雅工房 作品集

長編小説を中心に、中短編小説・コラムなどを発表しています。

旅立つ友よ

2017-01-23 08:09:18 | 短詩集
          『 旅立つ友よ 』

     夜更けても 話しは尽きず
      堪え難き 怨讐は語らず
       北風の 冷たい朝よ 旅立つ友よ


       よふけても はなしはつきず
        たえがたき おんしゅうはかたらず
         きたかぜの つめたいあさよ たびだつともよ
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御曹司の行く末

2017-01-20 08:17:42 | 麗しの枕草子物語
          麗しの枕草子物語 

               御曹司の行く末

その御曹司は、早くに母親が亡くなり、父親一人となってしまわれました。
父親は、残された子をずいぶん可愛がりはしますが、気を使う後添えがお出来になられた後は、自分の家にも入れさせず、装束などのお世話は、乳母や亡くなられた奥方の身内の方などに頼んでさせています。

御曹司は、西・東の対とか客殿なども立派に備えられていて、屏風や障子の絵も見事なものが設えられている御屋敷に、別居されています。
殿上人として出仕されておられますが、その振る舞いやお働きは、「申し分がない」と人々に噂され、天皇もお気に入りで、御遊びのお相手に思し召しなのですが、それでも、いつも何か物足りなく、不満で、世間が面白くないように感じられ、うっぷんを晴らすかのような振る舞いが、女性との浮名となっていたりします。

さる上達部の御屋敷で、この上ないというほど大切にされている妹君が一人あり、その女性にだけは、心の内を見せることが出来、唯一の慰め相手であるらしいのです。
かの御曹司の行く末が、気に掛ってなりません。


(第二百九十五段・男は女親亡くなりて、より)
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アルパカ

2017-01-11 08:15:55 | 短詩集
          『 アルパカ 』

     わきあがる 嬉しげな声
      やわらかな 冬の陽あふれ
       アルパカも 見つめる子らも 瞳きらきら


       わきあがる うれしげなこえ
        やわらかな ふゆのひあふれ
         アルパカも みつめるこらも ひとみきらきら
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麗しの枕草子物語  千年の時を経て

2017-01-08 08:19:29 | 麗しの枕草子物語
          麗しの枕草子物語

               千年の時を経て

『 春はあけぼの。 
  やうやうしろくなりゆく山ぎは、すこしあかりて、
  紫だちたる雲の、細くたなびきたる。 』


ご存知『枕草子』の冒頭部分です。
今から千年余り前、平安王朝文学の全盛期に、清少納言は『枕草子』を書き残してくれました。
この名著の魅力は、原文を読んでいただくしかないわけですが、フアンの一人として少しでも多くの方にこの名著に触れていただきたく思い、原文(一部割愛している)と拙い現代訳を紹介させていただきました。
カテゴリー内の「 『枕草子』清少納言さまからの贈り物 」をぜひ覗いていただきますようお願い申し上げます。
そして、この「 麗しの枕草子物語 」は、『枕草子』の中の物語性の強い章段を頂戴して、現代文で紹介させていただいたものです。

なお、この試みはすでに発表させていただいておりますが、今回一部書き直しも含めて連載させていただきますので、『枕草子』を楽しむ一つの方法としてご覧頂ければ幸甚でございます。
なお、作品は後段から戻る形になりますが、ご了解の上よろしくお願いいたします。
  
           
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