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彗星探査機“ロゼッタ”がガス噴出と地すべりを観測

2016年09月12日 | 彗星探査 ロゼッタ/フィラエ
ヨーロッパ宇宙機関が2004年に打ち上げた彗星探査機“ロゼッタ”。

2014年には搭載してていた着陸機“フィラエ”が、
チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星に着陸するなどの活躍をしているんですねー
2月19日に噴出活動があったチュリュモフ・ゲラシメンコ彗星。
“ロゼッタ”のオシリス広角カメラで撮影。

今回は“ロゼッタ”が新たに観測したのは、彗星で発生したガス噴出と地すべりでした。

太陽を周回していたチュリュモフ・ゲラシメンコ彗星は、
2015年8月には太陽に最も近づく近日点を通過しています。

それによって彗星が熱せられ、今回のガス噴出につながったようです。

報告によると今年の2月19日、
チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星のアトゥムという場所で噴出活動が始まります。
噴出活動があったアトゥム

この活動をとらえたのが、彗星の35キロ上空を飛行していた“ロゼッタ”の搭載機器、
ガス/プラズマ検査偏光子や粒子感知器でした。

ガス噴出の途中には粒子感知器が多数の粒子の放出をとらえ、
またガスやプラズマの増加、そしてガス自身の30度ほどの加熱も観測されていました。

さらに、この噴出は彗星内部というよりも、彗星の氷が熱せられたことでガスになり、
それが地すべりを発生させたものと見られています。
彗星探査機“ロゼッタ”
赤字は活動をとらえた観測機器。

このように彗星探査で様々な活躍してきた“ロゼッタ”ですが、
今月(9月)末にはミッションの終了が予定されています。

さらに彗星に降り立った“フィラエ”も交信が断念され、実質的に活動を終了…

10年を超える航海を続け、
チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星の観測と、史上初の着陸をやってのけた“ロゼッタ”と“フィラエ”。
ご苦労様でした。

 
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