雅工房 作品集

長編小説を中心に、中短編小説・コラムなどを発表しています。

下襲は

2014-05-11 11:00:27 | 『枕草子』 清少納言さまからの贈り物
          枕草子 第二百六十六段  下襲は

下襲(シタガサネ)は、
冬は、躑躅、桜、掻練襲、蘇枋襲。
夏は、二藍、白襲。


下襲は、
冬は、つつじ、さくら、かいねりがさね、すおうがさね。
夏は、ふたあゐ、しらがさね。



下襲とは、束帯の時に袍の下に着た着物で、背後の裾を長くして袍の下に出して引いたまま歩き、または人に持たせたもので、絵やドラマなどで見る機会があると思います。
いくつかの色合いが並べられていますが、これらは、少納言さまが「良い」とされるものでしょうから、実際には沢山の色やその組み合わせ、生地や織り方や文様など、実に様々なものがあったのでしょうね。
参考までにそれぞれの色合いの説明をさせていただきます。

躑躅は、表は糊張りし貝で磨いて艶出しした白絹・裏は砧で打って艶出しした紅の絹。
桜は、表は白・裏は葡萄染(エビゾメ・ぶどうの実のような色。薄紫色)
掻練襲は、表は紅の絹で打って艶出ししたもの・裏は紅の絹で糊張りなどで艶出ししたもの。
蘇枋襲は、表は白・裏は蘇枋(暗赤色)。
二藍は、紅色がかった青色。
白襲は、表裏とも艶出しした白絹。

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