娘の通うミドルスクールのESLの先生が今年から始めたCREATE(Culture, Respect, Empathy, Appreciation, Tolerance, Education)と言うクラブのイベント「The Speak Out」がありました。
Speak outとは、辞書によれば
「( 思い切って)«…に反対する/…について/…を支持して»意見を公然と[声を大にして]言う」とあります。
参加している子供達は、我が家の娘のように現ESLの生徒や元ESLの生徒が多く、要するに元々アメリカ人では無い子供達。先生のメモによれば、アルバニア、チリ、中国、エジプト、ギリシャ、インド、インドネシア、イラク、メキシコ、ネパール、ロシア、ベトナムそして日本と多様な民族が一つの学区に集まっています。
その子供達が、アメリカやこの学校・学区に対しての思いを正直に語り合おうと言う趣旨らしいです。
普段の活動は、末娘に聞いても、要領を得ないのだけれど、宗教の事などを調べてるとか。
娘は「私は無宗教だから、関係ない」と言ってのけていますが・・。
日本に限らず、アメリカでさえも無宗教の人が多くなってきていると聞きました。生活が豊かになると、宗教などどうでも良くなるのかもしれないなぁ~と漠然と思いました。その反面、苦労して移住してきた人ほど、自分の宗教を大事にしているように感じます。
で、そのクラブのイベント「The Speak Out」を見に行ったわけです。
というより、娘が他のイベントと重なってしまって遅れて行くため、ポットラックになっていた食べ物を届けたら、そのまま「見て行ってよぉ~」と言われ残っただけなのですが・・・。
こういうイベント、ポットラックが付き物のようです。特にESLの生徒が集まると、色んな国の食べ物がそろうので、楽しみらしいです。はい。
この時は、テーマに基づいてディスカッションしましょうと言う趣旨でした。
私が見学した時には、ESLの先生はもちろん、学校側から校長先生を含む6-7人の先生も参加していました。
娘の担任の先生も前半は参加していてくれました。
一つ目のテーマは、
「この学区に受け入れられていると感じるか?」でした。
多くの子供達が、受け入れられていると思っていて、「それはどんな時にそう思うか?」と問われ、色んな例を子供達はあげていましたが、「先生が自分を見て、笑顔で接してくれるだけで良い」と言った子供もいてちょっと感動しました。
何よりもESLというクラスが有る事自体、ありがたい事だと思います。そのESLの先生が他の先生・学校側に受け入れられ、このような活動が出来ている事、こうしてこのイベントに先生方が参加してくれる事自体、異国からの子供達を受け入れてくれているという事になると私は思って見ていました。日本よりずっといいよぉ~と心で叫びながら。
二つ目のテーマは
「いじめ」について。
苛めはアメリカ人にとっても深刻な問題で、時々父兄対象の講演会も企画されています。一度は参加してみたいと思いながらも、英語だからなぁ・・・と思って躊躇している私。だから今回は、偶然にも子供達のディスカッションを聞けて嬉しかったです。
苛められていた経験の有る子供も積極的に自分の経験を語ってくれました。
苛める相手は、たいがい白人の子供だったらしいく、殴られたりした事もあるとか。
そんなイジメが起こりやすい場所は、廊下・更衣室・トイレ・スクールバスだと校長先生もデーターを発表してくれました。そして、なぜそこが苛めの場所となるのか? やはり大人の目が行き届かないからという結論になりました。
最終的に苛めを見たら助けてあげよう、直ぐに先生に報告しようと言う事に話がまとまっていましたね。
まぁ、どこでもそういう結論に達しますよね。学校側の考えとしても。
特にESLの先生は、時間が経ってからでは、対応出来ない事もあるかせ、何かあったら躊躇しないで、直ぐに教えて欲しいと真剣に言っていました。
校長先生から、
「ハイスクールくらいになると自覚が出来て、他人と『違う』という事も受けとめられるようになる。ミドルスクール時代は、人と違っていいとは教えられても、違うという事で悩んだり、異分子を認められないという未熟な部分もある。だから苛めもミドルスクールの方が多いんだ」という話がありました。
一人一人の心の成長が何よりも大事なのだろうけれど、それを育てるのは学校側だけでは無く、小さい頃からの親の責任だと私は思って聞いていました。帰りの車の中でも娘とそんな話しになりました。
そして、「親は必ず子供の見方なんだから、誰一人助けてくれないと思っても、親にだけは相談してよぉ~」と言ったけれど、その反面、親も生活に忙しく、子供の面倒を十分にみられない立場の人も居る事を思い出しました。
私達のような駐在家族として、会社からも保護され有る程度の生活が保証されている者と違って、自分の力だけでアメリカに渡ってきた移民の人達は本当に大変だろうと思います。それでもアメリカに来た人達。そしてそれをサポートしようとする学校側。
根が深い問題ではありますが、こうしてSpeak outできる機会がある事、そしてその場に参加してくれる先生方がいる事に感謝です。