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ブラックホールの連星が誕生するかも… あまりに近すぎる連星を発見!

2015年11月04日 | 宇宙 space
“大マゼラン雲”に存在する“タランチュラ星雲”にある連星“VFTS 352”。

この若い連星を観測したところ、
互いの表面が接触していることが分かったんですねー

最終的には1つの巨大な星になるか、ブラックホール連星になるかもしれないそうです。


珍しい連星系

天の川銀河から16万光年彼方の矮小銀河“大マゼラン雲”には、
“タランチュラ星雲”という巨大な散光星雲(星形成領域)があります。

その中に位置する連星系“VFTS 352”では、
2つの高温で明るい大質量星が、互いの周りをたった1日ほどで回っています。

2つの星は中心同士が1200万キロ離れているのですが、
その表面は接近しているので、つながっているんですねー
過剰接触連星“VFTS 352”(イメージ図)

“VFTS 352”の質量は合計で太陽の57倍もあり、表面温度は摂氏4万度。

恒星間の距離が近すぎて表面が接触し、
外層を共有する連星のことを“過剰接触連星”といい、
“VFTS 352”は“過剰接触連星”の中でも記録的なものになります。

こうした連星系では、小さい星が大きい星の物質を吸い取りますが、
“VFTS 352”は両方の星の質量がほぼ同じ。

なので、そのような現象は起こらず、
2つの星を構成している物質の30パーセントが共有されているようです。

このような連星系は短命なので、観測されることは非常に珍しいんですねー


今後どうなるか

“VFTS 352”が今後たどる運命については、2つの可能性が考えられます。

1つは、星が合体して高速で自転する巨大な星になること。

高速で自転し続けた場合、
ガンマ線バーストという宇宙で最もエネルギーの大きな爆発を起こし、
一生を終えることになります。

もう1つは、2つの星がよく混ざり合っうことで星は合体せず、
典型的な進化パターンをたどらない場合。

2つの星は超新星爆発を起こして一生を終え、
接近したブラックホール連星になるかもしれません。

その場合、強力な重力波源となるそうですよ。


こちらの記事もどうぞ ⇒ X線新星 “はくちょう座V404星”のブラックホール連星がアウトバースト


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