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萌える戦艦(MOE-SEN)

2013年06月08日 | ★★★☆☆
『萌える戦艦(MOE-SEN) 』
ポストメディア編集部 (編)


一迅社 (発行)
A5判、ソフトカバー、186ページ
2007/08/01発行
ISBN-13 978-4-7580-1078-8
NDC分類: 556.91

定価 :1,890円(税込み)


 内容(「BOOK」データベースより)
大艦巨萌主義!戦艦コスプレ娘たちの祭典だ。

 内容(下記出版社の公式ページより)
世に「萌え」本は数多くあれど、やはり男心をくすぐるのはミリタリーとの組み合わせ。そこで一迅社からお送りするのは「美少女」と「戦艦」を融合させた新機軸たる『萌える戦艦』。どのあたりが融合かというと、なんと可愛い女の子たちが世界各国の戦艦のコスプレをしてしまうのです!


(プロローグ) p.03
目次 p.08
第1章 日本の戦艦 p.09
日本戦艦 概説 p.10
 金剛(Kongou) p.12
 比叡(Hiei) p.14
 榛名(Haruna) p.16
(中略)
 武蔵(Musashi) p.34
コラム ワシントン軍縮会議 p.36
第2章 アメリカの戦艦 p.37
(章頭マンガ) p.38
アメリカ戦艦 概説 p.40
 ニューヨーク級 p.42
 ネバダ級 p.44
 ペンシルベニア級 p.46
(中略)
 アイオワ級 p.62
コラム 連装砲塔 p.66
第3章 イギリスの戦艦 p.67
(章頭マンガ) p.68
イギリス戦艦 概説 p.70
 クィーン・エリザベス級 p.72
コラム 大砲の口径について p.77
 ロイヤル・サブリン級 p.78
コラム 舵取りについて p.83
(中略)
 フッド p.94
 ヴァンガード p.95
コラム 1ノット=?km/h p.96
第4章 ドイツの戦艦 p.97
(章頭マンガ) p.98
ドイツ戦艦 概説 p.100
 ドイッチュラント級 p.102
コラム 装甲鋼について p.105
 シャルンホルスト級 p.106
 ビスマルク級 p.108
コラム 艦内の様子 p.110
第5章 イタリアの戦艦 p.111
イタリア戦艦 概説 p.112
 コンテ・デ・カブール級 p.114
コラム 旧日本海軍の艦内食 p.117
(中略)
 リットリオ級 p.120
コラム 幻の艦隊計画 p.124
第6章 フランスの戦艦 p.125
(章頭マンガ) p.126
フランス戦艦 概説 p.128
 クールベ級 p.130
 ブルターニュ級 p.134
(中略)
 リシュリュー級 p.138
戦艦探訪 -記念館「三笠」 -尾道の1/10大和 p.141/142
第7章 その他の戦艦 p.143
(章頭マンガ) p.144
ロシア戦艦 概説 p.146
その他の戦艦 概説 p.147
 マラート級(ロシア/ソビエト連邦) p.148
 ミナス・ジェライス級(ブラジル) p.152
 リバダビア(アルゼンチン) p.154
(中略)
 ヤウズ・スルタン・セリム(トルコ) p.158
コラム 最強の戦艦とは? p.160
第8章 戦艦の模型 p.161
「戦艦大和を作る」を作ってみよう! P.162
 戦艦大和を集めよう&作ろう p.180
(エピローグ) p.182
奥付け p.186


萌え本分類:解説書型。
ナビゲーター:三笠女学院高等部の模型同好会所属の女学生3名(大和いずみ、安中はるな、長門ゆう)、顧問の三笠よう子先生。先生の伯父(?)である三笠理事長。

カバー表紙:タイトルは縦・横書き混合。タイトルの字色は黒縁つきの緑、黄色、白黒の縁つき赤、黒。無地の背景に戦艦コスプレしたナビゲーターたちの集合イラスト。
中表紙:コスプレ製作中のナビゲーターのイラストにメインタイトルを配する。
折込ポスター:なし。
本文:縦書き、三段組み。
構成・設定:  巻頭から9頁まではカラー、以後はモノクロ印刷。 ある日突然、部室からの立ち退きを迫られた三笠女学院模型部の部員3名は部室確保の実績を作るため、顧問の先生のアイデアで「軍艦コスプレ世界大会」に出場し優勝を目指すことに。秋葉原で開催された大会当日、部員たちが世界中から集まった各国代表の戦艦コスプレを眺めつつ、よう子先生の戦艦ウンチクに耳を傾ける、というストーリーがメイン。巻頭から各章のコミック部分、本文の解説、エピローグまでこのストーリー構成で一貫している。
最終章、コラムを除く本文全体は全てナビゲーター5名のアイコンつき会話体で、登場戦艦の解説を行うスタイルで進行する。
第一章の日本戦艦は「金剛」から「武蔵」まで建造順に12隻、二章以降は各国について主要クラスごともしくは単艦ごとに一項をあて、米英独伊仏露ほか計11か国の27級+6艦を解説。章頭は1~2頁の戦艦史概説(+発達チャート)、以後の各項は1~4頁構成で、最初の1頁は艦名と側面図、一段分の解説。2頁目以降は三段の解説もしくは二段分の戦艦コスプレイラストと残り一段の解説文または囲み記事で構成され、艦名の由来、建造設計の意図と性能、主な戦績から最後までをコスプレへの突っ込みなどギャグも交えて解説。
全14回のコラムは各1頁で、「戦艦の構造や機能」「旧日本海軍の戦艦よもやま話」などを掲載。
 最終章は、ディアゴスティーニ社より05年09月から07年06月に発売されていた週刊分冊形式の、『戦艦大和を作る』の1/250大和製作記事と、その他の大和模型の紹介記事である。
索引、参考文献、イラストレーター紹介などは附属しない。


評価:
萌え絵度:  イラストレーターの総数は7名。カバーイラストはナビゲーター担当のこしがやたつみさんが描く。第1~第7章まで国別の戦艦コスプレを7名で分担しているのは個性がはっきりしてよいものの、萌え絵の水準、コスプレの水準ともかなりばらつきが大きく書籍としての統一感はあまりない。.
テーマ萌え度: 20世紀初頭から第二次世界大戦終了時までの列強戦艦の歴史を平易に解説。顧問の先生による部員への薀蓄話の態で進行するので表現自体はきゃっきゃうふふな状態であるが、その内容はかなり本格的である。章頭マンガと本文のつながりも良好。ただしエピローグの終わり方はかなり投げ出しっぽくて頂けない。
萌え本的意義:
一迅社の発行としてはおそらく初の萌え本で、続刊は『オンナノコになりたい! 』(07/08)、『 同- コスプレ編 』(08/04)と続く。
類書としては、旧日本海軍の解説書『はつ恋連合艦隊 』(イカロス出版刊、07/05)があげられるくらい。軍艦の擬人化イラスト自体はメカ娘系列の萌え系、完全擬人化&BL方面の腐女子系とも一定の需要があるジャンルなのだが、成書に至る例は意外とみられない。
コミックのストーリーをメインとした構成はかなり高水準。それに比べてイラストの方は「戦艦のコスプレ大会」というコンセプトがメインメンバー以外に充分浸透しておらず、純粋なコスプレ風からどうみても実現不可能な純粋メカ擬人化までごちゃまぜ。スペックの反映もほぼ皆無とみるべきものは少ない。あと、戦艦の事典としてはかなり貴重な艦艇もふくまれているので、できれば側面図だけでなく平面図も附属して欲しかった(側面図だけでは、砲塔配置の特徴や連装砲門数がわかりにくいので)。


総合萌え度 :★★★☆☆


紹介ブログ記事:
アキバBlog  2007年07月07日づけ記事、
美少女と戦艦を融合 戦艦コスプレ本「萌える戦艦」発売
http://www.akibablog.net/archives/2007/07/moe-battleship-070707.html
「 イカロス出版の萌えよシリーズの後追いみたいだけど、一迅社から萌える戦艦【AA】が6日に発売になった。日本・アメリカ・イギリス・ドイツなどの第2次世界大戦の戦艦を解説する本。『美少女と戦艦を融合』だそうで、戦艦のイラストと一緒に戦艦コスプレのイラストを掲載、オビでは『巨艦巨萌主義!戦艦コスプレたちの祭典だ!』を謳っていた。 」
 内容見本6頁分、イラストレーター一覧を掲載。


k-takahashi’s 雑記  2007年07月22日づけ記事、
萌える戦艦
http://d.hatena.ne.jp/k-takahashi/20070722/1185114978
「 ロシアや南米三国(ブラジル、アルゼンチン、チリ)まで含んでいるところは面白い。ただ、文章はまともなものの、イラストはわりとどうでもいいかんじ。各国の特徴の違いをデフォルメして女の子のイラストにするのであれば、なにがしか基準が見える必要がある(この際、「主砲の口径」=「バストサイズ」とか、「全幅」=「ウェスト」とか「速力」=「脚の長さ」とかの安直なものでよい。超弩級/ポストジュットランド/条約型/無条約とかの時代の流れをコスチュームの種類に託してもよい。)のだが、どうもそういうのは分からなかった。
 記述は用兵思想、開発思想、背景からの制限などにも触れたもので短いながらも悪くない。 」
と、要を得た指摘が。


メインイラストレーター、こしがやたつみさんの公式サイト:
電脳こしがや新聞
http://www31.ocn.ne.jp/~kosigaya/
トップページ に本書の記載あり。

PIXIV  2009年12月6日の更新
例の三人娘
「 表紙に使われたイラストの原版です。初めての事で右も左もわからず色々とご迷惑お掛けしましたが、よい経験になりました・・・(滝汗 」
 カバーイラスト(見開き版)を転載。

一迅社紹介ページ
「 戦艦の基礎知識や、思わず「へえ」と言ってしまうような豆知識までを掲載。初心者から「ちょっと俺はうるさいぜ」という方まで納得の一冊になっています。気になるイラスト陣は、こしがやたつみ、松田大秀、黒鷲、浜島重雄、R-Ex、水兵きき、速水螺旋人、と豪華な顔ぶれ。男なら戦艦、男なら美少女。 」


Amazon.co.jp         の紹介頁
honto(旧bk1)         の紹介頁
楽天ブックス         の紹介頁
セブンネットショッピング   の紹介頁
紀伊国屋書店        の紹介頁


付記:
Amazonの発売日は07月06日、公式サイト上の発売日は同月10日。
サブタイトルの「MOE-SEN」は、公式を含めたほとんどの上記サイトでは記載されていない。


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