宇宙のはなしと、ときどきツーリング

モバライダー mobarider

なぜ、矮小楕円銀河が独立して存在するのか?

2015年01月02日 | 銀河・銀河団
私たちの太陽系がある天の川銀河は、
アンドロメダ座大銀河ほか、大小50以上の銀河が集まる“局部銀河群”に属しています。

今回、ハッブル宇宙望遠鏡による観測で、
この“局部銀河群”に属する銀河“Kks 3”を新たに発見しました。
ハッブル宇宙望遠鏡でとらえた矮小楕円銀河“Kks 3”のネガ画像。

“Kks 3”は、南天の“みずへび座”の方向700万光年彼方にあり、
天の川銀河の1万分の1ほどの質量しかない矮小楕円銀河。

矮小楕円銀河は、ガスやチリなどの材料がないので、
新たな星が生まれることなく、暗く年老いた星ばかりが集まっている銀河なんですねー

そのほとんどは、小さな銀河からガスとチリを奪ってしまうような、
大きな銀河のそばにあります。

でも、この“Kks 3”は珍しく独立した存在で、
局部銀河群内で発見されたのは、“KKR 25”に続いてたったの2例目になります。

これら少数派の銀河は、爆発的に星を生み出し、
早々に材料を使い果たしてしまったと考えられています。

ハッブル宇宙望遠鏡をおってしても、
“Kks 3”のような天体を見つけ出すのは、骨が折れる作業なんだとか。

でも辛抱強く見つけていくことで、
少しずつ天の川銀河の周辺のようすが明らかにな、
意外にも多くの天体が存在することが分かってきているんですねー

ひょっとすると、まだ見つかっていない矮小楕円銀河が、うじゃうじゃ存在しているかも…
もし、そうなれば宇宙の進化についての従来の理解を大きく変える可能性もあるようですよ。