家庭でできる断食健康法に取り組んでみませんか:世界糖尿病デーによせて
(最新更新 2018.6.10)
小生の断食経験は10回もないのですが、全て1日断食です。
これじゃ断食とは言えない、ミニ断食だ、とおっしゃるかもしれませんが、それでも46時間(日頃1日1食につき、前日の夕食から翌日の夕食まで)にわたって食を断つ(かつ、前日・翌日の夕食は動物性食品抜きで腹五分)のですから、ちゃんと断食したと自己満足しています。
小生の断食方法を紹介する前に、1日1食(毎日がミニ断食)について説明します。
店頭に立つようになった20年近く前から1日3食を順次改めていきました。
まずは朝食を抜く。それもいきなりではなく、半減半減更に半減と減らしていきました。
切っ掛けは、遅い夕食につき朝は食欲が湧いてこないということと、毎日仕事にぼわれて食事に時間を取られるのが惜しいというもの。
また、当時は「朝食を抜くと体に悪い」という常識に縛られていて、少しは食べなきゃ、という思いがあり、ほんの少し口にするだけになっても、その状態が何年か続きました。そして、朝食抜き1日2食健康法に出会い、直ぐに朝食抜きにしたのですが、しかし、水(のち白湯)で梅干を1個食べるということは今でもやっています。
これじゃ、朝食抜きとは言えないじゃないか、というご批判も受けましょう。
でも、これは鎌倉時代に始まったことですが、武士は出陣に当たって食事は抜きにし、梅干だけを食べたということです。出陣すれば汗をかくから先に塩分を補給しておく必要があるのと、梅干の酸っぱさ(クエン酸)がエネルギー回路を円滑に回してくれますから力が出るのです。これは武士の生活の知恵として生まれたものでしょう。(参考までに、当時は日本人皆、朝食抜きの1日2食でした。)
よって、梅干だけを食べることは、食事には該当しないと解釈しています。
小生が朝食抜きにしたものですから、女房も朝食を作らなくて済み大いに助かるからと、朝食抜きに付き合ってくれました。
次に昼食ですが、当時当店には昼休みを利用してサラリーマンがけっこう来店されていましたから、11時半頃から13時頃までは昼食を取ることができません。昼食を取るのは13時半以降となります。また、それ以降も来店客はけっこうありますから、身軽に動き回るには昼食は軽く済ますしかないです。そして、毎月のセールともなると午後もひっきりなしにお客様がいらっしゃいますから、昼食は15時過ぎということも度々でした。でも、空腹感はなく、遅めの昼食を軽く取るだけで済ませることができました。
朝食抜き、昼食を軽く、という食生活に馴染んだ頃、1日1食健康法に出会いました。
じゃあ、軽い昼食も止めて夕食だけにすればいいじゃないか、ということになり、女房と相談して昼食も抜くということにしました。でも、いきなりは体を壊すかもしれないと思い、半減また半減と減らしていき、何か月もしないうちに昼食なしとしました。
1日1食で夕刻に空腹感が出るかというと、これが全く出ないのです。
小生の場合、これは、どうやら1日3食時代に克服されたと思われます。
店頭に立った20年前、遅めの昼食でも19時過ぎともなると、やたらと空腹感が出てきます。同業者の場合、ここで軽く夕食を取る方もみえましたが、女房は取らないものですから、ここは我慢するしかない。当時、店は20時閉店、残務整理をして夕食は20時半頃となります。この2時間弱の空腹感との戦いのなかで、皮下脂肪や内臓脂肪をエネルギーに変換する機能がスムーズに働くようになったのでしょう。
店頭に立って3か月もしないうちに夕刻の空腹感が和らいできたと記憶しています。
ですから、1日3食から1日2食へ、更に1日1食へと、少しずつ歩を進めていく間にあっても、空腹感を覚えるということは全くなしに達成できてしまいました。
これに要した期間は数年かかったかと思いますが、今から思えば、何となく1日1食になってしまっていたという思いが強いです。
体重は小生も女房も数キロ減りましたし、何と言っても体がよく動き、頭も冴え、昼間眠くなることがない、という非常に健康な体になりました。
そして、仕事が食事で中断させられることがないですから、効率がものすごく良くなります。朝起きてから直ぐに、あるいはお昼前から2、3時間連続して行う仕事にスムーズに着手でき、やり遂げることができます。
また、これはまれなことですが、閉店後に引き続き2、3時間仕事をしなきゃいけない、という場合にあっても空腹感が生じないため、仕事を仕上げてから遅めの夕食を軽く取って風呂に入って寝る、ということも難なくできてしまいます。
このように、いいことづくめの1日1食ですが、一つだけ問題があります。
まれの残業日は別ですが、普段は、“食べ出したらどうにも止まらない”のです。
今やグルメ時代。夕食だけの生活だから、毎日晩酌しながら豪華にいこう、デザート・フルーツも欲しい(これは朝食の代わりだ)、頂き物の菓子も後で食べよう(これはおやつの代わりだ)、畑で取れたサツマイモもあるし(これは昼食の代わりだ)、…ということになってしまい、毎晩苦しいほどに食べてしまいます。
空腹感が全くなくても、こうした“口の卑しさ”は、1日1食になってから明らかに高まってしまいました。“腹が減った”ということと“口の卑しさ”とは全く別物なのです。
幸い、胃腸は今のところ夫婦ともまずまず健康ですが、いずれや暴飲暴食のたたりが来て体を壊すかもしれません。それが気がかりではあります。
1日1食生活に慣れてから、1日断食に夫婦で挑戦しました。10年近く前のことです。
普段の生活を続けながら、だいたい10日置きに連続して6、7回やってみました。
その効果は残念ながら特になかったのですが、これは、1日1食だけでもミニ断食と言えますから、その期間が少々長くなっただけで、それ以上の効果を期待するのは無理があったのでしょう。もっとも、最後には2人とも体重は2、3キロ減りましたが。
夫婦で行った1日断食のやり方は、冒頭で述べましたが、前日・翌日の夕食は動物性食品抜きで腹五分に止め、当日は絶食というものです。ただし、梅干は1個食べ、好きなコーヒーはブラックで薄いものを3、4回飲み、あとは水なり緑茶としました。
前日・翌日を半減食にし、動物性食品抜きにしたのは、断食を行う場合は漸減食、漸増食にしないと胃腸を壊す危険性が非常に高いと物の本に書かれていたからです。
特に漸増食は必須とのことで、翌々日も腹いっぱい食べるのは止めました。
胃腸、特に胃は急激な変化には対応できないとのことです。
小生が行なった1日断食での体調の変化を紹介しましょう。1日1食ですから、断食当日は何ら変化はなく、翌日の朝から夕食までのことを記します。
・倦怠感があって力が出ず、畑仕事(ビッチュウでの起こし)をすると息があがる。
(誰しも断食時はこうなるようです。)
・安静時の脈拍が60弱であったものが、70強となる。
(これは物の本にも書いてないです。小生特有か?)
・普段は毎朝便通があったのに、丸一日便意が生じない。
(これも物の本にも書いてないです。小生特有か?)
・第1回目に皮膚に小さな赤い斑点があちこちに出た。
(これはけっこうあるようです。毒素が出ている証拠とのこと。)
・2、3回目までは皮膚の弱い所がかゆくなった。
(皮膚アレルギーのある方は必ずと言ってよいほど症状がひどくなるとのこと。)
この中で倦怠感には参りましたので、後半の2、3回は「すまし汁」(詳細は後述。小生のやり方は変則)を午前中に飲むことにしました。昆布とシイタケで出汁を取って醤油を適量入れたものを200ml程度飲んだだけですが、これだけで随分と楽に過ごすことができました。そして、脈拍も70を切りました。
その後、3年前に小生だけ1日断食(「すまし汁」は飲まず)をしましたが、結果は以前に行ったときと同じようなことで、断食日は夕食が食べられないですから、空腹感はないものの、どんどん高まってくる“口の卑しさ”を紛らすために、眠くなるまで店で一人仕事に没頭せざるを得ませんでした。
以上が、小生が取り組んだ1日断食の概要です。
さて、たいていの方は1日3食取っておられ、そうした方が1日断食をどのように行ったらいいか、それを説明しましょう。
本断食(水しか飲まない)は、たとえ1日であっても勝手にやるのはお止めください。
思わぬトラブルが発生することが多いようです。倦怠感に止まらず、動悸、頭痛、胃痛、アレルギー症状など何が起きるか分かりません。たいていは、普段気付かない悪い所が思わぬ炎症を起こしたりするようです。
小生がお勧めする「1日断食法」は次のとおりです。なお、基本は甲田光雄監修「家庭でできる断食健康法」(創元社 1985年)を元にし、私の経験を交えました。
<前々日>
暴飲暴食を避けること。宴会などがあった場合は日延べすること。
翌日からの3日間は仕事が忙しくならないことを確認しておくこと。
<前日>
3食とも半量にし、よく噛んで食べ、動物性食品は極力避けること。おやつはダメ。
胃は食事量の激変に対応できず、炎症を起こす恐れがあるからです。
翌日の断食に胃が順応できるよう、少食にせねばなりません。
※空腹感がひどくて眠れないようでしたら、断食は中止した方が無難です。
<当日>
朝から水分補給に心がけます。冬期は白湯がいいでしょう。夏期は冷たい水は避け、常温の水とします。お茶であってもかまいません。なお、いずれもチビチビ飲みます。
塩分は補給せねばいけませんから、朝、梅干しを食べると良いでしょう。
昼と晩に「すまし汁」(作り方は後述)をゆっくり飲みます。
※体に大きな変調をきたしたら断食を中止し、翌日のメニューに飛びます。
<翌日>
朝食:おかゆを軽く、ゆっくり食べます。梅干しを添えると良いです。
昼食:普段の半量とし、ゆっくりよく噛んで食べ、動物性食品は極力避けること。
夕食:普段の半量とし、ゆっくりよく噛んで食べ、動物性食品は極力避けること。
この日が最も肝腎で、完全に休息している胃のアイドリング運転の日と考えてください。当然におやつは厳禁です。なお、水分補給に努めてください。
※前日以上に体に変調をきたすことがありますが、このメニューに従ってください。
なお、胃が受け付けないようでしたら、おかゆに梅干し程度にし、食べられるだけに止めてください。白湯で水分補給をしながら、日にちを掛けて通常食に戻します。
<翌々日>
まだ胃はフルパワーを発揮できませんので、通常食にしてかまわないものの、動物性食品など胃に負担が掛かる物は少なめにし、何もかもよく噛んで食べます。
この日は、断食を終えたという解放感と“口の卑しさ”から、苦しいほどに食べてしまう傾向が大です。そして、胃腸を壊し、何のための断食だったか分からなくなります。
翌々日であっても“今日は断食の最終日、腹八分”でいく、と強い信念でもって食事してください。なお、おやつは解禁してよいですが、少量に止めることです。
くれぐれも、“断食したんだから、今日は食ってやる”などとは考えないでください。
断食当日に飲む「すまし汁」の作り方は次のとおりです。
3合の水に、昆布10グラム、乾燥シイタケ10グラムを入れ、沸騰させる。
昆布とシイタケを取り除く。
汁の中に、醤油30~40グラム、黒砂糖30グラムを入れて完成。
これを冷めないうちに昼に飲む。
晩も同様にして作り、飲む。
この「すまし汁」は1日合計200キロカロリーになり、これでは断食にならないと思われるでしょうが、普段のカロリー摂取量の1割程度と少なく、十分に断食効果は出るとのことです。何より断食中の倦怠感を解消してくれ、普段の仕事がこなせます。
醤油を随分使い、塩分を9~13グラムと多くするのは脱水症状に陥るのを防ぐためのものです。人によってはむくみが出ますが、3、4日で引くそうです。ただし、腎臓が悪い方はむくみがひどくなり、この断食法は避けた方が良いとのことです。
なお、高血圧の元だからといって塩分は極力控えよと言われていますが、これは間違った栄養学でして、この程度の塩分量は全く問題ないです。
黒砂糖を30グラム入れると、かなり甘いようですが、これによって筋肉が痩せるのを防ぎ、脂肪だけを燃焼させる効果が期待できるとのことです。
(備考:小生がやった変則「すまし汁断食」は、1日1食生活に慣れていますから、このレシピに従わず、水、昆布、シイタケは半量以下、しょう油は適量、黒砂糖なしで、1日1回だけにしましたが、それでも倦怠感は随分と軽くなりました。でも、普段1日3食の方は、この真似をしないでください。)
さて、この1日断食に成功したら、機会を捉えて何度もくり返されると良いでしょう。
回数を重ねるに連れ、少しずつ健康体を取り戻していくことができましょう。
併せて、この機会に「朝食抜きの1日2食」にされると、より健康になります。
また、この1日断食に慣れたら、次の段階として「すまし汁断食」を2日連続なさるのも良いと思います。この場合、断食明けの漸増食に特に留意なさってください。翌々日は腹八分にするのは当然ですが、その翌日も腹八分にせねばなりません。
3日以上の断食となると、他に注意せねばならない問題が多々出てきますから、先に紹介した本を取り寄せるなどして下調べをし、慎重に行ってください。
いずれにしても、断食明けに湧いてくる“口の卑しさ”は尋常なものではなく、自分は意志が固いと思っている人ほど“食べ出したらどうにも止まらない”となってしまう傾向にあるようですから、複数日の断食を実行する際は慎重の上に慎重になさってください。
ここまで書いてしまうと、小生もまだ挑戦したことがない「すまし汁2日断食」を実体験せねばなりませんね。11月14日は世界糖尿病デーです。その日の前後に日頃の食べ過ぎを戒め、健康を祈念してやってみることにしますか。
(4日後に追記)
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でも、ここ1、2年、本数が減りました。
今年65歳となり、ついに衰えが来たのか、あるいはストレスが減ったのか、何とも言えませんが…
風間様の長寿を祈念します。