その2

2009-03-03 | 町内会・住民・ボランティア団体・サークル
これまでの「みんなの会」の活動内容と成果
                      三嶺の森をまもるみんなの会 代表 依光良三

1. 植生保護柵の設置と成果
植生保護柵の設置は、当初、希少種や三嶺を代表する植生を何とか保護しなければ壊滅してしまうという現状認識のもと、緊急避難的ではあるが、残っている種を保護していこうとなった。みんなの会の定例会において高知県の環境共生課で財源措置がとれることがわかり、2008年3~4月に高知中部森林管理署の協力のもと「みんなの会」ボランティアによってさおりが原とカンカケ谷に計6カ所の 保護柵の設置が行われた(県は08年度 にも6カ所に設置しつつある)。



▲防護柵設置前のササ枯れの状況



▲みんなの会ボランティアによる設置作業

それに引き続き、四国森林管理局も保護柵設置のための資材を調達し、設置場所を協議のもと、さおりが原からカヤハゲに至る稜線のウラジロモミ群落と、カヤハゲのササ原及び韮生越にみんなの会ボランティアが設置した(設置後の植生が蘇った状況は、速報(ネットを張ってこれだけ効果が出ました!)を参照されたい)。


保護柵内で蘇った植生とモニタリング活動
 さおりが原、カンカケ谷に設置した希少種を守るための保護柵では、5月からほぼ月1回のペースで「みんなの会・高知大グループ」によってモニタリング調査が始まった。

 さおりが原では、次頁写真に見られるようにシカ食害以前にあっては下層植生が生い茂り、絶滅危惧種であるムカゴツヅリやマネキグサ等の草花が夏には花を咲かせ、大木とあいまって自然林の幽玄さを醸し出していた。ところが、2005年頃から被害が始まり、07年にはまったく植生の無い(春から初夏にかけてはシカの嫌いなバイケイソウが茂るが、)林床砂漠の様相を呈する。モニタリングを開始した5月には、保護柵内では、30種を超える植物の芽生えが見られ、柵外との差は歴然であった。



▲林床に緑が茂る2002年のさおりが原(photo by aoki)



▲林床砂漠と化したさおりが原(07年設置前)


5月に柵外でマネキグサの芽生えが確認されたが、6月にはシカに食べられたとみえ、以降まったく見られなくなった。
 なお、詳しいモニタリング結果は「報告編」の 渡津・石川(高知大グループ)の報告を参照されたい。



▲さおりが原保護柵内でのモニタリング調査


さおりが原~カヤハゲ・韮生越の異常なシカ生息密度の中で
 なお、さおりが原はシカ生息密度が最も高く、昨年度の四国森林管理局の調査によると、修正しない場合1キロ平方メートル当たり200頭超、糞虫条件からの修正値でも約80頭と非常に高い値を示した。これは、自然林での適正生息頭数5頭からすれば異常としか言いようがない数字である。比較的傾斜が緩くシカの生息環境に適しているからであろう。



▲カヤハゲで目撃されたシカ(photo by osioka)


 2007年9月と11月にさおりが原を訪れたとき、いきなりシカの親子と出会った。辺りは糞だらけ、異臭が漂い、そして林床植生が失われ砂漠状態になっているのにも驚いた。見た目には清冽な水も大腸菌が多くて飲める状態ではない。樹齢260年のトチの巨木の周辺やそこから右手裏側の奥に分け入ってもササ枯れの荒涼とした風景が続いていた。

 ところが、2008年春以降さおりが原のシカ密度は大幅に減少したと思われる。辺り一面にあったシカの糞が、ところどころにしか見られなくなったからである。一部のササを残してほとんどの林床植物を食べ尽くした結果、食料難に見舞われ、中には餓死したと思われる亡骸も見つかったほどで、多くのシカは別の場所に移動したのであろう。

 それでも、ササや木の芽、草花等の植物はそれなりの芽生えがあるので、常に巡回しながら食べて生きられる程度のシカ(カモシカも)が生息している。カヤハゲ辺りも同じであるが、目撃数は最も多く、今年の夏一度に10頭くらいのシカが分散してエサをあさっていたという。このことは、保護柵内での植生回復と柵外での植生喪失という状況を説明していよう。

(次回に続く)

三嶺の森をまもるみんなの会のホームページより分割転載



三嶺の森をまもるみんなの会のホームページより

今、県下最大の貴重な自然林、「三嶺」の森は、シカの食害によって、傷つき痛んでいます。特に、稜線部の笹と樹木の7割までが被害に遭い、枯死する樹木も増加の一途をたどっています。このまま放置しておけば、貴重な自然植生がますます失われるばかりではなく、山林崩壊、土砂流出等の危険性が高まります。
 そこで、危機感を抱き、保護と再生を目指すNGO、NPOが結集して、2007年8月に「三嶺の森をまもるみんなの会」を設立しました。県民のみなさまにこの問題をできるだけ広く知っていただくために、行政とも協力して、シンポジウムや樹木へのネット巻き等を行い、少しでもこの大切な自然を守りたいと活動しています。



三嶺の森をまもるみんなの会 代表 依光良三  さんの記事

三嶺の森をまもるみんなの会 代表 依光良三  さんの記事

2009-03-02 | 町内会・住民・ボランティア団体・サークル
三嶺の森をまもるみんなの会 代表 依光良三  さんの記事

三嶺の森をまもるみんなの会の活動内容と成果・・・その7
三嶺の森をまもるみんなの会の活動内容と成果・・・その6
三嶺の森をまもるみんなの会の活動内容と成果・・・その5
三嶺の森をまもるみんなの会の活動内容と成果・・・その4
三嶺の森をまもるみんなの会の活動内容と成果・・・その3
三嶺の森をまもるみんなの会の活動内容と成果・・・その2
三嶺の森をまもるみんなの会の活動内容と成果・・・その1


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