雅工房 作品集

長編小説を中心に、中短編小説・コラムなどを発表しています。

人も技術も成長する ・ 小さな小さな物語 ( 1798 )

2024-08-31 08:23:38 | 小さな小さな物語 第三十部

今年のお盆期間は、自然の猛威に襲われた地域が多かったように思われます。
会社などにお勤めの方も、今年は9連休だったという人も少なくないようで、お正月休みやゴールデンウィークよりも長期の連続休暇になった人がおいでのようです。
ただ、真夏の9日間となれば、猛暑や集中豪雨に遭うことは覚悟しなければなりませんが、今年は、同じ猛暑でも一段階レベルが上だったような気がしますし、台風は、関東から東北方面へ二つも襲来するといった珍しいパターンでした。その上地震も加わって、帰省や旅行の日程に影響を受けた人もいらっしゃることでしょう。
もちろんこの期間は、先祖供養のような行事をなさった人もおいででしょうし、戦争にまつわる様々な影響をなお背負っている人もいらっしゃることでしょう。
そして、そうした事々も一区切りを終えて、今日からは日常を取り戻すことになります。

地震といえば、8月8日に発生した日向灘を震源とするM7.1の地震は、震源地が南海トラフ巨大地震の想定震源域内であったことから、「臨時情報(巨大地震注意)」が初めて発表されました。幸い大事に至らずに済みましたが、「よかった、よかった」で済ませて良いのかどうか、考えておく必要があるような気がします。
今回の発表に当たっては、おそらく、専門家の英知と、数多くのデーター、細心の科学力、長期にわたる観測やデーターなどが勘案された上でのことなのでしょうが、個人的には、あまり信憑性を感じませんでした。
理由としては、わが国でこの五十年ばかりの間に発生した大地震は、いずれも一月前位に予知されたという例がないこと、専門家とされる人の中でも、火山性を除いては直近に発生する地震を予知することは現在の科学力では困難だと主張されている人がいること、今でも、ナマズなどの動向を観察して地震予知を研究している人がいるらしいこと、などを耳にしているからです。
そうとは言え、いつの日にか、せめて巨大地震だけでも数週間前に予知できるようになるためには、長い長い研究が必要なことは確かでしょう。ただ、その過程で生れる風評被害には、しっかりとした補償体制が必要だと思うのです。
今回の臨時情報でも、それによって被害を受けた業者などへは、然るべき保証が必要だと思うのです。当然、考慮されていることでしょうが・・・。

このお盆休みの間に、ある落語を聞く機会がありました。録画していたもので、最近故人になられた方のものですが、話芸の凄さを改めて感じさせていただきました。
そのお方は、若い時からテレビのバラエティーなどで活躍していて、関西ではとても著名な方ですが、本格的な落語が出来るとは思っていませんでした。そのお方が、かなり晩年になってから拝見する機会があり、得意としている人情物でしたが、涙をこぼすほどの感動を受けました。
若い頃から、かなりヤンチャな芸人さんだと思っていただけに、「歳月はこれほど人を成長させるのだ」と、感動とうらやましさを感じたのを思い出しました。

ノーベル賞を受賞した人の談話などでもよく見受けることですが、人は苦労し失敗を重ねて成長し、様々な研究も気が遠くなるような時間を必要とするのは、本当のことのようです。
折から、自民党の総裁選挙が行われようとしています。すでに名乗りを上げている人や下馬評に挙がっている人もかなりの数になってきています。
「総裁が代わったところで、自民党がどれだけ代わるのか」という意見も根強いようです。しかし、少なくとも後しばらくは、私たちは現与党政権にこの国の舵取りを任せなくてはならないわけです。
「過ちを犯し、失敗を重ね、それによって人や技術は成長していく」という原理があるとすれば、自民党にもその原理が当てはまるのだと思わしてくれるような新総裁を選出してくれるものと見守りたいと思います。

( 2024 - 08 - 19 )


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