雅工房 作品集

長編小説を中心に、中短編小説・コラムなどを発表しています。

友情の揺らめき

2016-02-25 08:00:42 | 短文集
          『 友情の揺らめき 』

「ちょっと辛い経験をしたんだ」
と、彼が言う。
勤務先は違うが、事務所が同じ市内なので、たまに会う。高校時代からの付き合いだから、かなり長い。

「何かあったのか?」
たまに会って少しばかりの酒を飲みながら、お互いに愚痴などを述べあうことは多いが、これまであまり深刻な話はすることがなかった。少し気になって彼の顔を見つめた。
「うん。Yのことだよ」
「Y? ああ、あのYのことか。何かあったのか?」
「Y」というのは、同じ高校の同窓生なので、面識はある。私はそれほど親しい関係ではなかったが、彼とは、同じ大学に進み、卒業後も同じ会社に入ったくらいだから相当親しい交際をしていたようだ。彼の会社は多くの支店を持っている会社であるが、入社当初の数年間は共に本社勤めだったこともあり、その頃に一段と親密さを増したらしい。その後、それぞれ違う支店に配属されて行ったが、どうやら二人は、数十人はいる同期入社の中でトップクラスを走っているらしく、それによって反感しあうというより、より友情が高まったらしいことは、彼の口から聞くこともあった。

「彼、会社を辞めたんだ・・・」
「辞めたって? この前の異動で昇進したんではなかったのか?」
「そう、結果としては、それで問題が発覚し、辞めたというより、クビになったんだ・・・」
「そうかァ・・・。残念だな。何か不祥事が発覚したんだな? 何だか知らんが、お前の会社は、そういう事には厳しい所だからなァ」
「まあ、そういう面もあるが、俺もはっきりしたとは分からないんだが、彼の場合は警察沙汰にならなかったのが幸いだって、噂されているんだ」
「そんなにやばい話なのか?」
「それらしい噂はあったんだ。彼がということではないが、彼のいた支店を廻って、何とはなく噂が聞こえてきていて、直接彼に質したこともあるんだ」
「その時は何てって?」
「最初は大丈夫だって笑っていた。そのうち、明らかに俺からの連絡を避けるようになっていったんだ。むりやり最後に会った時には、『そんなにライバルのやり方が気になるのか』みたいなことを言われたよ。半年ほど前のことで、直接会ったのは、それが最後だ」

「そうか・・・。噂になるほどのことだったのか・・・。でも、最近昇格したんじゃなかったのか?」
「いや、対外的にはそんな風にも取れる人事だったが、内部から見れば、『何かあったのか?』と思わせるような異動だったんだ」
「そうか・・・、そう言えば、お前が彼の異動の話をした時、『形の上では昇格だ』とか何とか、物が挟まったような言い方をしていたものなァ」
「そうだったか? ただ、あの時は、彼の支店でとんでもない問題が発生しているらしいことは、上層部にはかなり広がっていたようだったが、彼の異動は、その責任取らされたのかな、と思った程度だったんだ」
「そうじゃなかったのか?」
「うん。彼のいた支店全体で大きな失策をしたことは確かなんだが、その対処の先頭に立っていた彼が、相手からリベートを取っていたらしい。ちょっと桁外れのね・・・」

「うーん・・・。俺はYのことはあまり知らないが、何がそうさせてしまったのかなぁ」
「まあ、うちの会社に限らないが、企業の性格として、若くても相手企業のトップと交渉したり、重要な秘密を相談されることも少なくないんだ。その辺りを勘違いしてしまう社員は少なくないが、Yほどの奴が、それも筋悪の相手に飲み込まれてしまうなんて、残念だよ」
「そうだなァ・・・。でも、お前の力ではどうすることも出来なかったんだろう? 元気出せよ」
「そこなんだよ。事件自体は、とんでもない規模になりそうで、もちろん俺なんかの力ではどうすることも出来ない。しかしね、あの支店で問題が起こっていることは、かなり早くに俺は聞いていた。あいつの性格として、問題解決に深入りしすぎるのではないかという懸念は感じていた。もちろん、そのことは直接言った。でも、彼はほとんど耳を貸そうとしなかった。すでに、彼個人の犯罪が始まっていたのかもしれないが、『俺の言うことが分からないのか』という気持ちもあって、彼も俺を避けたが、俺もそれを幸いとした面もあるんだ・・・」

「親友だったものなァ・・・。辛いよなァ・・・」
「そう、あいつとは、高校以来ずっと付きあってきた。あいつはどう思っていたか知らないが、少なくとも、俺は親友だと思っていた。しかし、本当に困った時、本当に苦しい時に、力になってやれなかったし、相談さえしてくれなかったんだ・・・」
「親友だからこそ、相談できなかったんじゃないか? そういう面あるんじゃないか?」
「そうかもしれない。しかし、それでは、親友なんて何なんだ、と思ってしまう」
「『親友って何なんだ』と言われると、どう答えていいか分からないが、何物にも代えがたいほど大切な関係だとは思う。しかし、どうだろう、苦難に陥った時、果たして何でも相談できるだろうか? 苦難に陥っている親友の力になりたいとは思うよ。しかし、その反対の場合は、大切な親友であればあるほど、相談できない問題ってあるような気がするなァ・・・」
「じゃあ、親友なんて、どれほど意味があるんだろう」
「それはあるさ。親友がかけがえのない存在であることは確かだよ。でも、親友といえども一枚板というわけではあるまい。友情にも揺らめきというもののようなことがあって、何もかもが友情が力になれるわけではない。しかし、友情に揺らめきがあるからといって、親友の重要さが揺らめくものではないと思う」
「『友情の揺らめき』か・・・」

私は目の前の男を親友と思っているが、「彼は私のことをどう思っているんだろう」と、ふと思った。

     ☆   ☆   ☆

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馬追う人

2016-02-22 08:00:42 | 短詩集
          『 馬追う人 』

     朝まだき 星残る空 
      静寂の中 鼓動と語る
       靄を突き 馬追う人の 晴れやかな声


       あさまだき ほしのこるそら
        せいじゃくのなか こどうとかたる
         もやをつき うまおうひとの はれやかなこえ
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アクセルとブレーキ

2016-02-13 08:00:15 | 短文集
          『 アクセルとブレーキ 』

「車にアクセルとブレーキが設置されているということは実に素晴らしいことだと、つくづく思うよ」
と、彼は言う。
私は彼の言っている意味が分からず、その顔を見つめる。

彼とは、今でも時々顔を合わせ食事を共にする。
定期的ではないが、彼の都合の良い時か、気が向いた時かは分からないが、彼の方から声をかけてくれる。
彼とは大学時代からの付き合いである。年齢は二、三歳私より上であるが、彼の大学生活は自由奔放で、いつ入学しいつ卒業したのかは今一つはっきりしない。何せ、その学校の大部分の学生は、かなり頑張って入学したという誇りを持っていたが、彼は志望校に入れず仕方なしに入学してきたらしいのである。
彼の実家は相当の素封家らしく、同じ下宿の者は何かと差し入れを受けていた。私もその一人である。
卒業後も、一人で世界の各地、それもかなりの僻地を歩いていたようであるが、少し前からは実家の家業を継ぎ、地元ではちょっとした名士らしい。

「車にですか? だって、そんなの、当たり前じゃないんですか?」
「いやいや、なかなか当たり前じゃないんだなァ」
「車って、我々が普通に乗ったり運転したりしている車のことでしょう?」
「そうだよ」
「だって、その車にアクセルとブレーキがついているなんて、当たり前じゃないんですか? 自動運転とか、様々な進んだ装置が考えられているようですが、その操作の仕方はともかく、アクセルとブレーキにあたる物は絶対必要なんではないですか?」
「確かにその通りだと思うよ。アクセルだけでは危ないし、ブレーキだけでは役に立たないだろうからね。でもね、車の起源をいえば、おそらくコロ(転)が始まりだと思うが、コロにはブレーキはなかったと思うよ。まあ、コロは少し戻り過ぎだとしても、ごく初期の荷車のような物にはブレーキはなかったと思うんだ。もっともアクセルにあたるのは人力だが、ブレーキも人力だったともいえなくはないがね。いや、なぜこんな話をするかと言うと、最近、少年犯罪に関する諮問会のようなものに呼ばれることがあってね。ああ、介護施設に関わっている関係からね」

「それは大変ですね。何か文化人みたいじゃないですか」
「いやいや、そんな恰好の良いものではないですよ。まあ、諮問会のメンバーにはそんな感じの人もいるが、私なんかは、犯罪者や道に迷っている人の気持ちの近くにいるらしいということで選ばれたみたいなものなんだよ。まあ、それはそれとして、その関係でいくつかの例を勉強したり教えられているうちに、少年犯罪と言うか、少し行き過ぎた非行といったものの原因は、ブレーキの無い乗物を走らせてしまったようなものだと思い始めたんだ」
「つまり、自分を抑制することが出来ないってことですか?」
「まあ、そうだな。ブレーキが付いていても、操作を誤って起こる事故はたくさんあるが、もともと設置されていなかったり、ブレーキ操作をほとんど教えられていなかったんじゃないかといった犯罪や事故も少なくないんだ」
「なるほどねぇ」

「少年犯罪と車のブレーキを一緒にするつもりなど全くないんだが、一般社会の中でも、アクセルだけ作ってブレーキを作ることなど考えていなかったのではないかって事が、結構あるような気がするんだ」
「例えば?」
「例えば、原子力発電についていえば、基本的に私は原発容認派なんだが、核燃料を開発し、確かに使用中のコントロールはかなりできるんだろうが、使用済みの核燃料を処理する方法は置き去りにされているような気がする。走らせるだけで、止めることは後回しになっているように思うんだ。後回しになっていても出来るのならいいんだが、出来ないのてあれば、アクセルだけ使うのは危険に過ぎる。あるいは、何かと問題の多い覚醒剤なんかも、一度でも使うと、その影響を消し去ることはほとんど無理だというんだね。副作用の強い化学物質全てに言えることだが、解毒作用と言うか、ブレーキ役を果たす物も同時に開発すべきだと思うなあ。まあ、覚醒剤などもそうらしいが、このような開発製品の多くは、かなり偶然的な結果として生まれてくるものが多く、ブレーキ役の開発といっても、簡単なことではないことは確からしいがねぇ」

「そうですねぇ。タバコや酒なんかでも、止めることが難しいようですものねぇ・・・。まして、人間の、それもまだ経験の浅い少年が、自分の心をコントロールするというのは、そうそう簡単なことではないでしょうねぇ」
「そう、簡単なことではないだろうね。しかし、同時にね、大半の少年たちは、幾つかの波や曲がり角を、少しは傷つきながらも走り抜けている、とも言えるんだ。要は、幼いうちに、適切なブレーキを設置してやり、適切な使い方を教えてやれるかどうかということのような気がしているんだ」
「よく言われるように、教育が大切だということですか・・・」
「まあ、簡単に言えばその通りなんだが、さて、その教育なんだが・・・」

自由奔放だった彼の、会うたびに変貌を遂げているようなご高説に、私はただ耳を傾ける。

     ☆   ☆   ☆

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立春過ぎて

2016-02-10 08:00:01 | 短詩集
          『 立春過ぎて 』

     春立つと 暦に誘われ
      山間の 友を訪ねる
       無人駅に 一人降り立つ 出迎えは氷雨


       はるたつと こよみにさそわれ
        やまあいの ともをたずねる
         むじんえきに ひとりおりたつ でむかえはひさめ
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今昔物語 巻二十六 ご案内

2016-02-02 14:36:57 | 今昔物語拾い読み ・ その7
           今昔物語 巻二十六

巻二十六は、全体の中の位置付けとしては、「本朝世俗部」の一部に当たり、諸国の奇談異聞を収録しており、全二十四話から成っています。
本朝世俗部は、巻二十一から始まっているとされますが、巻二十一が欠巻のため実質的には巻二十二が始まりとなり、以後巻を重ねるにつれて地方色、民間色が強くなっていますが、全体としては、やはり仏教的な考えが色濃く反映されていることに変わりはありません。
本巻は、読み物として興味深いものが多いと思われます。
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鷲にさらわれた赤子 ・ 今昔物語 ( 巻 26-1 )

2016-02-02 14:35:35 | 今昔物語拾い読み ・ その7
        鷲にさらわれた赤子 ・ 今昔物語 ( 巻 26-1 )

今は昔、
但馬国七味郡川山の郷(サト)に住んでいる人がいた。
その家に一人の赤子がいて、庭ではいはいをして遊んでいた。
ちょうどその時、鷲が空を舞っていたが、庭で遊んでいる赤子を見つけて、急降下してきて赤子をつかみ取って大空に舞い上がり、そのまま遥か東に向かって飛び去って行った。
父母はこれを見て、泣き悲しんで、追いかけて取り戻そうとしたが、遥か遠くに飛んで行ってしまったため、どうすることも出来なかった。

その後、十余年ほど過ぎた頃、この鷲にさらわれた赤子の父親が用事があって、丹後国加佐郡に行き、その郷のある人の家に宿を取った。
その家に幼い女の子が一人いた。年は、十二、三歳ほどである。
その女の子が大路にある井戸に行き水を汲もうとしていたが、この宿を借りた但馬国の者も足を洗おうとしてその井戸へ行った。
そこでは、この郷の幼い女の子たちがたくさん集まって水を汲んでいたが、この宿を取った家から来た女の子が持っていたつるべを奪い取ろうとした。女の子はそれを拒み奪われまいとして争いになったが、郷の女の子たちは一緒になって宿の女の子をののしり、「お前は、鷲の喰い残しのくせに」とさかんにはやし立て、ぶったりした。
女の子は、ぶたれて泣いて帰った。但馬の者も宿に帰った。

その宿の主人が帰ってきた女の子に、「なぜ泣いているのか」と尋ねたが、女の子はただ泣くばかりでその理由を語ろうとしない。
それで、但馬の者は自分が見ていた様子を話し、「どうして、この女の子のことを『鷲の喰い残し』などというのですか」と尋ねた。
主人は、「実は、いついつの年のいついつの月のいついつの日に、鷲が鳩の巣に何か落としましたが、やがて赤子の泣く声が聞こえてきましたので、その巣に近付いて見たところ、赤子がいて泣いていたのです。さっそく取り下ろして、養ってきましたのがあの子なのです。郷の小娘たちがそれを伝え聞いて、ああ言っていじめるのです」と答えた。

但馬の者はこれを聞き、「自分が先年、わが子を鷲にさられたこと」を思い出し、思いめぐらしてみると、宿の主人が語る「いついつの年のいついつの月のいついつの日」というのが、但馬国で鷲にさらわれた日とぴったり当たるので、「それでは、わが子なのではないか」と思い、「それで、その子の親だという者のことを聞いたことがありますか」と尋ねた。
「これまで、そのようなことは全くありません」と宿の主人が答えた。
「実は、そのことでございますが、あなたのお話を聞いて思い当たることがございます」と但馬の者は、鷲にわが子をさらわれたことを話し、「この子は、私の子に違いありません」と言った。
宿の主は、大変驚き、女の子と見比べてみると、その女の子と但馬の者は全くよく似ていた。

「なるほど、ほんとうのことらしい」と宿の主人は但馬の者の話すことを信じ、その哀れな出来事に感じ入った。
但馬の者も、然るべき因縁があって、ここに来ることになったのだと繰り返し話して泣き続けた。
宿の主人は、深い因縁があってこそ、このように廻り合うことが出来たのだと感動し、惜しむことなくその子を返してやった。
しかしながら、「私もまた、この子を長年育ててきたからには、実の親と同じです。ですから、二人がこの子の親となって育てるべきです」と宿の主人は述べ、共に了承し合った。
それから後は、この女の子は但馬にも行き来して、共に親ということになった。

これは、実に稀に見る不思議なことである。
鷲が即座に食い殺してしまいそうなのに、生きたまま鳩の巣に落としたというのは、稀有のことと言える。これも、前世の宿報(シュクホウ・前世から定められた宿命)によるものであろう。
父子の宿命というものはこういうものなのだ、
と語り伝へたるとや。

     ☆   ☆   ☆


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蕪にまつわる奇談 ・ 今昔物語 ( 巻 26-2 )

2016-02-02 14:34:19 | 今昔物語拾い読み ・ その7
          蕪にまつわる奇談 ・ 今昔物語 ( 巻 26-2 )

今は昔、
京より東国に下る男がいた。
いずれの国かいずれの郡かは知らないが、ある郷に通りかかったところ、にわかに激しい淫欲に襲われ、女のことが気が狂わんばかりに頭に浮かび我慢出来ない状態になっていたが、大路の辺りにある垣根の内を見ると、青菜というものが今が盛りとばかりに生い茂っていた。十月の頃なので、蕪(カブラ)の根は大きくなっていた。
この男、急いで馬から下りるとその垣根の中に入り、蕪の根の大きなものを一つ引き抜いて、刀で細工を為し、それで事を清ませた。そして、それを垣根の中に放り込んで、行ってしまった。

さて、その後、その畑の持ち主が青菜を収穫するために下女どもを大勢連れて、また幼い自分の娘などを連れて畑に行き 青菜を引き抜いていたが、年の頃十四、五歳ばかりのまだ男も知らぬ娘が、一人で垣根の辺りを遊び歩いているうちに、例の男が投げ込んだ蕪を見つけた。
「ここに穴を彫った蕪があるわ。何かしら」などと言って、しばらくもてあそんでいたが、ひからびたこの蕪をかき裂いて食べてしまった。
そのうち、主人は下女どもを引き連れて帰って行った。

その後、この娘は気分がすぐれないようで、食欲もなく、病気らしく思われたので、父母は「どうしたのだろう」と心配していたが、月日が経ってみると、何と懐妊していたのである。
父母は大変驚き、「一体どういうわけだ」と娘を問い詰めたが、「私は、男のそばに寄ったこともありません。ただ、おかしなことと言えば、これこれの日にこんな蕪を見つけて食べたことがあるの。その日から体の調子が変で、このようになってしまったの」と娘は答えた。
両親は納得がいかず、一体どういうことなのだと、いろいろ尋ねてみたりしたが、家の使用人たちも「お嬢さんが男のそばに寄っているのを見たこともありません」と言う。
両親は不思議に思いながらも、日は過ぎて行き、いつしか月満ちて、娘はとても穏やかに玉のような男の子を産んだのである。

こうなればどうしようもなく、両親は生まれた子を養い育てていたが、かの東国に下った男は、その国で数年過ごして帰京することになり、大勢の供を引き連れて帰ってくる途中、その畑の所を過ぎようとしたが、この娘の両親も前の時のように、ちょうど十月の頃であり青菜を収穫しようと、使用人どもと共に畑にいた。
すると、かの男は垣根の辺りを通りながら、他の者と大きな声で話していたが、「そう言えば、先年、東国に下った時にもここを通ったが、やたらに女が欲しくなり、とても我慢が出来ず、この垣根の中に入り大きな蕪を一つ取って、穴を彫って思いを遂げて、それを垣根の中に投げ込んだことがあった」と話したのである。

娘の母は垣根の内でこの話をはっきりと耳にすると、かつて娘が言ったことを思い出し、そうなのかと思い当り、垣根から走り出し、「もうし、もうし」と呼びかけた。
男は、自分が蕪を盗んだと言ったことを咎められたのだと思い、「いや、今のは冗談だ」と言って逃げ出そうとしたが、母は「とっても大事なことがあります。ぜひとも聞かせてほしい事があります。どうぞお話しください」と泣かんばかりに言う。
その様子に男は、「何かわけでもあるのだろう」と思い、「別に隠さなければならないほどのことでもありません。また、私自身、それほど重い罪を犯したとも思えません。ただ、凡夫の身でございますので、これこれの事をしてしまったのです。それを話しのはずみで口にしてしまったのです」と言うと、これを聞くと母は涙を流し、泣く泣く男の手を取り家に連れて行った。
男は不審に思いながらも、母の強い意志に引かれて、家へ行った。

そこで、母は、「実は然々の事(シカジカノコト)がありましたので、その生まれた子とあなたとを見比べようと思うのです」と言い、子を連れてきて見てみると、男と露ほどの違いもないほど似ていたのである。
男も、深く心に打たれ、「なるほど、このような宿世もあるものなのですねぇ。さて、どのようにしたらいいでしょうか」と言うと、母は、「もはや、どのようにでも、あなたのお心次第に」と答え、その子の母を呼び出して対面させた。
その女性は、身分は低いながらまことに清らかで美しい。年は二十歳ばかり、子も五、六歳ほどでとても可愛らしい男の子である。
二人の姿を見て男は、「私は京に帰ったところで、これといった父母も親戚もいない。それに、このような深い因縁があるのだ。この人を妻にして、此処に留まることにしよう」と固く決意した。
そして、そのままその娘を妻にして、そこに住むことにした。これは、まことに珍しいことである。

されば、男女はたとえ交わることがなくとも、かかるようなことがあれば子供が生まれるものだ、
となむ語り伝へたるとや。

     ☆   ☆   ☆
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大水に流された少年 ・ 今昔物語 ( 巻 26-3 )

2016-02-02 14:32:33 | 今昔物語拾い読み ・ その7
          大水に流された少年 ・ 今昔物語 ( 巻 26-3 )

今は昔、
美濃国に因幡河(イナバノカワ・長良川の古称)という大きな川がある。雨が降って水があふれる時には、はかり知れないほどの大洪水を起こす川である。
そこで、その川の近くに住む人々は、洪水の時に備えて、家の天井を丈夫に造り、板敷の床のように固く板を張っており、洪水になるとその上に登り、そこで作業や食事などもしていたと言う。
男は船に乗ったり泳いだりして用を足しに出かけるが、幼い者や女たちはその天井に残したままである。下々の者は、その天上の事を**(欠字。「ツシ」とも)と呼んでいた。

さて、二十年ほど経った。(何から二十年経ったのか、説明されていない)
その因幡河が大洪水を起こした時、ある家の天井の上に女二、三人、子供四、五人を登らせておいた。家に入ってきた水がまだ少ない間は、柱の土台も浮き上がらなかったが、水が天井を越え、さらに水かさが増えてくると、どの家も残らず流されてしまい、多くの人が亡くなってしまった。
ところが、この女と子供が登っていた家の天井は、他の家よりも特に頑丈に造っていたので、柱は土台とともに残り、屋根と天井とだけは壊れもしないで船のように流れて行った。
高い山に逃げ延びて見ていた者たちは、「あの流されて行く者たちは助かるだろうか。一体どうなるのだろう」と言いあっていた。

そのうち、天井で煮炊きをしていたが、その火が強風にあおられて屋根の板に吹き付け、勢いよく燃え上がった。天井にいた者たちはわめき叫ぶが、どうすることも出来ない。
それまで、水に流されて溺死してしまうだろうと思っていた者たちが、この様子を見ていたが助けに行く者もなく、瞬く間に火は燃え尽きて、全員焼け死んでしまった。

「水に流されながら焼け死ぬなんて、何とも不思議で珍しいことだ」と、なす術もなく見ていると、天井にいた十四、五歳ほどの子供が一人、火を逃れて水に飛び込んだ。しかし、流れは早く流されて行く。
「あの子は、火の難からは逃れたが、とうてい助かりそうもない。結局、水に溺れて死ぬ宿命を持っていたのだろう」などと言いあっているうちにも少年は流されて行ったが、草よりも短くて青い木の葉が水面に出ているのに手が触れたので、それを掴むと、それに引っ張られて流されなくなった。
その木の葉はしっかりしているようなので、少年はその手ごたえに力を得て探ってみると、「木の枝だ」と感じられたので、その枝をしっかりと掴んでいた。

この川は、大水が出るかと思うと、すぐに水が引く川なので、少しずつ水が引いていくにつれて捕まえていた木が次第に姿を現してきた。
そして、枝の股が現れたので、そこにきちんとまたがり、「水がすっかり引けば、こうしていれば助かるに違いない」と思っているうちに、日が暮れて夜になった。辺りは真っ暗になり何も見えなくなったが、その夜はこのまま明かし、「水が引いたら木から降りよう」と思ったが、夜はなかなか明けず待ち遠しく思っているうちに、やがて夜は明け日が昇ってきた。
そこで下を見ると、目も届かない雲の上に居るような心地がするので、「どうしたことだろう」と目を凝らして見下ろすと、遥かな高い峰の上から深い谷に向かって傾いて生えている木のてっぺんに居たのである。その木は、高さは十丈(約三十メートル)ほどもあり、幹には枝もなく、てっぺん近くに僅かに小枝があるばかりで、少年はその小枝にしがみついていたのである。

少しでも体を動かせると、小枝はゆらゆらと揺れるので、「この枝が折れると自分は落ちてしまってこの身は砕けてしまうだろう」と思うと、どうしようもなく心細く、幼心ながら観音を念じ奉って、「なにとぞ私を助けてください」と声をあげて叫んだが、すぐに聞きつけてくれる人もいない。
「水の難を逃れようとすると、火の難に合った。火の難を逃れようとすると、このような遥かに高い木から落ちてこの身は砕けて死んでしまう。何と悲しいことか」と思っていると、少年の叫ぶ声をかすかに聞きつけた人が、「あの声は何だ」と捜し求め、木の枝にしがみついている少年を見つけた。
「あそこにいる子は、昨日川の中で焼けた家の中にいた者のうち、天井より落ちて川に流された子のようだ。どうして助けてやればよいだろうか」と人々は言い合ったが、手段が見つからない。

木の幹を見ると、枝はなく手をかける所もない。十丈ほどもある大木のてっぺんであるし、足場を組んで降ろすことも出来ない峰なので、思い悩んでいるうちに、これを聞きつけた人も多く集まってきた。
ああだこうだと意見を交わしてみたところで、これといった方法は出て来ない。
すると、木の上から少年が叫んだ。
「もう少しで、いやでも落ちてしまう。どうせ死ぬのなら、網をたくさん集めて、それを張って受けてくれ。『もしかすると助かるかもしれない』ので、それに向かって飛び降りるから」と。
集まっている人たちは、「それはいい思いつきだ」と言って、その近くにある網をたくさん持ち寄ってきて、重ねて強くした網を高く張り、さらにそれを支えるために幾重にも網を重ねて張った。

少年は、観音を念じ奉り、足を離して網に向かって飛び降りると、その体はふりふりと舞いながら落ちて行ったが、その時間の長かったこと。
仏の御利益なのであろうか、うまく網の上に落ちたのである。人々がそばに駆け寄ってみると、気を失って動かないので、そっと下に降ろして手当を施すと、一時(ヒトトキ・二時間ほど)ほどで息を吹き返したのである。
まことに、九死に一生を得た者といえる。次々と堪えがたい目に遭いながら命を全うしたのには、きっと前生の宿報が強かったからであろう。このことを聞いた人は、隣国の者までが不思議なことだと思った。
これを思うに、「人の命は、どのようなことでも、すべて宿報によるものなのだ」と人々は言いあった、
となむ語り伝へたるとや。

     ☆   ☆   ☆





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指貫のくくり紐 ・ 今昔物語 ( 巻 26-4 )

2016-02-02 14:31:37 | 今昔物語拾い読み ・ その7
          指貫のくくり紐 ・ 今昔物語 ( 巻 26-4 ) 

今は昔、
大学頭藤原明衡(ダイガクノカミ フジワラノアキヒラ・1066年七十八歳で没。出雲守、文章博士など務めたが、従四位下が最高位と藤原氏としてはあまり恵まれていなかった)という博士がいた。その人がまだ若い頃、しかるべき所に宮仕えしていたある女房と深い仲になり、ひそかに通っていた。

ある夜、その女房のもとを訪れ、局に入り込んで寝るつもりであったが都合が悪くなり、その屋敷の近くの下賤の者に、「お前の家に女房を呼び出し、そこで寝させてほしい」と頼み込んだ。
たまたま家の主人の男は留守をしており、妻が一人でいたが、「お安いことです」と了承したが、何分狭くて小さな家なので、自分が寝る所以外に寝る場所などなかったので、自分の寝場所を提供した。
そこで、この女に女房の局の畳(ござの上等の物)を取って来させ、それを敷いて、そこで明衡と女房は共寝した。

ところで、その家の主人の男は、かねてから、「自分の妻がほかの男とひそかに通じている」と聞いていたが、「その間男は、今夜きっとやってくるはずだ」と告げる者があったので、「何としてもその現場を押さえて、その男を殺してしまおう」と思い、妻には遠くに出掛けて四、五日は帰らないと言っておき、出かけたふりをして様子を窺っているところだったのである。

そのような事とはつゆとも知らず、明衡は女房と共にすっかり打ち解けて寝ていると、真夜中頃になって、この主人の男がひそかにやって来て家の中の様子を立ち聞きすると、男と女がひそひそと話し合っている気配が伝わってきた。
「やっぱりそうであったか。聞いていた通り本当だったのだ」と思い、足音を忍ばせて家の中に入り、聞き耳を立てると、自分の寝所の辺りで男と女が寝ている様子である。
暗いのではっきりとは見えないが、主人の男はいびきのする方にそっと近寄り、刀を抜いて逆手に持ち、腹の上と思しき所を探り当て、「突き刺そう」と腕を振り上げたちょうどその時、屋根板の間から差しこんだ月の光が、指貫のくくり紐が長く垂れ下がっているのが目に入った。
「わしの妻のもとに、このような指貫を着た人が間男として来るはずがない。もし人違いなら、とんでもないことになる」とためらっていると、たいそう良い香りが漂ってきたので、「やはり、人違いだ」と手を引っ込め、着ている衣をそっと探ってみると、手触りも柔らかである。

その時、女房が目を覚まし、「そこに誰かいるようですが、どなたなのですか」と忍びやかに言う声は柔らかで、自分の妻の声ではなかった。
「やっぱりそうだった」と主人の男が後退りすると、明衡も目を覚まし、「誰だ」と誰何すると、隅の小部屋で寝ていた男の妻もその声を聞きつけて、「昼間、夫の様子がどこかおかしくて、それでもどこかへ出かけて行ったのだが・・。もしかすると、そっと帰って来て人違いでもしたのだろうか」とも思ったが、飛び起きると「お前は何者か。泥棒か」などと喚き立てた。
その声が妻の声であることに気付いた男は、「さっきの女はわしの妻ではない。他の人たちが寝ていたのだ」と確信すると、その場から逃げ出し、妻が寝ている小部屋に入り、妻の髪を引き寄せ、小声で、「これはどうしたことか」と尋ねた。
妻は、「思っていた通りだった」と思いながら、「あそこは、高貴なお方が今夜だけと言って借りに来られたのでお貸しして、私はここに寝ていたのよ。とんでもない過ちをするところだっね」と答えた。

この頃には明衡も騒ぎに気付いて、「いったい何事だ」と声をかけた。
その声で主人の男は声の主が誰であるかに気付き、「私めは、甲斐殿の雑色(下働き)何々丸と申す者です。御一門の殿がおいでになられているのを知らず、あやうくとんでもない過ちをしてしまうところでございました」と謝った。
そして、「実は、しかじかの事がありまして、ひそかに様子を窺っていましたところ、寝室のあたりで男女の気配がしましたので、『案の常だ』と思いまして、そっと近づき、刀を抜いて腕を振り上げましたところ、幸いなことに差しこんだ月の光に御指貫のくくり紐を見つけ、『私らごときの妻のもとに、間男とはいえこのような指貫をつけた人が来るはずがない。人違いだと大変なことになる」と思い止まりました。もし、御指貫のくくり紐を見つけませんでしたら、とんでもない大事を引き起こしていました」と話した。
これを聞いて明衡は、肝も心も抜けたようになり、ただあきれるばかりであった。

この甲斐殿というのは、明衡の妹の夫で、藤原公業という人であった。
この家の主人の男は、甲斐殿の雑色なので、よく明衡の屋敷に使いに来ていたので、しじゅう顔を合わせていた男であった。まことに思いがけないことに、指貫のくくり紐のおかげで、実に危い命を全うしたものである。
「人は、忍ぶこととはいいながら、下賤な者の家などに立ち寄ってはならぬものだ」と、これを聞いた人々は言いあった。
但し、これもまた前世からの報いである。死なぬ報いがあったからこそ、身分の低い下郎であったが、あのような思慮をめぐらしたのである。もし、死ぬべき報いがあったなら、思慮をめぐらすことなどなく、突き殺してしまっていたであろう。
されば、すべてのことはみな宿報によるものと知るべきだ、
となむ語り伝へたるとや。

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継子と継母(1) ・ 今昔物語 ( 巻 26-5 )

2016-02-02 14:30:33 | 今昔物語拾い読み ・ その7
          継子と継母(1) ・ 今昔物語 ( 巻 26-5 )

今は昔、
陸奥の国に権勢と財力を有している家に兄弟がいた。
兄は弟より何事につけ勝っていた。彼はその国の介(スケ・国府の次官)として政務を執り行っていたので、国府の館に常駐していて、自宅にいることは稀であった。自宅は館より百町(10kmほど)ばかり離れていた。通称は太夫介(タイフノスケ)と呼ばれていた。

その大夫介が若い頃、子供がいなかったので自分の財産を譲る者がいないことを残念に思い、ひたすら子供を願っているうちにいつしか年老いてしまった。妻の年も四十を過ぎてしまったことから子供を諦めかけていたが、思いがけず妻が懐妊したのである。
夫婦ともども大喜びしているうちに、月満ちて端正美麗な男の子が生まれた。父母はこの子をとても大切にして、目を離すことなく養育していたが、その母は間もなく死んでしまった。
嘆き悲しむことたいへんなものであったが、どうすることも出来ない。

父の大夫介は、「この子が物心がつき一人前になるまでは、継母は迎えまい」と言って、後妻を娶ろうとしなかった。
また、この大夫介の弟にも子供がいなかったうえ、甥にあたるこの子がとても可愛かったので、「わしもこの子を我が子と思おう」と言うので、兄も、「母がなく、わし一人でこの子を育てているが、多忙のためいつもそばにいてやれないことが気になっていた。お前がわしと同じように可愛がってくれればとてもありがたい」と言って面倒を見させたので、弟はその子を自分の家に引き取って大切に養育した。
こうしているうちに、その子は十一、二歳にもなった。成長するにつれて、容姿が美しい上に性格も良く、わがままは言わず、学問の理解力にも優れていたので、実父の兄も養育している弟も寵愛するうえに、使用人たちもこの子を可愛がりかしずいていた。

さて、そのような日が過ぎていたが、この国のちょっとした家柄の者で、夫に先立たれた女がいた。大夫介が妻を亡くしていることを聞いて、「お子様のお世話がしたい」と仲介人を立てて熱心に申し入れてきた。
大夫介は、女の熱心過ぎる心があさましく怖ろしく感じられたうえに、自分も多忙でほとんど家に居ないので、「妻の必要はない」と聞き入れなかった。しかし女は、「『ぜひとも妻にしていただきたい』と申しますのは、私にも娘が一人おりますが、男の子がいないので、老い先の頼りの為にそのお子様のお世話をしたいと思うからです」と言って、押しかけてきた。
そして、一心にこの子を可愛がったので、大夫介は「怪しいものだ」と思い、しばらくは女を寄せ付けなかったが、独り身の男のもとに夫を喪った女が入り込んで、強引に家事いっさいを取り仕切ったので、いつしか諦めて夫婦の契りを結んだ。
その後は、いっそうこの子を可愛がり、とても良い継母のように見えたので、大夫介も「これなら、もっと早く後妻に迎えればよかった」と思うようになり、家事全般を任せるようになった。
女には、十四、五歳ほどの娘がいたが、女が我が子をたいそう可愛がるので、大夫介もその娘を我が子同様に可愛がるようになった。

こうして、この子が十三歳になった年、継母となった女は夫の財産をすべて自由にできるようになっていたが、同時に、「夫はすでに七十歳になり、今日明日とも知れぬ命だ。この男の子がいなければ、莫大な財産すべてが我が物になるのに」と思う気持ちが強くなっていった。(この辺り、欠文があり、個人的な文章を加えた)
そして、「この男の子を亡き者にしよう」との思いを固めたが、なかなかいい方法が思いつかなかったが、新参の郎等の中に、思慮が浅く、人の言いなりになりそうな男が目についた。そこで、この男を特別に可愛がり、良い物があれば与えたりしたので、男はすっかり喜び、「生きるも死ぬも仰せに従います」と言うようになった。

その男をさらに手なずけているうちに、大夫介が公務で国府の館に詰め切りになり、家に帰らない日が続いた。
継母は、その男を呼び寄せて、「ここには多くの郎等がいるが、思うことがあって、お前に特に目をかけてやっているのを承知しているか」と言うと、その男は、「犬や馬でさえ可愛がってくれる人には尾を振ります。まして人であれば、ありがたいご恩には嬉しく思い、つれない仕打ちには恨めしく思うのが当たり前です。私めへのご恩情の代わりには、生きるも死ぬも仰せに従う覚悟です。その他のことは申すまでもなく、どんなことでも仰せに従い、背くことなどございません」と言った。
継母はこれを聞いて喜び、「私が思っていた通りの頼れる男であった。これからも頼りにしているので、そう心得ておいてほしい」などと念を押し、「今日は吉日だから」と言って、娘の乳母の子にあたる女を娶せた。
この男には本妻がいたが、「出世の手蔓が出来た」と大喜びをした。
                                            ( 以下、(2)に続く)

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