徒然なるままに・・アメリカ、そして日本

二度のアメリカ生活。
ボストン・オハイオ州・フィラデルフィア郊外に住み、
2010年夏、日本に帰国しました。

子供のストレス

2005年11月30日 | サバイバル in America
渡米の事を書いていたら、もう一つ思い出した事がある。

当時NYで乗り換えた飛行機は、右列二人、左列一人で10列くらいあっただろうか、要するにとっても小さいプロペラ飛行機だった。ジャンポジェット機のように雲のはるか上は飛ばない。しっかり下の町が見下ろせるくらいの距離を、ぐらぐら揺れながら飛んで行く。

前列には私と末っ子、その後に長女と長男。
高所恐怖症の私は、石のように固まっていた。隣でシートベルトをくぐり抜け座席に立って窓をたたく末っ子ですら悪魔のように思えた。

着陸前、シートとテープルを元に戻して下さいと言うアナウンス。後ろを向いて、子供達に「テーブル、シート戻しなよ」と声を掛けた。そして、帰ってきた返事が・・「動けないから、戻せない」だった。「はぁ~」と思ったが、さすがに私の産んだ子である。しつかり、高所恐怖症だったのだ。通路を挟んで隣の一列の席に座っていたアメリカ人のお兄ちゃんが、そのテーブルを元に戻してくれた。

しかし、問題はその後。あまりの揺れと緊張で吐いちゃったのだ。それはかなりのトラウマになってしまったらしく、その後も1ヶ月程家でも食べては戻すと言う事が続いた。拒食症!? このままだったら、日本に帰る事も考えた方が良いかな?夫の会社のカウンセラーから電話までもらう始末・・・。

とにかく、健康診断(アメリカでは学校に転入する前に医者の健康診断書が必要)を兼ねてアメリカの病院に初めて受診した時、その旨を相談する事にした。
お医者さんが、「うんちはちゃんとででいるか」と聞くので、「はい」と答えると、「それじゃ大丈夫。必要な栄養は取れていて、要らない物が出てるんだから。」と言うじゃありませんか。それを聞いた途端、すっかり元気になって、それっきり吐かなくなりました。

要するに完全にストレスが原因だったのです。今までとまったく違う環境、言葉、これから通う学校。それだけ考えてもどれだけストレスが大きい事か。
よく「子供はすぐ慣れるのよ」と言うが、私はこの一件以来そうは思わなくなった。うまく言葉にして伝えられないのかも知れないが、子供にも子供なりのストレスがあるはずだと思う。
コメント (3)
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