土星の環にある氷の粒子が、土星本体へ雨のように降り注いでいることを知ってます?
土星の環はほとんどが氷でできているので、氷の粒子が降り続ければ、いずれ環は無くなってしまうんですねー
しかも、かなりの勢いで土星本体に降り注いでいるので、環の寿命は1億年もないんだとか…
さらに土星は、形成された後に環を構成する物質を獲得し、環の年齢は1億年未満だと考えられます。
そう、40億年以上にも及ぶ土星の歴史の中で環が存在している期間は2億年も無いことになります。
私たちが思い浮かべる環を持つ土星はレアな姿で、その姿を見ることができたのは幸運なことなのかもしれませんね。
土星には降り注ぐ氷の粒子
土星本体には、環から氷の粒子が雨のように降り注いでいます。
これは探査機“ボイジャー2号”が1981年に撮影した画像に見られた現象で、北半球の中緯度域の成層圏内に存在する3本の暗い縞模様がきっかけになって明らかになりました。
そこで、NASAゴダード宇宙飛行センターの研究チームは1986年の研究論文で、この模様と土星の強力な磁場との関係を発表。
その内容は、環の中で帯電した氷の粒子が磁力線に沿って土星の環から土星本体に移動し、成層圏の靄を流し、その部分が反射光では暗く見えている、というものでした。
3億年で土星の環は消えてしまう?
土星の環はほとんどが氷でできていて、その粒の大きさは肉眼では見えないチリほどのサイズから、数メートルの岩塊ほどまであります。
土星本体から受ける重力と、環が回転することによる遠心力とが釣り合っているので、氷の粒は環に留まっていられます。
でも、太陽の紫外線の影響によって氷の粒が帯電すると、バランスが崩れて、氷は磁場に沿って土星本体へと降っていくことになります。
NASAゴダード宇宙センターの研究チームは、2011年に行ったハワイのケック望遠鏡による赤外線波長での観測から、H3+イオンが土星の南北の両半球で帯状に輝いている様子を観測。
そのデータの分析から明らかになったのが、環から降る雨の量が、30年以上前に“ボイジャー”の探査データから計算された驚くほど大きな値とよく一致することでした。
環から降る雨の量は、30分でオリンピックのプールを一杯にできるほどの勢いで土星本体に降り注いでいたんですねー
これだけ量があると、環全体は3億年で消えてしまうことになります。
土星の赤道域にも氷の粒は降り注いでいる
実はこの現象は、NASAの土星探査機“カッシーニ”による観測でも発見されていました。
ただ、環の物質が降り注いでいたのは土星本体の両半球ではなく赤道域でした。
そう、この現象を加えると降り注ぐ量は増えるので、土星の環はもっと早く消えてしまうことに… 1億年未満で土星の象徴が無くなってしまうそうです。
40億年以上にも及ぶ土星の歴史と比べると、ずっと短い時間での出来事になるんですねー
土星本体と環は一緒に形成されたのか、本体形成後に環を構成する物質を土星が獲得したのかは、はっきりと分かっていません。
でも、今回の研究結果は後者のシナリオを支持していて、環の年齢は1億年未満だと考えられます。
ちょうど土星の環は寿命の中頃にあり、環を持つ土星の姿を見ることができた私たちは幸運なのかもしれません。
研究チームは、南半球のさらに高緯度にも光を放つ帯を発見しています。
このことが意味しているのは、間欠泉が存在する土星の衛星エンケラドスからの水蒸気や氷の粒の一部も、磁場に沿って土星本体に降り注いでいるということ。
土星が29.4年の周期で太陽を公転する間に、環への太陽光の当たり方が変化すると、環から降る雨の量にも変化あるはずです。
今後、研究チームでは、季節ごとの雨の降り方の違いを明らかにしていくそうですよ。
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カッシーニがとらえた、土星のもっとも内側の環
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そう、40億年以上にも及ぶ土星の歴史の中で環が存在している期間は2億年も無いことになります。
私たちが思い浮かべる環を持つ土星はレアな姿で、その姿を見ることができたのは幸運なことなのかもしれませんね。
土星には降り注ぐ氷の粒子
土星本体には、環から氷の粒子が雨のように降り注いでいます。
これは探査機“ボイジャー2号”が1981年に撮影した画像に見られた現象で、北半球の中緯度域の成層圏内に存在する3本の暗い縞模様がきっかけになって明らかになりました。
そこで、NASAゴダード宇宙飛行センターの研究チームは1986年の研究論文で、この模様と土星の強力な磁場との関係を発表。
その内容は、環の中で帯電した氷の粒子が磁力線に沿って土星の環から土星本体に移動し、成層圏の靄を流し、その部分が反射光では暗く見えている、というものでした。
3億年で土星の環は消えてしまう?
土星の環はほとんどが氷でできていて、その粒の大きさは肉眼では見えないチリほどのサイズから、数メートルの岩塊ほどまであります。
土星本体から受ける重力と、環が回転することによる遠心力とが釣り合っているので、氷の粒は環に留まっていられます。
でも、太陽の紫外線の影響によって氷の粒が帯電すると、バランスが崩れて、氷は磁場に沿って土星本体へと降っていくことになります。
NASAゴダード宇宙センターの研究チームは、2011年に行ったハワイのケック望遠鏡による赤外線波長での観測から、H3+イオンが土星の南北の両半球で帯状に輝いている様子を観測。
そのデータの分析から明らかになったのが、環から降る雨の量が、30年以上前に“ボイジャー”の探査データから計算された驚くほど大きな値とよく一致することでした。
環から降る雨の量は、30分でオリンピックのプールを一杯にできるほどの勢いで土星本体に降り注いでいたんですねー
これだけ量があると、環全体は3億年で消えてしまうことになります。
土星の赤道域にも氷の粒は降り注いでいる
実はこの現象は、NASAの土星探査機“カッシーニ”による観測でも発見されていました。
ただ、環の物質が降り注いでいたのは土星本体の両半球ではなく赤道域でした。
そう、この現象を加えると降り注ぐ量は増えるので、土星の環はもっと早く消えてしまうことに… 1億年未満で土星の象徴が無くなってしまうそうです。
40億年以上にも及ぶ土星の歴史と比べると、ずっと短い時間での出来事になるんですねー
土星の環が内側から外側の順に消えていく様子。 |
でも、今回の研究結果は後者のシナリオを支持していて、環の年齢は1億年未満だと考えられます。
ちょうど土星の環は寿命の中頃にあり、環を持つ土星の姿を見ることができた私たちは幸運なのかもしれません。
研究チームは、南半球のさらに高緯度にも光を放つ帯を発見しています。
このことが意味しているのは、間欠泉が存在する土星の衛星エンケラドスからの水蒸気や氷の粒の一部も、磁場に沿って土星本体に降り注いでいるということ。
土星が29.4年の周期で太陽を公転する間に、環への太陽光の当たり方が変化すると、環から降る雨の量にも変化あるはずです。
今後、研究チームでは、季節ごとの雨の降り方の違いを明らかにしていくそうですよ。
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