京都大学などの研究グループが、“極高エネルギー宇宙線”を新開発の宇宙望遠鏡で観測することに成功したんですねー
“極高エネルギー宇宙線”は世界最大の粒子加速器で到達するエネルギーより7桁も大きいもの。
なので、宇宙のどこかに爆発的なエネルギーを生み出す発生源があるはずです。
今後さらに広い範囲で定常観測し、その発生源を突き止めるそうです。
宇宙空間で最大のエネルギーを持つ宇宙線
莫大なエネルギー(10の20乗電子ボルト)を有する“極高エネルギー宇宙線”の存在が明らかになりました。
この宇宙線のエネルギーは、世界最大の粒子加速器で到達するエネルギーより7桁も大きいもの。
なので、爆発的なエネルギーを生み出す発生源が、宇宙のどこかにあると考えられているんですねー
また、“極高エネルギー宇宙線”は宇宙磁場の中をほぼ直進し、その到来方向が発生源を示すことから、極限宇宙を見るための次世代の天文学として注目されています。
宇宙線の発生源を特定する
これまで“極高エネルギー宇宙線”の定常観測は、アメリカの“テレスコープアレイ実験”とアルゼンチンの“ピエールオージェ観測所”で10年以上にわたって続けられてきました。
でも、発生源についての決定的な証拠は得られていません。
それは、“極高エネルギー宇宙線”がとても低い頻度でしか到来しないから… 琵琶湖の面積当たり1年間で約1個という頻度なんですねー
宇宙空間に存在する放射線は宇宙線と呼ばれ、1秒間に手のひらに約1個という頻度で地上に到来している。
発生源を突き止めるために、さらに観測範囲を広げるという方法もあります。
ただ、単に現在の手法で観測範囲を拡張することは、予算や管理の面から難しく、新しい観測手法の確立が求められていました。
そこで、京都大学白眉センター/大学院理学研究科の研究グループが考えたのは、新たな宇宙線望遠鏡の開発でした。
新型望遠鏡に採用されたのは、“極高エネルギー宇宙線”の観測に特化した低コストの設計。
そして、直径1.6メートルという小型の集光部と4本の直径20センチの光電子倍増感からなり、遠隔操作による自動観測が可能な望遠鏡が開発されます。
これにより、低コストで管理しやすい観測手法を確立しています。
この新型望遠鏡は“テレスコープアレイ実験”に3基設置され、研究グループは“極高エネルギー宇宙線”の観測に成功することになります。
さらに、研究グループでは“ピエールオージェ観測所”に設置した同型の望遠鏡1基でも観測を開始。
これは、同一の望遠鏡を南北半球の異なる場所に置くことで、2地点での測定結果を検証することを可能にするためでした。
新型望遠鏡は、稼働中の宇宙線観測装置の測定結果を検証するためにも使用される。
今後研究グループが目指すのは、新型宇宙望遠鏡を20キロ間隔で複数の場所に設置し、これまでより一桁大きい範囲での定常観測の実現。
“極高エネルギー宇宙線”の1年あたりの検出数を、これまでの10倍にまで増やすそうです。
爆発的なエネルギー“極高エネルギー宇宙線”の発生源を突き止められるか。
新型宇宙望遠鏡の活躍を期待して待ちましょう。
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なので、宇宙のどこかに爆発的なエネルギーを生み出す発生源があるはずです。
今後さらに広い範囲で定常観測し、その発生源を突き止めるそうです。
宇宙空間で最大のエネルギーを持つ宇宙線
莫大なエネルギー(10の20乗電子ボルト)を有する“極高エネルギー宇宙線”の存在が明らかになりました。
この宇宙線のエネルギーは、世界最大の粒子加速器で到達するエネルギーより7桁も大きいもの。
なので、爆発的なエネルギーを生み出す発生源が、宇宙のどこかにあると考えられているんですねー
また、“極高エネルギー宇宙線”は宇宙磁場の中をほぼ直進し、その到来方向が発生源を示すことから、極限宇宙を見るための次世代の天文学として注目されています。
“極高エネルギー宇宙線”が地球に到来するイメージ。背景にある天体は活動銀河核やスターバースト銀河、強磁場星といった発生源の候補天体。(Credit:Ryuunosuke Takeshige and Toshihiro Fujii (Kyoto University)) |
宇宙線の発生源を特定する
これまで“極高エネルギー宇宙線”の定常観測は、アメリカの“テレスコープアレイ実験”とアルゼンチンの“ピエールオージェ観測所”で10年以上にわたって続けられてきました。
でも、発生源についての決定的な証拠は得られていません。
それは、“極高エネルギー宇宙線”がとても低い頻度でしか到来しないから… 琵琶湖の面積当たり1年間で約1個という頻度なんですねー
宇宙空間に存在する放射線は宇宙線と呼ばれ、1秒間に手のひらに約1個という頻度で地上に到来している。
発生源を突き止めるために、さらに観測範囲を広げるという方法もあります。
ただ、単に現在の手法で観測範囲を拡張することは、予算や管理の面から難しく、新しい観測手法の確立が求められていました。
そこで、京都大学白眉センター/大学院理学研究科の研究グループが考えたのは、新たな宇宙線望遠鏡の開発でした。
新型望遠鏡に採用されたのは、“極高エネルギー宇宙線”の観測に特化した低コストの設計。
そして、直径1.6メートルという小型の集光部と4本の直径20センチの光電子倍増感からなり、遠隔操作による自動観測が可能な望遠鏡が開発されます。
これにより、低コストで管理しやすい観測手法を確立しています。
この新型望遠鏡は“テレスコープアレイ実験”に3基設置され、研究グループは“極高エネルギー宇宙線”の観測に成功することになります。
アメリカ・ユタ州の“テレスコープアレイ実験”に設置された3基の新型宇宙望遠鏡。(Credit:Ryuunosuke Takeshige and Toshihiro Fujii (Kyoto University)) |
これは、同一の望遠鏡を南北半球の異なる場所に置くことで、2地点での測定結果を検証することを可能にするためでした。
新型望遠鏡は、稼働中の宇宙線観測装置の測定結果を検証するためにも使用される。
今後研究グループが目指すのは、新型宇宙望遠鏡を20キロ間隔で複数の場所に設置し、これまでより一桁大きい範囲での定常観測の実現。
“極高エネルギー宇宙線”の1年あたりの検出数を、これまでの10倍にまで増やすそうです。
爆発的なエネルギー“極高エネルギー宇宙線”の発生源を突き止められるか。
新型宇宙望遠鏡の活躍を期待して待ちましょう。
将来的な極高エネルギー宇宙線観測のイメージ。(Credit:Ryuunosuke Takeshige and Toshihiro Fujii (Kyoto University)) |
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