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土星の自転周期は? 環はいつ作られたの? 探査機“カッシーニ”の最終ミッションから分かってきたこと

2019年01月28日 | 土星の探査
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土星探査機“カッシーニ”の最後のミッションから得られたデータが役に立ったようです。

そのデータから分かってきたのは、環は土星本体よりもずっと後になってから形成されたということ。
さらに、土星の正確な自転周期も環の観測データから判明しているんですねー


発見は“カッシーニ”最後のミッションのおかげ

NASAの土星探査機“カッシーニ”は、2017年9月に土星大気に突入してミッションを終えました。
でも、13年以上に及んだ探査で得られたデータの解析は、現在も続けられているんですねー
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土星の環の面を通過するNASAの土星探査機“カッシーニ”(イメージ図)。
今回の研究を進めたのはイタリアにあるローマ・サピエンツァ大学の研究チーム。
土星の環の質量が小さければ環の年齢は若いという過去の研究をもとに、土星本体の質量と環の質量を割り出しています。

研究チームは、“カッシーニ”と1980年代初めに土星を探査した“ボイジャー”がそれぞれ取得したデータを用いて、これまでより高い精度で環の質量を見積もり、そこから環の年齢をより正確に推測。
その結果、土星の環は今から1000万年前から1億年前までの間に形成されたことが分かります。

土星本体が形成されたのは他の惑星と同じく約45億年前。
なので、環は本体よりもずっと後になってから形成された若い構造という可能性が示されたことになります。
このことは、土星の環のもとになっているのは、土星に近づいてバラバラになった彗星や、破壊された氷衛星であるという理論を支持する結果でした。

今回の発見につながるデータが得られたのは、“カッシーニ”が最後のミッション“グランドフィナーレ”で、土星のすぐ近くを通り本体と環の間を何度も通り抜けるという探査を行ったおかげでした。
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土星大気に突入する“カッシーニ”
また、土星の赤道付近の大気の自転速度が、最外層から深さ約9000キロ(半径の15%ほど)のところで中心核の自転と同期していること。
つまり、中心よりも高速で自転する大気が、比較的深いところから存在していることも分かってきます。
さらに、核の質量が地球の15~18倍ということも分かりました。


ガス惑星の自転周期を測る方法

一方、環の観測ついて発表されたのは、土星の自転周期に関する研究成果でした。

カリフォルニア大学サンタクルーズ校の研究チームが明らかにしたのは、土星の自転周期が10時間33分38秒であること。

“ボイジャー”の観測データからは10時間39分23秒、“カッシーニ”の観測データからは10時間36分から10時間48分と見積もられていたので、それよりも数分早い結果でした。

土星はガス惑星なので、表面の地形を参照して自転周期を測ることはできません。

木星のように自転軸と磁場の軸がズレていれば、磁場の軸の動きで発生する周期的な信号を測定して自転を調べることができます。
でも、土星の磁場の軸は自転軸とほぼ一致しているんですねー なので、この方も使えません。

そこで、利用されたのが土星の環です。
土星本体の内部の振動の影響が、地震計のように環に現れるので、環の観測から土星内部の動きと自転周期を調べることが可能になりました。

こうしたアイデアが提案されたのは1982年のこと。
“カッシーニ”最期のミッション“グランドフィナーレ”によって、ようやく実現したというわけです。


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