物部川ファンクラブ

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三嶺の森をまもるみんなの会の活動内容と成果・・・その7

2009-04-08 | 町内会・住民・ボランティア団体・サークル
これまでの「みんなの会」の活動内容と成果
                      三嶺の森をまもるみんなの会 代表 依光良三

写真でみる「むしばまれる三嶺」



2002年のさおりが原(青木氏撮影) 林の中の地面も、生えているササも緑があふれる場所でした



2007年7月 地面には草が生えておらず、ササは葉をことごとく食われて、枯れた茎だけが茂る笹原になっていました。



▲さおりが原保護柵内でのモニタリング調査



4.活動の波及効果と新たな展開へ―行政を動かす力に (分割2)

カヤハゲ・韮生越の保護柵大幅増設計画へ

 先に触れたように植生保護柵の効果が絶大で、保護柵内では短期間に多様な種が旺盛に

成長したことから、四国森林管理局はカヤハゲ、韮生越を中心とした植生の再生をめざした

保護柵を設置する事となった。

そのきっかけは、みんなの会常石事務局長が四国森林管理局川上計画部長に同行して

現地視察を行ったことである。



 ササ原が枯れて裸地化しつつある中、わずか3ヶ月で植生が柵内一面に蘇った事実は、

行政の認識を一段と高め、これを契機に四国森林管理局は林野庁と調整の上、保護柵資材の

予算措置を行った。

その結果、14カ所程度の新たな保護柵資材の確保とヘリコプターによる資材運び上げが

可能になった。

資材のカヤハゲ等へのヘリ運搬は08年11月20日に実施し、みんなの会からは

3名がボランティア協力を行った。
 この保護柵設置作業は、09年4月11日から5月にかけて、四国森林管理局とみんなの会の

協働によって実施する計画となっている。

一般の方々も多く参加していただきたいと願っています。


「協議会」ないしは「連絡調整会議」の必要性

 本格的で実効性の上がる対策は行政に委ねられることはいうまでもなく、

ボランティアができることは実体的に極めてわずかなものにすぎない。


しかし、私たち「みんなの会」の内発的運動は、普及啓発・世論形成によって

一定程度行政を動かしてきたことも事実であろう。

このような活動がない地域と比べるとその差は認められよう。


 次に、目指すのは「連絡会」、「連絡調整会議」、あるいは「協議会」への展開である。

行政はややもすれば縦割りで、バラバラに調査や対策がなされたりする。

関わるのは、林野庁、環境省、(流域保全・国土保全という観点からは国交省)、県であるが、

それぞれが情報を共有し、役割分担を行いながら効率的な調査や対策を進めることが、

少ない予算の効率化につなげられよう。


そして、意識の高いNGO、NPOが企画・計画段階から参画することによって

一層実効性が上がる対策につながる、等の理由からである。

(08年6月のみんなの会主催の「報告会」は林野庁、環境省、そしてみんなの会の調査を持ち寄って

報告・議論したものであるが、それによる情報の共有は大いに意義があった。)


 みんなの会のような民間ボランティア団体と行政が協働(パートナーシップ)のもとに、

対策を進めることは、今日、環境問題の解決の手法としてまさに求められていることであろう。

現場をよく知り、ことの重要性を認識している関わりを持つもの(ステイクホルダー)の参加こそが

大事なことである。


そういう観点から行政を含む何らかの組織化が必要な段階に至っている。

この点に関しては、目下、みんなの会と関係行政機関(林野庁、環境省、高知県、香美市等)とで

話し合いを継続中である。 2009年01月30日掲載


三嶺の森をまもるみんなの会のホームページより分割転載


三嶺の森をまもるみんなの会のホームページより

今、県下最大の貴重な自然林、「三嶺」の森は、シカの食害によって、傷つき痛んでいます。特に、稜線部の笹と樹木の7割までが被害に遭い、枯死する樹木も増加の一途をたどっています。このまま放置しておけば、貴重な自然植生がますます失われるばかりではなく、山林崩壊、土砂流出等の危険性が高まります。
 そこで、危機感を抱き、保護と再生を目指すNGO、NPOが結集して、2007年8月に「三嶺の森をまもるみんなの会」を設立しました。県民のみなさまにこの問題をできるだけ広く知っていただくために、行政とも協力して、シンポジウムや樹木へのネット巻き等を行い、少しでもこの大切な自然を守りたいと活動しています。



※ 防護柵の設置作業(2009年4月11日)ボランティア募集



三嶺の森をまもるみんなの会 代表 依光良三  さんの記事